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マイクロソフト、タブレットPC発売記者発表会を開催――ハードウェアメーカー各社が発売

2002年11月07日 19時31分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は7日、手書き入力が可能なパソコン“Tablet PC(タブレットPC)”の発売記者発表会を都内ホテルで開催した。

タブレットPCは同社が新たなパソコンの形態として提唱しているもので、日本国内で販売される製品はOSに『Microsoft Windows XP Tablet PC Edition』日本語版を採用している。本日7日には日本を含めた世界14ヵ国でタブレットPCの発売イベントが開催されるが、時差の関係で日本の発表会が世界で最も早く実施された。なお、米国ニューヨークでの発売イベントには米マイクロソフト社会長のビル・ゲイツ氏が登場するという。

出席者
発表会出席者。左から、ソーテック営業本部副本部長の中尾俊哉氏、東芝デジタルメディアネットワーク社PC事業部事業部長の山下文男氏、NECソリューションズクライアント・サーバ事業部事業部長代理の百瀬裕也氏、マイクロソフト代表取締役社長の阿多親市氏、日本HP取締役副社長パーソナルシステムズ事業統括の馬場真氏、富士通パーソナルビジネス本部モバイルPC事業部長の五十嵐一浩氏。それぞれが手にしているのは自社が開発/発売するタブレットPC

本日時点で、タブレットPC発売表明をしているハードウェアメーカーの発売開始状況は以下の通り。

●(株)ソーテック:『AFiNA Tablet AT380B』(7日発売)

●(株)東芝:『DyaBook SS 3500』(8日発売)

●日本電気(株):第4四半期(2003年1~3月)に商品化

●日本エイサー(株):『TraveMate C100』(8日発売)

●日本ヒューレット・パッカード(株):『Compaq Tablet PC TC1000』(12月中旬発売)

●ビューソニックジャパン(株):『V1100』(年内発売)

●富士通(株):『FMV-STYLISTIC TB80』(7日発売)

●ペースブレードジャパン(株):『PaceBook Tablet』(12月発売)

日本電気(NEC)は、ピュアタブレット型(※1)のタブレットPCを本年度第4四半期(2003年1~3月)に商品化すると発表し、開発中の実機を発表会場で披露した。重量1kg以下、厚さ15mmという軽量/薄型のタブレットPCで、CPUにインテルモバイルPentium III(超低電圧版)を採用し、無線LAN機能、有線LAN機能、IP電話機能、データ交換機能などを搭載するという。なお本体仕様の詳細は確定していない。同社は、この薄型タブレットPCを国内のみならず北米、欧州、アジア/パシフィック市場に向けて展開するとしている。

※1 ピュアタブレット型:タブレットPCの本体形態のひとつ。パネル形状でキーボードがない(もしくは取り外し可能なキーボードが付く)。本体形態はこのほかに、既存のノートパソコンのように本体にキーボードが付いており画面部が180度回転する“コンバーチブル型”もある

NEC
NECが開発中のタブレットPC。デザインは変わる可能性があるとのこと

さらに、上記メーカーに加え、本日付けで松下電器産業(株)がタブレットPCの開発パートナーとしての表明を行なった。開発製品の詳細については後日発表するという。

なお、Windows XP Tablet PC Edition対応の“デジタルインク”(手書き入力機能)を利用したアプリケーション提供を予定しているソフトウェアメーカーは本日時点で33社となっている。

また、(株)ワコムが、筆記具メーカーの米A.T.クロス社と共同で、タブレットPCの専用電子ペン『Penabled Executive Pens for TabletPCs(ペナブル・エグゼクティブ・ペン)』を開発したと発表した。同ペンは、A.T.クロスのデザイン技術と、ワコムのペン入力技術を融合して開発されたもの。マウスのボタンに相当するサイドスイッチとイレイサー(消しゴム機能)スイッチを装備し、内蔵の圧力センサーにより筆圧の強弱/色の濃淡を256階調で表現可能。デザインはメタリック調のフォルムで、キャップ付きとキャップなしの2種類が用意される。

ペン
『Penabled Executive Pens for TabletPCs』

なお、同ペンは、今回発売されるタブレットPCのうち、東芝製、NEC製、富士通製、日本エイサー製といったワコムのタブレット技術“Penabled Technology(ペナブル・テクノロジー)”を採用している機種で利用できる。2003年春発売で、価格は未定。

阿多社長とペン
『Penabled Executive Pens for TabletPCs』を紹介する阿多社長

またマイクロソフトは、Microsoft Office XPをWindows XP Tablet PC Editionに対応させるためのアドオンパック『Microsoft Office XP Pack for Tablet PC』の無償ダウンロード提供を開始した。同パックは、Office XPアプリケーション上で手書き入力機能を利用できるようにするためのもので、Wordでの手書きメモ/手書きコメント作成、Outlookでの手書きメール送信、PowerPointでの手書きメモ作成やコメント追加などが可能となる。なお同パックは、Office XP搭載のタブレットPCにプレインストールされている。

さらに、ウェブサイト情報の一部などを切り取ってメモに貼り付けられる『Snippet』、作成した手書きメモの一覧をサムネイル表示できる『Journal Note Thumbnails』、五線譜に音符を書き込める『Music Notepad』、ビリヤードゲーム『Table Pool』といったミニツールを集めた『PowerToys』(英語版)も、8日より無償ダウンロード提供を開始するという。

発表会で挨拶したマイクロソフト代表取締役社長の阿多親市氏は、「われわれは10年以上に渡りペンコンピューターの研究を続けてきた。タブレットPCは個人の潜在能力を発揮させるだろう。新しいコンピューティングの始まりだ」と語った。同社はタブレットPCの売上目標を「1年目は25万台、2年目以降はさらに飛躍させたい」としている。

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