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新機能+蓄積されたノウハウ
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「ラジアルチルト補正機構」の基本構造。メディアの“そり”をピックアップモジュールに取り付けられたセンサーで感知し、常にレーザーがメディアに対して垂直に照射されるように調整する。 |
光メディアドライブのピックアップは非常に埃に弱いパーツであり、防塵性能の高さはドライブの寿命にも影響を与える。これまでのリコー製ドライブと同様に本ドライブでも、低発熱設計によるファンレス構造と高密閉性トレイを採用している。DVD+RW記録対応の“次世代”製品でも、リコーならではの細かなこだわりは健在だ。
MP5120Aのハードウェア的な特徴は以上のとおりだが、それでは実際にDVD+RWを利用すると何ができて、ほかの記録型DVDよりもどのように便利なのだろうか? 次ページからはMP5120Aと付属ソフトを利用したDVD作成をご紹介する。
DVD+RWドライブの主な用途は、大きく分けると、“PCファイルデータ保存”と“DVD-Video作成”の2種類だ。これまでにも述べてきたように、MP5120Aはいずれの用途においても高い互換性を持ったメディアを作成できる。さらに本機にはこれらの用途に対応したさまざまなソフトウェアが付属しており、ドライブを買ったその日から、DVD+RWのフル活用が可能だ。
それではまず、“PCファイルデータの保存”を目的とした2本のソフトを使ってみよう。
「B's Recorder GOLD」と「B's CLiP」は、CD-R/RWのライティングソフトの中でも国内では特によく知られている定番ソフトだ。前者が“データCD”“音楽CD”“VideoCD”などのマルチフォーマット対応の「プレマスタリングソフト」、後者がフロッピーディスクやMO感覚の操作でデータを記録できる「パケットライトソフト」となっている。
この有名ソフトが、最新のバージョンアップにより記録型DVDにも対応し(Ver.3.00より対応。MP5120A付属版はVer.3.02)、DVD+RWが持つ数々の独自機能もフルサポートしている。
「B's Recorder GOLD」。DVD+RWを利用する場合でも、基本的な操作方法はCD-R/RWを利用する場合とまったく同じだ。 |
本ソフトで作成されるデータDVDは、DVD-ROMのファイルシステムとして最もスタンダードな「UDF Bridge」が採用されている。DVD-ROMのファイルフォーマットは「UDF」(Universal Disk Format、CD-R/RWではパケットライトソフトで用いられている)が採用されているが、UDFのメディアを読むには専用のリーダドライバが必要となる(UDFのバージョンによっては、リーダドライバが不要の場合もある)。そこで、既存のOSでも簡単に読み出せるように、非常に一般的な(=リーダドライバを追加せずに済む)「ISO9660」としてアクセスできるファイルシステムが「UDF Bridge」である。このファイルシステムの採用により、本ソフトで作成したデータDVDは、DVD+RWメディアが再生できるドライブであれば、Windows 95以降のWindowsのすべてで読み出しが可能で、リーダドライバなどを導入する必要もない。
DVD+RWを本ソフトで利用した場合のメリットは、
の2点が挙げられる。
DVD-ROMフォーマットではデータは連続して書かれなければ再生装置でうまく再生することができない。つまり、追記した場合であっても、すでに書き込まれているデータとの間に隙間、つまり「リンクロス」ができてはならないのだ。しかし、すでに書き込まれているデータと新たに書き込むデータの間の“つなぎ目”をほぼゼロにしてデータを追記する「ロスレスリンキング」が必須となっているDVD+RWでは、従来の記録型DVDにはできなかった“DVD-ROMフォーマットへのメディアに追記”が可能だ。
データを追記するのは非常に簡単で、新品のメディアにデータを書き込むとき、B's Recorder GOLDのメインウィンドウにある「ディスクアットワンス」のチェックボックスを外し、「編集」メニューの中にある「書き込む前に自動的に読み込む」のチェックボックスをオンにしておけばいい。これらチェックボックスの設定は、デフォルトで前者がオフ、後者がオンになっているので、要するに追記をしたい場合には“何も押さなければOK”だ。こうして一度書き終えたメディアをドライブにセットして、新たなデータを書き込もうとすると、すでにメディアに記録されたファイルが一旦B's Recorder GOLDに読み込まれ、その後書き込みをスタートすると、追記分のファイルの書き込みが始まり、すべてのデータの書き込みが終了すれば作業は完了だ。なお、「ディスクアットワンス」チェックボックスの下には「CDを閉じる」というチェックボックスがあるが、これにチェックを入れてあってもDVD+RWへのデータの追記は問題なく行われる。実際にデータの追記を行ってみたが、DVD-ROMドライブで読み込んでみたところ、すでに書き込んであったデータも新たに書き込んだデータも問題なくアクセス可能だった。
