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ハイデルベルグ、製本まで行なえるデジタル印刷システム『Digimaster 9110』の国内販売を開始

2002年01月22日 21時50分更新

文● 編集部 増田悦子

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ハイデルベルグ・ジャパン(株)は22日、モノクロ印刷から製本までをオンデマンドで行なえるデジタル印刷システム『Digimaster 9110(デジマスター)』の国内販売を開始すると都内で発表した。

記者会見の様子
左から、ハイデルベルグ アジアパシフィック最高経営責任者 ギュンター・ツォーン氏、ハイデルベルグ・ジャパン代表取締役社長 山本 幸平氏、同デジタル本部 本部長 宮城 荘一郎氏、同デジタル本部デジタルプリンティング課長 鈴木 浩ニ氏

発表会では、代表取締役社長の山本幸平氏が挨拶し、続いて独ハイデベルグ社のアジアパシフィック最高経営責任者のギュンター・ツォーン(Guenter Zorn)氏が、デジタル印刷市場での戦略について語った。同氏は、「印刷プロセスにはデジタル印刷、オフセット、グラビアなどさまざまあるが、2005年までの成長予測において、デジタルカラー印刷は18パーセント、モノクロにおいても11パーセントとされている。また、デジタルカラー印刷の市場規模予測においても、2008年には463億ドル(約5兆円)を上回る規模に成長すると予測されている。ハイデルベルグのデジタル部門の2001年の売上は、7億6300万ユーロ(約854億円)である。またDigimasterは、海外ではすでに販売しており、販売開始からの2年間で2600台以上を出荷したという実績を持っており、これは、20パーセントのマーケットシェアに換算できる。これらの実績を踏まえ、日本市場へも展開する」と述べた。

印刷プロセスの市場予測
印刷プロセスの市場予測

『Digimaster 9110』は、毎分110枚(A4)のモノクロ印刷から、スティッチャーによる綴じ(標準で100枚まで)、オプションの製本装置を利用した製本までを、連続して行なえるのが特徴。Adobe PostScript 3やPDF、HP-PCL、TIFF形式でファイルを受け取り、オンデマンド印刷が行なえるため、500部から1000部程度の小部数印刷の場合でも、オフセットより低コストで対応できるのが特徴。また、独自の技術“GRET(グレット:Grey Resolution Enhancement Techonology)”により、従来よりもグレースケールを滑らかな階調で、エッジをシャープに印刷できる。給紙路にも独自の工夫を凝らしており、紙を吸い上げて給紙路へ運ぶという印刷機で採用されている“エアバキュームフィーダー”をデジタル印刷機においても採用している。そのほか、月産100万枚の耐久性を保証している。TCP/IPほかのネットワークに対応しており、Windows 95/98/NT 4.0、Mac OS、NetWare、SolarisなどのOSに対応する。

『Digimaster 9110』
『Digimaster 9110』(オプション含む)

基本構成で、本体サイズは、幅約250×奥行き120×高さ160cm、価格は3420万円。オプションとして製本装置のほか、毎分65枚(600dpi×600dpi)の高速スキャナー『Imagedirect(イメージダイレクト) 665』、ほかの印刷機で印刷されたカラーページなどを差し込むことができる『Inserter(インサーター)』、厚さ40mmまでの無線綴じ製本が1時間に250冊分行なえる『In-line Perfect Binder(インラインパーフェクトバインダー)』を用意する。

操作イメージ
操作イメージ

デジタル本部 本部長の宮城荘一郎氏は、「印刷部数が50部でも1000部でも、1部あたりのコストが変わらず、小部数のものでも対応できるのが特徴。Digimasterは印刷業界へ向けた製品である。初年度50台の販売を目指し、5年後にはモノクロ印刷のマーケットにおいて半分のシェアを目標とする。また、受注は本日開始し、4月から導入を開始する」と述べた。

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