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DVD+RWが切り開く「記録型DVD」の新世界 〜Part2 スーパーコンボドライブ「MP5120A」の真相に迫る!!
DVD+RWが切り開く「記録型DVD」の新世界 〜Part2

2001年9月26日

手軽に使えるリムーバブルメディアとしてCD-R/RWが多くのユーザーに親しまれている昨今だが、映像データなどPCで取り扱うファイルの大型化に伴い「CDの容量ではもう足りない!」という人も多いだろう。そんな“GBクラスのリムーバブルメディア”を欲するユーザーが現在注目しているのが「記録型DVD」だ。2回連続特別企画の後編である今回は、リコー初のDVD+RWドライブ「MP5120A」に焦点を当ててDVD+RWの世界を紹介する。

PCユーザーのための記録型DVD
「DVD+RW」とは?

 OSやアプリケーションの大型化が進み、個人ユーザーでも音楽や映像などの大容量データの作成・編集が簡単にできる環境が進化している現在、PCやAV機器で取り扱うファイルの容量は年々大きくなっている。これに呼応して、データの大量配布や個人的な保存などに利用される「リムーバブルメディア」の容量もどんどん大きくなっており、近年は650MBの容量を持つCD-R/RWが非常に高い支持を集めている。

 広く一般ユーザーにまで浸透したCD-R/RWだが、PC環境の向上による用途の多様化とデータの大容量化はとどまるところを知らず、MPEG2ムービーの保存や大容量HDDのバックアップに利用するにはすでに心もとない状況になってきている。そこで最近注目されているのがCD-R/RWをはるかにしのぐ記憶容量を持つ「記録型DVD」だ。

 記録型DVD規格では、片面4.7GB/両面合計9.4GBの容量を持つ「DVD-RAM」、容量4.7GB/ライトワンスの「DVD-R for General」、同じく容量4.7GBで書き換え可能な「DVD-RW」がすでに市場に出回り、そしてこの9月には、4.7GB・書き換えタイプの新規格「DVD+RW」がいよいよ登場する。

 「DVD+RW」は、CD-R/RWで培ってきたさまざまなノウハウを元に、高い再生互換性とPCでの使い勝手の良さが追求され、「既存のCD-R/RWユーザーが違和感なく利用できる記録型DVD規格」として設計されている。具体的には、

  • 再生専用DVDメディアと非常に近い物理フォーマットによる互換性の高さ
  • 最大2.4倍速記録やバックグラウンドフォーマットなどによる高速なDVD作成を実現
  • 互換性を維持したまま、自由な追記・編集を可能とする“仕組み”の導入

といったポイントがDVD+RW規格の特徴として挙げられる(規格の詳細や特徴については、9月7日掲載の第1回を参照のこと)。

記録型DVD規格が乱立する中、“真にPCユーザーが使いやすい記録型DVD規格”として期待の高い「DVD+RW」。実際の製品の登場はもう目前だ!
 ここでは、DVD+RW規格団体「DVD+RW Alliance」に参加しているリコーから登場する初のDVD+RWドライブ「MP5120A」にスポットを絞り、日本国内で有数のCD-R/RWドライブメーカーとしてよく知られている“老舗”ならではのドライブ設計のポイントと、豊富な付属ソフトで実現する「オリジナルDVD作成」をご紹介する。



新機能+蓄積されたノウハウ
=コンボドライブの集大成「MP5120A」

 CD-R/RW創生期からCD-R/RWドライブに携わっている“老舗”のリコーだが、数ある製品の中でもとりわけ'99年にリリースされた「MP9060A」以来、CD-RWドライブとDVD-ROMドライブの機能を1台で併せ持つ「コンビネーションドライブ」シリーズは同社の独壇場で、市場でも高い評価を集めている。今回のMP5120Aは、従来のCD-RW&DVD-ROMコンビネーションドライブに“DVD+RW記録”が追加されたコンビネーションドライブのラインナップ中で最上位のモデル、すなわち「スーパーコンビネーションドライブ」である。