図1 DVD+RW、DVD-RとDVD-RWにそれぞれ、500MBのデータをオンザフライ、ディスクアットワンスで記録した場合(グラフ青)と、1.1GBのデータを同様に記録した場合(紫)の所要時間(単位:秒)。ダミーデータを書き込まず、2.4倍速記録が可能なDVD+RWの高速さが光る。 |
DVD-ROMの規格では「メディアには最低1GB程度のデータが記録されてなければならない」という決まりがあり、DVD-R/RWで1GB未満のデータを記録する場合には、実データ以外にダミーデータを記録して“トータル1GBのデータが書き込まれた状態”にしている。しかし、DVD+RWでは1GB以下のデータを記録する場合でもダミーデータを書き込まず、実データのみを記録する「高速DVD作成」というモードが用意されており(「環境設定」の中の「DVD+RW設定」で「読み取り互換性を重視する」オプションのチェックを外すと有効になる。デフォルトはオフ)、ダミーデータを記録する時間を省略可能だ。B's Recorder GOLDは、デフォルトでこの「高速DVD作成」が有効になっており、1GB以下のデータを記録する場合には、DVD-R/RWにくらべて非常に高速な書き込みが可能だ(図1のベンチマークテスト参照)。
なお、「最低限1GBのデータが必要」というDVD規格の仕様を満たしていないこの「高速DVD作成」モードだが、ごく一部のDVD-ROMドライブを除けば、総データ容量1GB以下のメディアでも問題なく読み出せるという。
「B's CLiP」のフォーマット設定画面。「バックグラウンドフォーマット」をフルサポートしている。ファイルの書き込みはエクスプローラ上でドラッグ&ドロップするだけでOKだ。 |
といったメリットがある。
B's CLiPが組み込まれた環境に新品のメディアを挿入すると、まず最初にメディアのフォーマットが開始される。DVD+RWでは、メディアのフォーマット時は、メディアの先頭部分を約1分ほどかけてフォーマットするだけで、すぐにデータの書き込みが可能になる。未フォーマット領域については、ドライブがアイドル状態にあるときにフォーマット作業を行う(詳細は第1回の解説を参照)。
またMP5120Aは、すべての記録型DVDドライブの中でもっとも高速な2.4倍速記録が可能だ。そのためDVD-RWドライブでB's CLiPを使用する場合に比べると、フォーマットから実際のデータ書き込みまでのトータル時間が大きく短縮できるわけである。
図2 DVD+RWおよびDVD-RWメディアに大容量ファイル計500MB(45〜230MBのファイル×4)および小容量ファイル計500MB(数KB〜10MB前後×1428)をB's CLiPを利用して書き込んだときの所要時間(単位:秒)。記録速度はDVD+RWは2.4倍速、DVD-RWが等速で、この速度差が非常に大きく現れている。 |
このように、“PCユーザーが真に使いやすい記録型DVD”を目指すDVD+RWならではの独自の機能に対応したこれら2本のソフトならば、大容量のメディアを無駄なく高速に利用できる。CD-R/RWの後継として記録型DVDの導入を考えている人には、これらのポイントが非常に有効になるだろう。
記録型DVDの導入を検討している人の中には、「オリジナルのDVD-Videoの作成」を主な用途にと考えている方も少なくないだろう。今回紹介しているリコーのDVD+RWドライブ「MP5120A」でも、既存の再生専用DVDプレーヤやDVD-ROMドライブ+DVDプレーヤソフトで再生できる“互換性の高いDVD-Videoの作成”がもちろん可能だ。
MP5120Aに付属しているDVD-Video作成用ソフトは、DVD-Videoオーサリングソフト「MyDVD 3.0」と、映像ソースの編集ソフト「MotionDV STUDIO」の2本だ。
DVD-Videoオーサリングソフト「MyDVD」。ビデオデッキで録画する感覚でキャプチャした映像を直接DVD+RWメディアに記録する「Direct-to-DVD」機能が最大の特徴だ。 |
MyDVDで最も便利な機能は、ビデオデッキでテレビ番組を録画するように、キャプチャデバイスから入力された映像ソースをDVD+RWメディアに直接「録画」していく「Direct-to-DVD機能」だ。この機能で作成したメディアも、もちろんDVD-Video形式のメディアになるので、ほかのDVDプレーヤやDVD-ROMドライブで問題なく再生できる。このリアルタイムキャプチャに利用できるビデオキャプチャデバイスは、Direct Showに対応しMicrosoft Video WDM(Windows Device Manager)互換のものとなっているので、最近巷で人気となっているテレビキャプチャデバイス(TVチューナ付きキャプチャカードなど)の多くが使用可能だ。
