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日本SGI、Itanium 2搭載Linuxサーバー“SGI LX 3000”シリーズを発表

2003年02月05日 23時05分更新

文● 編集部 阿蘇直樹

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日本SGI(株)は5日、米SGI社が1月8日に発表したLinuxサーバー『Altix 3000』の日本向けモデル“SGI LX 3000”シリーズ2モデルを今月中旬より出荷することを発表し、日本SGI本社で記者説明会を開催した。

SGI LX 3300サーバー SGI LX 3700スーパークラスター
デスクサイドモデルの『LX 3300』ラックマウントモデルの『LX 3700』

“SGI LX 3000”シリーズには、4~12CPUを搭載するデスクサイドモデル『LX 3300』と、最大64CPUを搭載できるノードを複数搭載し、クラスターシステムを構成できるラックマウントモデル『LX 3700』がある。搭載可能なCPUは、LX 3300がItanium 2-900MHz、LX 3700はItanium 2-900MHzまたは1GHz。いずれもSGIのモジュラー技術“NUMAflex”に対応し、I/Oモジュールや演算モジュールを組み合わせてシステムを拡張することが可能。また、LX 3700は、ノード間を独自の高速インターコネクト“NUMAlink”で接続することで、NUMA(Non-Uniform Memory Access)アーキテクチャーに対応したクラスターシステムを構築できる。

OSはRed Hat Linuxをベースにしたものを搭載。カーネルはLinuxカーネル開発・配布サイト“Kernel.org”で配布されている“カーネル 2.4.19”を採用し、Itanium 2対応パッチやSGI独自のNUMA対応パッチを含む『SGI ProPack』を適用する。なお、“Kernel.org”で現在開発が進められているカーネル 2.5系列でもNUMAアーキテクチャーへの対応が検討されているが、SGIでは現在のところサポートする予定はないという。アプリケーションはIA-64対応のアプリケーションであればバイナリー互換性があるという。

LX 3300のサイズは、幅66.0×高さ91.4×奥行き101.6cm。LX 3700は幅76.2×高さ188.6×奥行き134.6cm。価格は、LX 3300に4CPU/4GBメモリ、I/Oや36GBのシステムディスクを搭載する“IXブリック”を1基搭載したモデルが1580万3000円からで、LX 3700で16CPU/16GBメモリ、“IXブリック”1基と48V電源モジュール“パワーベイ”1基を搭載したモデルが7601万8000円から。科学技術計算を行なう研究機関やシミュレーションを行なう製造業者、映画会社など画像のレンダリングを行なうメディア企業をターゲットに販売するといい、すでに東京大学地震研究所にLX 3700を納入することが決まっているという。

記者発表会ではまず、営業企画推進本部長の畠中有道氏が挨拶した。

営業企画推進本部長 畠中有道氏日本SGI 営業企画推進本部長 畠中有道氏

畠中氏は、1月22日から24日までニューヨークで開催された“LinuxWorld 2003”に米SGIが『SGI Altix 3000』を出展し、“Best of Show”を受賞したことを紹介。「大きな反響があった製品で、スーパーコンピューターやグリッドコンピューターに変革のくさびを打ち込む製品である」と語った。

次に、製品技術本部長の戸室隆彦氏が、“SGI LX 3000”シリーズの概要や戦略について説明した。

製品技術本部長 戸室隆彦氏製品技術本部長 戸室隆彦氏

戸室氏は“SGI LX 3000”シリーズについて、「単なる64ビットサーバーにとどまらず、クラスターのように構築でき、スーパーコンピューターのように使える“スーパークラスター”である」と紹介。同社がこれまで開発してきた共有メモリーアーキテクチャーの歴史をふまえて、「“SGI LX 3000”シリーズはこれまでのものからさらに進んだ第3世代の共有メモリーアーキテクチャーを採用した製品である」と語った。

SGIメモリ共有アーキテクチャーの歴史
SGIサーバーの歴史。『SGI Origin 2000』を第1世代、『SGI Origin 3000』を第2世代とすると、新登場の“LX 3000”は第3世代の共有メモリーアーキテクチャーを採用しているという

また、既存のMIPSアーキテクチャー製品である“SGI Origin”シリーズとの住み分けについては、「オープンソースのLinuxが必要な分野とIRIXの資産が必要な分野で、顧客のニーズにあわせて売り分けていくことになる」と答えた。

SGIサーバー戦略
既存のMIPS+IRIXシステムとIA+Linuxシステムは、CPUやメモリーを搭載する“Cブリック”以外は共通のインフラストラクチャーを採用している。ソフトウェア資産活用や処理性能など、顧客のニーズにあわせて売り分けるという

今回の記者説明会では、実機のデモを見ることはできなかった。日本SGIは3月3日13時30分より、ウェスティンホテル東京にて一般ユーザー向けの新製品発表会を開催し、実機の展示も行なう予定。ウェブサイトからの申し込みは2月10日から可能になる。

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