 今回初めてDVD+RWへの書き込み機能を搭載するにあたって、高精度なパルス制御が可能な「デジタルコントローラーLSI」やピックアップの駆動、サーボやレーザー出力などの制御を行う「アナログフロントエンドプロセッサーLSI」といった制御系LSIが、従来モデルからすべて刷新されている。また、ピックアップモジュールも新規開発だが、ここでは、CD-RW&DVD-ROMコンビネーションドライブで培った技術を生かし、従来のコンビネーションドライブと同様「2LD(レーザーダイオード)1レンズ方式ピックアップ」を採用している。


本体背面。インターフェイスはATAPIで、UltraATA/33に対応する。音声出力端子はアナログとS/PDIFの2系統。

 DVD+RWの記録速度は2.4倍速(26.59Mbps)。ほかの書き換えが可能な記録型DVDでは、DVD-RAMが2倍速(22.16Mbps)、DVD-RWが等速(11.08Mbps)となっており、記録速度は記録型DVDの中で最速だ。
 DVD+RW規格では、常に記録速度が一定になる「CLV方式」に加えて、メディア回転速度が常に一定でメディア上の記録位置に応じて記録速度が変化する(等速〜2.4倍速)「CAV方式」も定められている。ランダムアクセスライトが非常に頻繁に起きるケースでは、メディアの回転速度を頻繁に調整しつづける必要があるCLV方式よりも、メディア回転速度が一定なCAV方式のほうがシーク時の無駄が少なく、場合によってはCLV方式よりも高速な記録が可能だ。それを考慮してDVD+RW規格ではCLVとCAVの両方を認めているわけである。ただし、MP5120Aに関しては、全周CLV方式・2.4倍速記録のみのサポートとなっている。

 また本機は、「スーパーコンビネーションドライブ」という肩書きが示すように、CD-R、CD-RWへの記録、およびCD読み出しももちろんサポートしている。記録/再生速度は、CD-R書き込みが12倍速、CD-RW書き換えは10倍速、CD読み出しは最大32倍速(CD-ROM、CD-RW、音楽トラックのデジタルキャプチャとも)となっている。バッファメモリは2MBで、バッファアンダーラン防止機構「JustLink」を搭載することで、安全で確実な記録を実現している。
 なお、JustLinkはCD-R/RWメディアへの記録時にのみ機能する。DVD+RWへの記録時には、データとデータの“つなぎ目”を1μm以内に収める「ロスレスリンキング」により、バッファアンダーランによるギャップを防ぐことで、書き込みエラーを防止している。

「ラジアルチルト補正機構」の基本構造。メディアの“そり”をピックアップモジュールに取り付けられたセンサーで感知し、常にレーザーがメディアに対して垂直に照射されるように調整する。
 光ディスクメディアでは、メディアの“そり”や“偏重心”が記録&再生時の“大敵”で、メディアの物理的な状態があまりにも悪い場合には、正しくデータが読めない/書けないといった事態になってしまう可能性が非常に大きい。これは、メディアのそりや偏重心による傾きによってメディア面に対してレーザーが垂直に照射されず、レーザーの反射を受け取れなかったり正確な位置に照射できないことなどが原因だ。CD-R/RWよりもさらに記録密度が高いDVD+RWやDVD-ROMでは、CD-R/RWやCD-ROM以上に“メディアのそり”によるトラブルの発生する可能性が高くなるので、本機では、DVD再生時およびDVD+RWへの記録時、メディア面に対して常に垂直にレーザーが照射されるように、メディアの“そり”をセンサーで計測してそれに合わせてピックアップモジュールの角度を調整する図のような「ラジアルチルト補正機構」が搭載されている(CD再生およびCD-R/RWへの記録時には機能しない)。これによりトラブルのない記録・再生が可能になっているわけだ。