よりきめ細かな映像ソースの編集が必要な場合は後述の「MotionDV STUDIO」と組み合わせるのがベストだが、過去に録画したVHSテープなどを編集しないでさっさとDVD-Videoにしてしまいたい、といった場合はキャプチャからDVD-Video形式での書き込みまでを一気に実行できるこの機能が便利だ。
なおDirect-to-DVDでは、映像をキャプチャしつつ内蔵のリアルタイムソフトウェアMPEG2エンコーダでHDDにキャッシュ、コンバートして書き込みを行うので、マシンにかかる負荷はかなり高くなってしまう。そのため、Direct-to-DVDを利用する際の動作環境は、CPUが“Pentium 4-1.4GHz以上のマシンを推奨”となっている。
現行バージョンのMyDVDは、既存のDVDプレーヤとの再生互換性を保ったままデータの追記が可能な規格「DVD+RWビデオレコーディングフォーマット」に対応していないため、いったんDVD-Videoデータを書き込んだメディアにはデータを追記できない。しかし、今後ソフトウェアのアップデートによりDVD+RWビデオレコーディングフォーマットにも対応する予定となっているので、将来はさらに使いやすく強力なユーティリティとなるだろう。
映像編集ソフト「MotionDV STUDIO」。AVIやMPEG1/2/4ファイルの加工・編集、DVカムコーダからの映像取り込みなど、DVD-Videoとして書き込むMPEG2ファイルの作成に威力を発揮するソフトだ。 |
データDVDからDVD-VideoまであらゆるタイプのDVDが作成可能で、なおかつハードウェア・ソフトウェアともに“PCユーザーの使い勝手のよさ”が十分に考慮された「MP5120A」。店頭発売日は9月28日で、実売価格は6万円前後になると予想されている。先行する記録型DVDが持っていたさまざまな弱点を克服した“CD-R/RWの後継者”たるDVD+RWが店頭に並ぶ日はもうすぐそこまで来ているのだ!
DVD+RWメディア。リコー製メディアは「MP5120A」と同時発売される。 |
図1 CD-RWメディアの基本構造モデル。 |
CD-RWメディアの品質でも高い評価を集めていたリコーだが、初のDVD+RWメディアは、ドライブ本体と同様に、これまでCD-RWメディアで培ってきたノウハウが凝縮された製品だ。
相変化記録材料を利用した記録メディアでは、レーザー照射と照射ポイントの冷却により記録層を「クリスタル(結晶質)」と「アモルファス(非晶質)」に「相変化」させることで、データの記録や消去、上書きを行う。相変化記録材料は、何十回何百回とデータを記録したときよりも、むしろクリスタルとアモルファスが混在して存在する2〜3回目の書き換えのほうがむしろ不安定な物理的状態になりやすい傾向があり、これはCD-RW、DVD+RWどちらでも共通だ。リコーは、CD-RWの時代からこのような「少ない書き換え回数時の安定性」を考慮してメディアを研究・開発しており、ここでのノウハウはDVD+RWメディアにもフルに役立てられている。
また、初のDVD+RWドライブである「MP5120A」の開発時から“標準メディア”として、いわば共に成長してきたメディアであるから、MP5120Aとリコー製DVD+RWメディアの組み合わせでの安定性・相性は当然抜群のものになっているという。
ドライブと共に店頭に並ぶメディアのラインナップは、PC用DVD+RWドライブ向けの「DVD+RW for Data」と、今後DVD+RW Alliance参加各社から登場が予定されているDVD+RWビデオレコーダ向けの「DVD+RW for Video」の2種類で、両タイプとも1枚パックおよび5枚パックが用意される。価格はどちらもオープンプライスで、DVD+RW for Dataの1枚あたりの予想店頭価格は1500円前後になる見込みだ(DVD+RW for Videoは私的録画補償金を含んだ価格になる)。なお、テレビ番組などの著作権が設定されたものを記録する場合、PC用DVD+RWドライブで記録する際でも「DVD+RW for Video」を使用することになる。
これらリコーのDVD+RWメディアやDVD+RWドライブは全国のPC販売店だけでなく、リコーが運営するオンラインショップ「NetRICOH」でも購入可能だ(DVD+RWドライブ「MP5120A」とDVD+RWメディアは9月28日より取り扱い開始予定)。メディアの購入時にはこちらもぜひともチェックしてみよう。
(内田)
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