日本電気(株)は22日、記録媒体に書き換え可能な大容量光ディスクを用いたデジタルビデオレコーダー『GigaStation(ギガ・ステーション)』(MV-10000)を発表した。発売は9月21日で、価格は35万円。同社は、コンシューマー向けのデジタル光ディスクビデオレコーダーの製品化は世界初としている。
『GigaStation(ギガ・ステーション)』(MV-10000) |
記録メディアは『MVDISCカートリッジ』と呼ばれ、光ディスクがカードリッジ内に格納されている。光ディスクはCDと同サイズの直径120mmで、片面5.2GBの容量を持つ。NEC独自の“MVDISC(Multimedia
Video DISC)フォーマット”を採用し、片面にS-VHS相当の標準モードで2時間、長時間モードで4時間、高画質のファインモードで1時間の記録が可能。メディアは、片面5.2GBの『MVDISC-05A』と両面10.4GBの『MVDISC-10A』が用意される。価格は05Aが3900円で、10Aは未定。
『MVDISCカートリッジ』 |
映像の記録方式には、MPEG-2の可変ビットレート画像圧縮方式、オーディオの記録方式にはMPEG-1
layerII方式を採用している。光ディスクの記録方式は、相変化書き換え型で、レーザーの波長が650nm、回転制御方式がZoneCLVとなっている。トラック方式はランド/グルーブ方式で、変調方式は1-7変調方式を採用している。
GigaStationだけで、記録した映像の並べ替えや追加、削除などの編集作業が行なえる。録画は、光ディスク上の空き領域に自動的に行なわれ、録画時間と媒体の残容量によって圧縮レートを最適化することができる。再生は、録画時に自動的に生成されるサムネイルから、見たいコンテンツ選んで頭出しすることが可能。また、再生中にマーキングした映像を後から呼び出すことができるブックマーク再生や、1フレーム単位のコマ送り、リピート再生などが行なえる。映像の削除は、コンテンツ単位やシーン単位で可能となっている。
また、他人に見せたくないコンテンツを暗証番号によって再生禁止にしたり、消去したくないコンテンツを消去禁止にする“コンテンツセキュリティ機能”、画面上に転送レートや空き容量を表示する“おもしろ機能”なども搭載する。
録画されたコンテンツのサムネイル表示 |
インターフェースとして、NTSCのアナログ/S入出力端子のほか、DVカメラやパソコンと接続できるDV入出力端子を搭載している。また、液晶ディスプレイと接続可能な色差出力端子も搭載している。
GigaStationの主な仕様は以下の通り
型名 |
MV-10000 |
記録媒体 |
MVDISCカートリッジ |
受信信号方式 |
NTSC方式 |
受信チャンネル |
VHF、UHF、CATV、BS |
入力端子 |
コンポジット×4、S入力×4、AFCパルス入力、BS検波入力、BSビットストリーム入力各1 |
出力端子 |
ンポジット×2、S出力×2、色差出力、BS検波出力、BSビットストリーム出力、ヘッドホン出力各1 |
本体サイズ |
幅430×高さ119×奥行き376mm |
本体重量 |
8.4kg |
光ストレージ事業推進本部長の伊藤克彦氏
光ストレージ事業推進本部長の伊藤克彦氏は、「AV機器市場では、アナログからデジタル、テープから光ディスクへと変化してきている。デジタル放送など映像のデジタル化も急激に進んでおり、家庭向けの光ディスクビデオレコーダーのニーズが高まっていた。そのため、世界に先駆けてGigaStationを商品化した。年間で国内3万台の販売を目標にし、今後は海外へ展開も考えている」と意気込みを見せた。
また、独自フォーマットの採用については、「再生専用のメディアは1つであるべきだが、記録するメディアは複数あってもかまわないと考える。アナログの時代では互換性がなく問題も多かったが、デジタル時代ではプロトコルさえ合わせれば相互にやりとりができ、互換性の問題は少ない」と語った。