 光メディアドライブのピックアップは非常に埃に弱いパーツであり、防塵性能の高さはドライブの寿命にも影響を与える。これまでのリコー製ドライブと同様に本ドライブでも、低発熱設計によるファンレス構造と高密閉性トレイを採用している。DVD+RW記録対応の“次世代”製品でも、リコーならではの細かなこだわりは健在だ。

 MP5120Aのハードウェア的な特徴は以上のとおりだが、それでは実際にDVD+RWを利用すると何ができて、ほかの記録型DVDよりもどのように便利なのだろうか? 次ページからはMP5120Aと付属ソフトを利用したDVD作成をご紹介する。





DVD-ROMもDVD-Videoも作成可能な
豊富なソフトウェアが付属

 DVD+RWドライブの主な用途は、大きく分けると、“PCファイルデータ保存”と“DVD-Video作成”の2種類だ。これまでにも述べてきたように、MP5120Aはいずれの用途においても高い互換性を持ったメディアを作成できる。さらに本機にはこれらの用途に対応したさまざまなソフトウェアが付属しており、ドライブを買ったその日から、DVD+RWのフル活用が可能だ。
 それではまず、“PCファイルデータの保存”を目的とした2本のソフトを使ってみよう。

 「B's Recorder GOLD」と「B's CLiP」は、CD-R/RWのライティングソフトの中でも国内では特によく知られている定番ソフトだ。前者が“データCD”“音楽CD”“VideoCD”などのマルチフォーマット対応の「プレマスタリングソフト」、後者がフロッピーディスクやMO感覚の操作でデータを記録できる「パケットライトソフト」となっている。
 この有名ソフトが、最新のバージョンアップにより記録型DVDにも対応し(Ver.3.00より対応。MP5120A付属版はVer.3.02)、DVD+RWが持つ数々の独自機能もフルサポートしている。

「B's Recorder GOLD」。DVD+RWを利用する場合でも、基本的な操作方法はCD-R/RWを利用する場合とまったく同じだ。
 B's Recorder GOLDで作成できるのは「DVD-ROM互換のデータDVD」で、CD-R/RWへの記録機能も持つMP5120Aでは、これに加えて各種フォーマットのCDも従来どおり作成可能だ。ソフトの使用方法自体は、従来バージョンから大きな変更はなく、DVD+RWメディア利用時であってもCD-R/RWのデータディスクを作成する場合とまったく同じだ。CD-R/RWからDVD+RWまで統一された操作体系で利用できるのは、すでにCD-R/RWドライブで本ソフトを利用したことのあるユーザーには嬉しいポイントだ。

 本ソフトで作成されるデータDVDは、DVD-ROMのファイルシステムとして最もスタンダードな「UDF Bridge」が採用されている。DVD-ROMのファイルフォーマットは「UDF」(Universal Disk Format、CD-R/RWではパケットライトソフトで用いられている)が採用されているが、UDFのメディアを読むには専用のリーダドライバが必要となる(UDFのバージョンによっては、リーダドライバが不要の場合もある)。そこで、既存のOSでも簡単に読み出せるように、非常に一般的な(=リーダドライバを追加せずに済む)「ISO9660」としてアクセスできるファイルシステムが「UDF Bridge」である。このファイルシステムの採用により、本ソフトで作成したデータDVDは、DVD+RWメディアが再生できるドライブであれば、Windows 95以降のWindowsのすべてで読み出しが可能で、リーダドライバなどを導入する必要もない。

