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DVD+RWが切り開く「記録型DVD」の新世界 〜Part1 “PCユーザーの使い勝手”“高速記録”“高互換性”がキーワード
DVD+RWが切り開く「記録型DVD」の新世界 〜Part1

Printable Version 2001年9月7日

PCユーザーが本当に使いやすい
「記録型DVD」はどれ?

 CD-R/RWを使いこなしていて、「圧倒的な再生互換性」「使いやすく大容量のメディア」「いろんなディスクを作れる自由度」を知っているPCユーザーから見れば、同じ直径12cmの光ディスクであるDVDが書き込み/書き換えが可能になるのであれば、CD-R/RWと同じような特徴と使い勝手を求めるのはごく自然なことだ。ここでは“CD-R/RWユーザーが使いやすい記録型DVDはどれか?”という観点で各記録型DVDのポイントを見ていこう。

 コンシューマ市場に真っ先に登場したDVD-RAMは、10万回以上の書き換えも可能な耐久性を持ち、MOやフロッピー並みにPCファイルデータの書き込みが容易であり、PC上でデータを扱う分には非常に使い勝手のいいデバイスだ。しかし、物理フォーマットが再生専用DVDと大きく異なり、読み出しにはDVD-RAM読み出し専用の機構が必要となる。つまり、一般的なDVD-ROMドライブやDVD-Videoプレーヤでは再生できないのだ。

 DVD-RAMに続いて登場したDVD-R/RWは、記録結果こそ再生専用DVDにかなり近いため、再生できるドライブやプレーヤが多いという点ではDVD-RAMよりも優れている。しかし、現状ではDVD-RWの記録速度が等速(11.08Mbps、CD-R書き込みに換算すると9倍速強相当)であり、DVD-ROM/Videoと再生互換性を保ったままでの追記・編集はできない、といった点も指摘されている。

 また、DVD-RAMやDVD-R/RWのビデオレコーダおよびPC向けのDVD編集環境で最近注目されている「DVDビデオレコーディングフォーマット(DVD VRフォーマット)」は、DVD-Videoフォーマットよりもはるかに簡単で短時間でできるカット編集や映像データの追記も可能となっているものの、DVD-Videoフォーマットとは互換性がなく、“DVD VRフォーマットで作成したメディアは、DVD VRフォーマット対応のプレーヤでなければ再生できない”。

 これに対してDVD+RWでは、

  1. 物理フォーマットの特性が再生専用メディアとほぼ同等で、既存のDVD-ROMドライブ、DVDプレーヤと極めて高い互換性を持つ
  2. DVD-VideoやDVD-ROMといった再生専用規格との互換性を保ったまま、追記や書き換えが自在にできる
  3. DVD-RAMやDVD-RWよりも高速な記録速度を実現

といった特徴を持つ。つまり、既存のドライブやプレーヤでの高い再生互換を持ち、PC上での使い勝手に優れている、というわけである。

記録型DVDの物理フォーマット

 それではまず、DVD+RWの使い勝手のよさを根底で支える「物理フォーマット」について詳しく見てみよう。

図1 再生専用DVDメディアの物理フォーマット。
 再生専用DVDの物理フォーマットは、CD-ROMなどと同じく、メディア上に記録ピットが連続して置かれているものだ(図1)。このピットを光学的に読み出していくことで、データを再生する。このDVDの基本的な構造にどれだけ近づけるかが、物理フォーマットレベルでの互換性に大きく影響する。



図2 DVD-RAMの物理フォーマットのモデル。「ランド」と「グルーブ」の両方にデータ記録ピットが置かれ、アドレスエリアが設けられているのが特徴
 DVD-RAMの物理フォーマットは「ウォブル・ランドグルーブ方式」というものだ(図2)。これは、「ランド」と「グルーブ」というメディア上の2つの“ライン”にそれぞれ記録ピットを形成していく。記録データのアドレッシング(位置決め)情報は、アドレスエリアにあらかじめ設けられたピットに記録されており、これに加えて、データ記録エリアのランドに設けられた「ウォブル」という波状のうねり(蛇行)により、さらに正確な位置を決定する。
 この方式は、正確なアドレッシングが行えるほか、ランドとグルーブの両方にデータを記録するのでデータの記録密度が高くなり、大容量記録に向いている。しかし、ランドにもデータを記録するため再生専用DVDとは記録ピットの位置がまったく異なっているので、DVD-RAMを読み出すには専用機構の追加が必要になってしまうわけだ。



図3 DVD-R/RWの物理フォーマットのモデル。ピットの記録場所はグルーブのみで、DVD-ROMに近い。アドレッシングにはランドプリピット(LPP)を使用する
 DVD-R/RWの物理フォーマットは「ウォブルグルーブ方式」(図3)が基本となっている。この方式は、CD-R/RWの物理フォーマットにも似ており、グルーブ(記録溝)につけられたウォブルによりアドレッシングを行い、記録ピットはグルーブのみに置かれる。DVD-RAMに比べると、物理的にはかなり再生専用DVDに近い構造だ。また、アドレスを示すために「ランドプリピット(LPP)」と呼ばれる“途切れ”をランド部分に設けている。



図4 DVD+RWの物理フォーマットのモデル。DVD-R/RWと同じく記録場所はグルーブのみ。ウォブルの周波数がDVD-R/RWよりはるかに高いため、ウォブルのみでのアドレッシングが可能になっている。
 DVD+RWの物理フォーマットはDVD-R/RWと同じく「ウォブルグルーブ方式」(図4)が採用されている。DVD+RWがDVD-R/RWと大きく違う点は、アドレッシングの精度をより高めるため、グルーブに付けられたウォブルの蛇行がCD-R/RWやDVD-R/RWよりも細かい「高周波ウォブル」が用いられていることだ。ウォブルの細かさは、CD-R/RWの実に37.1倍と定められており、記録密度がCD-R/RWよりもはるかに高い記録型DVDながら、常に高い精度での位置制御を可能にしているのだ。さらに、アドレスは「ADIP」と呼ばれるウォブルに追加された情報によって表されている。この超高精度アドレッシングが、後述する「ロスレスリンキング」という継ぎ目のないデータ追記やバッファアンダーランエラーの防止を可能にし、さらに「ストレージとしての使い勝手のよさ」にも大きく貢献している。




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