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NEC、世界最速というベクトル型スーパーコンピューター『SX-6シリーズ』を発表――ベクトル型の優位は動かない


2001年10月4日

日本電気(株)は3日、世界最速というベクトル型スーパーコンピューター『SX-6シリーズ』を発表した。12月末に出荷を開始し、価格は1ノードのレンタル料金が、1月あたり280万円。

『SX-6シリーズ』
『SX-6シリーズ』

同日の記者発表会で、NEC執行役員常務の小林一彦氏は「今回のSX-6の性能に、スカラー型スーパーコンピューターでは当面追いつけない」と語った。ベクトル型は、浮動小数点計算に特化したベクトルプロセッサーを用いる方式で、対するスカラー型は安価な汎用プロセッサーを複数、並列動作させることで処理を分散して高速化する方式。

SX-6の1ノードモデルの模型
記者発表会場にあったSX-6の1ノードモデルの模型

SX-6は、従来機種の『SX-5』のベクトルプロセッサーが約30個のチップで構成されていたのに対し、それを1チップ化することでコストパフォーマンスを向上し、占有するスペースも減少するという。1ノードあたりの処理能力は、SX-5が最大128GFLOPS(ギガフロップス)であるのに対しSX-6は最大64GFLOPSと、半分の性能になっているが、価格は5分の1、専有する床面積も約1.1平方メートルで5分の1以下になっている。これによって、同一価格あるいは同一の床面積での性能は、SX-5を凌駕する。価格性能比は、SX-5の約3倍になるという。

また、SX-5が32ノードまでの接続にしか対応していなかったのに対して、SX-6では128ノードまで接続できる。128ノード構成時には、1ノード64GFLOPS×128の、8T(テラ)FLOPSの処理性能を発揮する。メモリーは最大8TBで、ノード間の通信速度は最大で毎秒1TB、ノード内は毎秒256GBとなっている。OSはUNIX系の『SUPER-UX』で、ユーザーがマルチノードを意識せずに処理をノード別に自動配分・実行する運用管理機能を強化した。また、SAN(Storage Area Network)によるストレージの一元的な管理にも対応する。

SX-5に比べると……
SX-5に比べると、1ノードあたりこれだけ小さくなりました

小林氏はベクトル型のスーパーコンピューターについて、「大容量のデータを高速に計算する分野では、スカラー型よりも優れている」と主張する。気象予報や物質の性質のシミュレーションといった分野では、スカラー型では実行性能がなかなか上がらず、「当分スカラー型に取って代わられることはない」という。

NEC執行役員常務の小林一彦氏
NEC執行役員常務の小林一彦氏

従来、ベクトル型スーパーコンピューターは、価格が高いことが難点だった。しかし、今回のSX-6は0.15μmプロセスのCMOSによる1チップ化で大幅にコストダウンしたことにより、「ベクトル型は高い! というイメージを払拭する」と小林氏は意気込んだ。また、小林氏はNECのIA-64サーバー『AzusA』シリーズや『Express5800』といったワークステーションなどと連携することで、ユーザーのさまざまなニーズに応えること、SXシリーズの研究開発で得たテクノロジーを、NECの他の製品にも還元していくことを説明した。

SX-6の販売目標は、今後3年間で200台以上となっている。その内国内販売が4割、海外販売が6割で、その海外分の5割以上を、米クレイ(Cray)社へのOEM供給で販売するという。小林氏は、かつては日米通商摩擦を引き起こすまでの熾烈な競争をしていたライバルの米クレイとの提携が、米国でSX-6を販売する上での「大きなポイント」だとしている。また、9月26日に発表した日本SGI(株)との提携については、スーパーコンピューターの市場よりも少し下の、“ハイパフォーマンス コンピューティング”とでも言うべき分野に進出するための提携であり、小林氏はSX-6を日本SGIに販売してもらう計画はないとしている。

SX-6のマルチノードモデルの模型
記者発表会場にあったSX-6のマルチノードモデルの模型。このブルーの模様は水の波紋を表わしており、現在のところ、受注先ごとに「指紋のように」違う模様にすることを検討しているという

(編集部 中西祥智)


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