 DVD+RWを本ソフトで利用した場合のメリットは、

  • 自由な追記が可能
  • 高速DVD作成モードのサポート

の2点が挙げられる。

 DVD-ROMフォーマットではデータは連続して書かれなければ再生装置でうまく再生することができない。つまり、追記した場合であっても、すでに書き込まれているデータとの間に隙間、つまり「リンクロス」ができてはならないのだ。しかし、すでに書き込まれているデータと新たに書き込むデータの間の“つなぎ目”をほぼゼロにしてデータを追記する「ロスレスリンキング」が必須となっているDVD+RWでは、従来の記録型DVDにはできなかった“DVD-ROMフォーマットへのメディアに追記”が可能だ。
 データを追記するのは非常に簡単で、新品のメディアにデータを書き込むとき、B's Recorder GOLDのメインウィンドウにある「ディスクアットワンス」のチェックボックスを外し、「編集」メニューの中にある「書き込む前に自動的に読み込む」のチェックボックスをオンにしておけばいい。これらチェックボックスの設定は、デフォルトで前者がオフ、後者がオンになっているので、要するに追記をしたい場合には“何も押さなければOK”だ。こうして一度書き終えたメディアをドライブにセットして、新たなデータを書き込もうとすると、すでにメディアに記録されたファイルが一旦B's Recorder GOLDに読み込まれ、その後書き込みをスタートすると、追記分のファイルの書き込みが始まり、すべてのデータの書き込みが終了すれば作業は完了だ。なお、「ディスクアットワンス」チェックボックスの下には「CDを閉じる」というチェックボックスがあるが、これにチェックを入れてあってもDVD+RWへのデータの追記は問題なく行われる。実際にデータの追記を行ってみたが、DVD-ROMドライブで読み込んでみたところ、すでに書き込んであったデータも新たに書き込んだデータも問題なくアクセス可能だった。


図1 DVD+RW、DVD-RとDVD-RWにそれぞれ、500MBのデータをオンザフライ、ディスクアットワンスで記録した場合(グラフ青)と、1.1GBのデータを同様に記録した場合(紫)の所要時間(単位:秒)。ダミーデータを書き込まず、2.4倍速記録が可能なDVD+RWの高速さが光る。

 DVD-ROMの規格では「メディアには最低1GB程度のデータが記録されてなければならない」という決まりがあり、DVD-R/RWで1GB未満のデータを記録する場合には、実データ以外にダミーデータを記録して“トータル1GBのデータが書き込まれた状態”にしている。しかし、DVD+RWでは1GB以下のデータを記録する場合でもダミーデータを書き込まず、実データのみを記録する「高速DVD作成」というモードが用意されており(「環境設定」の中の「DVD+RW設定」で「読み取り互換性を重視する」オプションのチェックを外すと有効になる。デフォルトはオフ)、ダミーデータを記録する時間を省略可能だ。B's Recorder GOLDは、デフォルトでこの「高速DVD作成」が有効になっており、1GB以下のデータを記録する場合には、DVD-R/RWにくらべて非常に高速な書き込みが可能だ(図1のベンチマークテスト参照)。
 なお、「最低限1GBのデータが必要」というDVD規格の仕様を満たしていないこの「高速DVD作成」モードだが、ごく一部のDVD-ROMドライブを除けば、総データ容量1GB以下のメディアでも問題なく読み出せるという。

「B's CLiP」のフォーマット設定画面。「バックグラウンドフォーマット」をフルサポートしている。ファイルの書き込みはエクスプローラ上でドラッグ&ドロップするだけでOKだ。
 一方、エクスプローラ上でファイルをドラッグ&ドロップするだけでメディアにデータを書き込める「B's CLiP」は、「ライティングソフトを起動し、書き込むファイルを選択して……」といった面倒な作業がないため、ちょっとしたファイルの保存などにも気軽にCD-RWや記録型DVDが利用できるのが特徴だ。本ソフトをDVD+RWと組み合わせて利用した場合には、

  • バックグラウンドフォーマットによる高速初期化
  • DVD+RW使用時はファイルシステムに「UDF 1.5」が使用されるので、Windows 2000/XPではリーダドライバをインストールしなくても読み出し可能
  • 記録速度はDVD-RWが等速、DVD-RAMが2倍速なのに対し、DVD+RWは2.4倍速書き込みをサポート

