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ファミレスのテーブルに設置するマルチメディア端末が登場、端末でテーブルからオーダーも

2001年01月22日 22時12分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ファミリーレストラン向けのパーキングシステムを開発している(株)ジェイ・シー・エムは22日、日立ソフトウェアエンジニアリング(株)、(株)東京放送、(株)ビーエス・アイ、日立京葉エンジニアリング(株)、日立電子サービス(株)、JSAT(株)、NTTコミュニケーションズ(株)と共同で、外食産業向けオンデマンドインタラクティブ端末“テーブル・トップ・ステーション”『プラスe』を発表した。

プラスeは、ファミリーレストランや居酒屋などの店舗の各テーブルに設置し、客が座ったままタッチパネルで操作できるマルチメディア端末。客は、来店してテーブルに通される際に、専用の非接触型ICカードを受け取る。そのICカードをテーブルに設置されたプラスeに装着すると、プラスeを操作できるようになる。

プラスe端末。店舗のテーブルごとに設置され、タッチパネル形式で操作できる

プラスe画面には、コンテンツプロバイダーが提供するさまざまなコンテンツが表示され、客は好みのコンテンツを選んで利用できる。コンテンツは無償のものと有償のものがあり、有償コンテンツを利用するとその履歴がICカードに登録され、飲食後、店舗レジで飲食代を支払う際にICカードを渡すと、飲食代とコンテンツ利用料が合わせて請求される仕組みとなっている。

プラスeで提供されるコンテンツは、ゲームコンテンツを集めた“あそぶ?”、占いコンテンツを集めた“占う?”、音楽情報や映画/コンサート情報など各種情報コンテンツを提供する“みる? きく?”、ショッピングコンテンツを集めた“買う?”の4つのメニューで構成されている。提供コンテンツは店舗ごとにカスタマイズ。滞留を防止するため、1コンテンツにつき約5分ほどで終了するショートプログラムのみを厳選しているという。また、食事中などでプラスe端末を操作していないときは、コンテンツ紹介映像やCMが自動的に表示される。

22日現在のプラスeのコンテンツプロバイダーは、ウェルリンク(株)、ウルトラデジタル(株)、エイベックス(株)、(株)カミングスーンTV、(株)ギャガ・コミュニケーションズ、(株)グローバル・ライツ、(株)タヒラ・コーポレーション、(株)東京放送、(株)ヒットメーカー、(株)ビーエス・アイ、(株)ベルシステム24、(株)メガポート放送、(株)メディア工房、(株)ワールドフォトプレス。

プラスeのシステムには、JSAT(株)の通信衛星JSAT4号を利用しており、本部サーバーから各店舗サーバーへ衛星経由でコンテンツを配信、店舗サーバーにデータを蓄積し、それを店舗内の各プラスeで表示する。日立ソフトウェアエンジニアリング(株)がシステム構築を担当、日立京葉エンジニアリング(株)がハードウェアの設計/開発を担当、日立電子サービス(株)が施行/メンテナンスを担当。課金情報や個人情報のセキュリティシステムにはNTTコミュニケーションズ(株)のIP-VPNを利用している。

プラスe端末は、超音波方式のタッチパネルを搭載した12.1型TFTカラー液晶ディスプレー(800×600ドット/26万色)を装備する。テーブルで操作できるのはこのディスプレーのみで、本体はテーブルの中に設置するなど客からは見えないようになっている。ディスプレーのサイズは、幅416.3×奥行き118.4×高さ387.6mm、重量は6kg。本体は、CPUにPentium III-700MHzを採用、128MBのメモリー(SDRAM)と40GBのHDD(Ultra ATA)を搭載、100BASE-TXのLANインターフェースと、USB×2を装備する。OSはWindows 98 SE。

ジェイ・シー・エムは、プラスeシステム(端末やサーバーなど)を設置店舗に無償で提供し、メンテナンスも無償で請け負う。収益はコンテンツ利用料金や広告収入で賄うという。1月25日にすかいらーくグループのガスト関前店(東京都武蔵野市)に試験的に導入、3月より30店舗に導入し、7月に各社店舗への本格導入を行なう。7月以降は月100店舗のペースで事業を展開し、2001年内に1万2000端末を導入するとしている。さらに、2003年には海外にも進出する予定という。

今後は、プラスeと、携帯電話などのモバイル端末を連携させたり、7月以降は端末にデジタルカメラを搭載してプリントシール機能やTV電話機能を持たせたりするとしている。また、店舗レジのPOS端末とプラスeを連動させ、テーブルのプラスe端末から直接オーダーできるようにするという。

3月以降にプラスe導入を決定表明している企業は、(株)あさくま、(株)安楽亭、(株)エス・アイ・シー、(株)オックス、北の家族(株)、(株)クリアックス、(株)グルメ杵屋、(株)すかいらーく、(株)ダイナック、(株)不二家ロードサイドレストラン、(株)フレンドリー、(株)宮。

本日都内ホテルで行なわれた発表会で挨拶した(株)ジェイ・シー・エム代表取締役社長の小関文明氏。「プラスe:大容量デジタルコンテンツを高速配信可能にしたオンデマンドインタラクティブTV端末。コンビニエンスストアのマルチメディア端末は、情報や物を収録するための手段に過ぎないが、プラスeは楽しみながらコミュニケーションが図れる情報娯楽メディア端末だ。外食産業の更なる飛躍に貢献できるだろう」
プラスe設置企業を代表して挨拶した(株)グルメ杵屋の代表取締役である椋本彦之氏。「外食産業市場は10年後には1.5倍以上になると確信している。情報産業と手を組んで、楽しい食事の場を提供したい」
ジェイ・シー・エム小関社長と、プラスe協力企業および設置企業の代表者ら

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