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見開き型のイーブック端末が登場


2001年4月9日

(株)イーブック イニシアティブ ジャパンは9日、電子書籍閲覧用端末“イーブック端末”のコンセプト機を発表した。

このコンセプト機は、イーブック イニシアティブ ジャパン、(株)東芝、(株)NTTデータの3社が協力して開発したもので、見開き型であることが特徴。画面液晶部には東芝が2000年9月27日付けで発表した電子書籍端末用低温ポリシリコンTFT液晶パネルを採用している。

見開き型イーブック端末1
“イーブック端末”のコンセプト機。見開き型であることが特徴。これにより、マンガや小説の挿し絵など、見開き2ページにまたがる作品も、イメージを崩さずに表示できるという。ただし“見開き”というコンセプトを提案するためのモデルであるため、本体仕様はほとんど定まっていない

コンセプト機の片面サイズは、幅135×厚み10×高さ214mm。液晶部サイズは横110×縦165mm。見開き時にはこれらの2倍サイズとなり、液晶部は通常の10.4インチ液晶程度の大きさとなる。重量は約350g。液晶部の下に、ページめくり用のボタン×2(進む/戻る)を装備している。

イーブック端末2
大きさは中型ハードカバー本程度。液晶の下にページめくり用のボタンが付いている

コンセプト機は、パソコンとケーブルで接続し、パソコン内の電子書籍コンテンツを端末側で見開き表示することしかできないが、将来的には端末本体にメモリーカードスロットを装備し、メモリーカードに収録したコンテンツを端末単体で閲覧できるようにするという。

イーブック端末自体は、CPUやメモリーなどのハードウェア仕様、OSやビューワーなどのソフトウェア、対応メディアなどの本体仕様は現在検討中で、“見開き型”という本体形式以外確定しているものはないが、イーブック イニシアティブ ジャパンは、この見開き型コンセプト機をたたき台として、今後さまざまな企業と協議を重ね、イーブック端末を製品化するとしている。製品化の際は、書籍コンテンツ閲覧機能のほか、スケジュール、住所録、電子メール、地図、手書きメモ、簡易辞書といった機能も搭載し、ステーショナリーのようなものとして利用できるようにしたいという。

本日都内で行なわれた説明会で、イーブック イニシアティブ ジャパン代表取締役社長の鈴木雄介氏は、「東芝、NTTデータと、わかりやすいイーブック専用機を作ろうと昨年9月より議論を重ねてきた。今回のコンセプト機はイーブック端末のひとつの形。“PDAからPBA(パーソナルブックアシスタント/同社の造語)へ”をコンセプトに、新しい形のPDAを目指している」

「従来より見開き型端末がほしいと思っていたが、液晶の価格が高いため実現が難しい。今回のコンセプト機はコストを無視し、イーブック端末の理想を提示したもの。これまでの見開きという本の習慣を大事にし、電子メディアでも継承したい」

「ペーパーとブックの差は、保持期間が比較的短いものがペーパー、記録したものを長く保持できるのがブックと考える。われわれの提供するものはブックを強調しており、新聞や情報などというより、何度も読み返せるものを表示する端末。PDAは文章を読むものであり、イーブック端末は本を読むもの。機能的には何でもできるパソコンではなく、機能を限定したステーショナリーのようなものにしたい。目指すのは中型ハードカバー1冊分(350g)の大きさ」と説明した。

イーブック イニシアティブ ジャパン鈴木社長
イーブック イニシアティブ ジャパンの鈴木社長

同社は、今回のコンセプト機完成を機会に、他の企業にも参加を呼びかけ、今秋製品化を目標に、イーブック端末事業をオープンに展開していくという。製品化された際の価格は未定だが「10万円以上では話にならないだろう」(鈴木氏)としている。

(編集部 桑本美鈴)


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