といったメリットがある。

 B's CLiPが組み込まれた環境に新品のメディアを挿入すると、まず最初にメディアのフォーマットが開始される。DVD+RWでは、メディアのフォーマット時は、メディアの先頭部分を約1分ほどかけてフォーマットするだけで、すぐにデータの書き込みが可能になる。未フォーマット領域については、ドライブがアイドル状態にあるときにフォーマット作業を行う(詳細は第1回の解説を参照)。

 またMP5120Aは、すべての記録型DVDドライブの中でもっとも高速な2.4倍速記録が可能だ。そのためDVD-RWドライブでB's CLiPを使用する場合に比べると、フォーマットから実際のデータ書き込みまでのトータル時間が大きく短縮できるわけである。


図2 DVD+RWおよびDVD-RWメディアに大容量ファイル計500MB(45〜230MBのファイル×4)および小容量ファイル計500MB(数KB〜10MB前後×1428)をB's CLiPを利用して書き込んだときの所要時間(単位:秒)。記録速度はDVD+RWは2.4倍速、DVD-RWが等速で、この速度差が非常に大きく現れている。

 このように、“PCユーザーが真に使いやすい記録型DVD”を目指すDVD+RWならではの独自の機能に対応したこれら2本のソフトならば、大容量のメディアを無駄なく高速に利用できる。CD-R/RWの後継として記録型DVDの導入を考えている人には、これらのポイントが非常に有効になるだろう。



“オリジナルDVD-Videoの作成”にも
もちろん利用可能なDVD+RW

 記録型DVDの導入を検討している人の中には、「オリジナルのDVD-Videoの作成」を主な用途にと考えている方も少なくないだろう。今回紹介しているリコーのDVD+RWドライブ「MP5120A」でも、既存の再生専用DVDプレーヤやDVD-ROMドライブ+DVDプレーヤソフトで再生できる“互換性の高いDVD-Videoの作成”がもちろん可能だ。

 MP5120Aに付属しているDVD-Video作成用ソフトは、DVD-Videoオーサリングソフト「MyDVD 3.0」と、映像ソースの編集ソフト「MotionDV STUDIO」の2本だ。

DVD-Videoオーサリングソフト「MyDVD」。ビデオデッキで録画する感覚でキャプチャした映像を直接DVD+RWメディアに記録する「Direct-to-DVD」機能が最大の特徴だ。
 「MyDVD」は、簡単な操作がウリのDVD-Videoオーサリングソフトだ。多くのDVD-Videoオーサリングソフトでは、外部ソフトを利用して“DVD-Video規格にマッチしたMPEG2ファイル”を作成しておかなければならないが、MyDVDでは、オーサリングソフトの基本である「メニュー作成」や「MPEG2ファイルのレイアウト」だけでなく、「動画キャプチャ」および「MPEG2エンコーディング機能」まで装備されているので、DVD-Video作成がこのソフト1本で簡単にできてしまう。
 初めてDVD-Videoのオーサリングにチャレンジする人は、ウィザードの指示に従って、DVD-Videoとして書き込むMPEG2データの指定、メニュースタイルの選択、チャプタの設定などの準備作業を順に進めていけばOK。完成したDVD-Video用データは本ソフト上でもプレビュー可能で、最終的なデータは、DVD+RWへ書き込むほか、CD-R/RWやHDDへの記録(DVD-Videoイメージファイルとして出力)も選択できる。
 また、B's Recorder GOLDと同様に、実データが1GB以下でもダミーデータを書き込まない「高速DVD作成」にも対応しているので(ごく一部のDVD-Videoプレーヤを除けば、完成したメディアはもちろん問題なく再生可能)、容量が1GBに満たないDVD-Videoを作成する場合にはダミーデータの書き込み作業の完了をわざわざ待つ必要がない。

