(株)エルザジャパンは8日、都内で記者発表会を開き、米NVIDIA社のGPU『GeForce4 GPUファミリー』を搭載した、グラフィックスカード“GLADIAC”シリーズの新製品を発表した。ラインアップは、GPUに『GeForce4 MX 460/440/420』を搭載した『ELSA GLADIAC 517ViVo/TV-OUT/SVo』の3製品に、『GeForce4 Ti 4600/4400』を搭載した『ELSA GLADIAC 925ViVo』および『同725DVI』の2製品を合わせた5製品。発売は、同517TV-OUTが2月14日、同ViVoとSVoが3月上旬、同925ViVoは3月下旬、725DVIが4月下旬を予定している。
ELSA GLADIAC 517ViVo |
エルザジャパン取締役会長の鉛谷貞治郎氏 |
エルザジャパン取締役会長の鉛谷貞治郎氏は、今後の動向について「今年は、新分野のマーケットへの挑戦をしようと思っている。新分野のマーケットとは、具体的にはコンシューマーとプロユース、ハイエンドの間にあるプロシューマーの市場。エルザはグラフィックスカードだけでなく、データ通信の製品や、先日発表した4次元モニターなどもある。これらの日本にフォーカスした製品を投入し、新分野への挑戦をしていきたい」と述べた。また、2002年度の売り上げ目標には25億円を掲げ、「それほど大きな利益は期待していない。マーケットも冷え切っているし、これぐらいの数字で良いのではないかと思っている」と語った。
ELSA GLADIAC 517TV-OUT |
各製品の仕様は、ELSA GLADIAC 517ViVoがGeForce4 MX 460-300MHzと、アクセスタイム3.6ナノ秒の64MB DDRメモリー(SDRAM)を搭載する。インターフェースには、DVI-I端子(15ピン)、RGB出力端子(D-Sub15ピン)、Sビデオ入/出力端子を備えている。同 517TV-OUTは、GeForce4 MX 440-270MHzと、アクセスタイム5ナノ秒の64MB DDRメモリー(SDRAM)を搭載する。インターフェースには、RGB出力端子(D-Sub15ピン)およびSビデオ出力端子を備えている。同 517SVoは、GeForce4 MX 420-166MHzと、アクセスタイム6ナノ秒の64MB DDRメモリー(SDRAM)を搭載する。インターフェースには、RGB出力端子(D-Sub15ピン)およびSビデオ出力端子を備えており、基板はLow Profileデザインとなっている。
ELSA GLADIAC 517SVo。基板がLow Profileデザインとなっている |
各製品とも、対応バスはAGP 1x/2x/4xで、対応APIはDirectX 7/8とOpenGL。対応OSはWindows 98/Me/NT 4.0/2000/XPで、動作環境はPentium II-300MHz/AMD K-6-2-300MHz以上のCPUを搭載したPC/AT互換機。なお、同 517TV-OUTには、(株)セガのネットワークゲーム『ファンタシースターオンライン』のバンドル版が同梱される。バンドル版の内容は製品版と同じだが、ネットワークに接続してプレイする場合には、別途シリアルキー(4000円)を購入する必要がある。また、同517ViVoにはビデオ編集ソフトが、同 517SVoにはDirextX 8.0対応のシューティングゲーム『Dronez』が同梱される予定。価格はオープンで、編集部による予想価格は、同 517ViVoが3万1000円前後、同 517TV-OUTが2万3000円前後、同517SVoが1万8000円前後。
バンドル版ファンタシースターオンラインが同梱されていることを示すステッカー |
ELSA GLADIAC 925ViVoの仕様は、GeForce4 Ti 4600-300MHzとアクセスタイム2.8ナノ秒の128MB DDRメモリー(SGRAM)を搭載する。インターフェースには、DVI-I端子(15ピン)×2、RGB出力端子(D-Sub15ピン)、Sビデオ入/出力端子を備える。同 725DVIは、GeForce4 Ti 4400-275MHzと、アクセスタイム3.3ナノ秒の128MB DDRメモリー(SGRAM)を搭載する。インターフェースには、DVI-I端子(15ピン)、RGB出力端子(D-Sub15ピン)、Sビデオ出力端子を備える。詳細な仕様や価格については未定となっている。
ELSA GLADIAC 925ViVoによるデモ。狼男の体毛の1本1本まで表現している |
発表会に出席した、米NVIDIAのプロダクトラインマネージャーのブリン・ヤング(Bryn Young)氏は、「GPUの処理能力は数年から格段の進歩を遂げているが、メモリー処理の段階がボトルネックになってしまっていた。これは、フェラーリのエンジンにとても小さなタイヤをつけて走っているようなもの。これを何とかしたいというのが着眼点だった」と述べている。
米NVIDIAのプロダクトラインマネージャーのブリン・ヤング(Bryn Young)氏 |
ELSA GLADIAC 517シリーズに搭載しているGeForce4 MXシリーズについて、ヤング氏は「開発前にマーケティング調査を行なったところ、画像のクオリティーと処理速度を求める声が高かった。今まで、画像のクオリティーを上げると処理速度が落ち、処理速度を早くすると画像が粗くなっていたが、Accuview Antialiasingなどのおかげで両立が可能となった。今後、GeForce2に代わって、GeForce4 MXが一般ユーザー向けのモデルとなる」としている。またGeForce4 Tiについては「かつて映画“ジュラシックパーク”の恐竜のCGを制作するのに用いたものの数倍のパフォーマンスを持つ、世界最高の実力を持つGPU。1年前のパソコンでは、このクラスの映像は処理が追いつかなかったが、現在のパソコンならば毛の1本1本が見えるようなグラフィックスを可能にする」と語った。