 MyDVDで最も便利な機能は、ビデオデッキでテレビ番組を録画するように、キャプチャデバイスから入力された映像ソースをDVD+RWメディアに直接「録画」していく「Direct-to-DVD機能」だ。この機能で作成したメディアも、もちろんDVD-Video形式のメディアになるので、ほかのDVDプレーヤやDVD-ROMドライブで問題なく再生できる。このリアルタイムキャプチャに利用できるビデオキャプチャデバイスは、Direct Showに対応しMicrosoft Video WDM(Windows Device Manager)互換のものとなっているので、最近巷で人気となっているテレビキャプチャデバイス(TVチューナ付きキャプチャカードなど)の多くが使用可能だ。
 よりきめ細かな映像ソースの編集が必要な場合は後述の「MotionDV STUDIO」と組み合わせるのがベストだが、過去に録画したVHSテープなどを編集しないでさっさとDVD-Videoにしてしまいたい、といった場合はキャプチャからDVD-Video形式での書き込みまでを一気に実行できるこの機能が便利だ。
 なおDirect-to-DVDでは、映像をキャプチャしつつ内蔵のリアルタイムソフトウェアMPEG2エンコーダでHDDにキャッシュ、コンバートして書き込みを行うので、マシンにかかる負荷はかなり高くなってしまう。そのため、Direct-to-DVDを利用する際の動作環境は、CPUが“Pentium 4-1.4GHz以上のマシンを推奨”となっている。

 現行バージョンのMyDVDは、既存のDVDプレーヤとの再生互換性を保ったままデータの追記が可能な規格「DVD+RWビデオレコーディングフォーマット」に対応していないため、いったんDVD-Videoデータを書き込んだメディアにはデータを追記できない。しかし、今後ソフトウェアのアップデートによりDVD+RWビデオレコーディングフォーマットにも対応する予定となっているので、将来はさらに使いやすく強力なユーティリティとなるだろう。



映像編集ソフト「MotionDV STUDIO」。AVIやMPEG1/2/4ファイルの加工・編集、DVカムコーダからの映像取り込みなど、DVD-Videoとして書き込むMPEG2ファイルの作成に威力を発揮するソフトだ。
 映像関連のもうひとつの付属ソフト「MotionDV STUDIO」は、PCに取り込んだ映像や音声(対応するファイル形式は、AVI、MPEG1/2/4、BMP、JPEG、WAVE、MP3、WMA)のカット編集や複数のソースを組み合わせた映像の作成、映像に2D/3Dテキストの追加やエフェクト処理を施すなど、DVカムコーダやビデオデッキなどから取り込んだ映像素材に“凝った編集”を行いたい場合に利用するソフトだ。本ソフトにはDVDオーサリング機能はないので、「MyDVD」を使って映像を記録する前にキャプチャした映像素材を加工する、という使い方がメインとなる。
 映像編集ソフトには“高機能だが操作が複雑で初心者には扱いづらい”ものもままあるが、「MotionDV STUDIO」はひとつの画面上で編集作業のほとんどが実行できるので作業全体の見通しがよく、操作は非常に快適だ。また、IEEE1394端子に接続されたDVカムコーダの制御(早送り/戻しや一時停止など)も本ソフト上から行えるので、DVカムコーダで撮影した映像をDVD-Videoにしたいという場合には、特に便利なソフトである。
 編集後の映像をDVD-Videoに利用する場合には、完成した映像データをMPEG2にエンコードする必要があるが、本ソフトにはMPEG2ソフトウェアエンコーダが内蔵されている。また、MPEG1エンコーダも内蔵されているので、長時間録画したい場合にはこちらを使えばよい。このエンコーダの画質は映像編集ソフト内蔵のもののなかでは非常に優秀で、編集からデータ出力まで、簡単な操作ながらハイクオリティなオリジナルムービー作りが堪能できるだろう。

 データDVDからDVD-VideoまであらゆるタイプのDVDが作成可能で、なおかつハードウェア・ソフトウェアともに“PCユーザーの使い勝手のよさ”が十分に考慮された「MP5120A」。店頭発売日は9月28日で、実売価格は6万円前後になると予想されている。先行する記録型DVDが持っていたさまざまな弱点を克服した“CD-R/RWの後継者”たるDVD+RWが店頭に並ぶ日はもうすぐそこまで来ているのだ!





DVD+RWメディアもリコーから登場!
オンラインショップでも購入可能

DVD+RWメディア。リコー製メディアは「MP5120A」と同時発売される。
 リムーバブルメディアドライブは、いかに規格やドライブの性能が素晴らしくても、記録用のメディアが登場し、潤沢に流通しないことには始まらない。DVD+RWのメディアは、MP5120Aと同じくリコーから9月28日に同時発売される予定になっている。



図1 CD-RWメディアの基本構造モデル。
 DVD+RWは「相変化記録型」と呼ばれる書き換え可能な光ディスクメディアで、同じ方式のメディアにはすでに広く普及している「CD-RW」がある(図1)。DVD+RWは、このCD-RWをベースに設計されており、断面図を見てもわかるように構造はCD-RWに非常に近いものとなっている(図2)。記録層の記録材料は、リコーがCD-RWメディアで採用していたオリジナルの“4元系(Ag-In-Sb-Te)相変化記録材料”を元にDVD向けにカスタマイズしたものが採用されている。また、リコーのDVD+RWメディアは現行のDVD+RW規格で定められた記録速度・記録方式である、等速〜2.4倍速とCLVおよびCAV方式書き込みをフルサポートしている。




図2 DVD+RWメディアの基本構造モデル。基本的な構造は非常にCD-RWに近い。

DVD+RWメディアの記録面。CD-RWの相変化記録材料をカスタマイズした4元系材料が使われているので、メディアの“色”はリコー製CD-RWメディアと非常によく似ている。

 CD-RWメディアの品質でも高い評価を集めていたリコーだが、初のDVD+RWメディアは、ドライブ本体と同様に、これまでCD-RWメディアで培ってきたノウハウが凝縮された製品だ。

 相変化記録材料を利用した記録メディアでは、レーザー照射と照射ポイントの冷却により記録層を「クリスタル(結晶質)」と「アモルファス(非晶質)」に「相変化」させることで、データの記録や消去、上書きを行う。相変化記録材料は、何十回何百回とデータを記録したときよりも、むしろクリスタルとアモルファスが混在して存在する2〜3回目の書き換えのほうがむしろ不安定な物理的状態になりやすい傾向があり、これはCD-RW、DVD+RWどちらでも共通だ。リコーは、CD-RWの時代からこのような「少ない書き換え回数時の安定性」を考慮してメディアを研究・開発しており、ここでのノウハウはDVD+RWメディアにもフルに役立てられている。
 また、初のDVD+RWドライブである「MP5120A」の開発時から“標準メディア”として、いわば共に成長してきたメディアであるから、MP5120Aとリコー製DVD+RWメディアの組み合わせでの安定性・相性は当然抜群のものになっているという。

 ドライブと共に店頭に並ぶメディアのラインナップは、PC用DVD+RWドライブ向けの「DVD+RW for Data」と、今後DVD+RW Alliance参加各社から登場が予定されているDVD+RWビデオレコーダ向けの「DVD+RW for Video」の2種類で、両タイプとも1枚パックおよび5枚パックが用意される。価格はどちらもオープンプライスで、DVD+RW for Dataの1枚あたりの予想店頭価格は1500円前後になる見込みだ(DVD+RW for Videoは私的録画補償金を含んだ価格になる)。なお、テレビ番組などの著作権が設定されたものを記録する場合、PC用DVD+RWドライブで記録する際でも「DVD+RW for Video」を使用することになる。

 これらリコーのDVD+RWメディアやDVD+RWドライブは全国のPC販売店だけでなく、リコーが運営するオンラインショップ「NetRICOH」でも購入可能だ(DVD+RWドライブ「MP5120A」とDVD+RWメディアは9月28日より取り扱い開始予定)。メディアの購入時にはこちらもぜひともチェックしてみよう。

(内田)




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