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キヤノン、同社初となる全色顔料インク対応の大判カラープリンター『W8200』を発売

2003年05月22日 22時34分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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キヤノン(株)とキヤノン販売(株)は22日、都内で記者説明会を開催し、同社初となる全色顔料インクを使用し、B0ノビサイズに対応した大判インクジェットプリンター『W8200』を6月12日に発売すると発表した。価格は129万8000円。

山田文隆氏と本間利夫氏
キヤノン販売の常務取締役の山田文隆氏(右)と、キヤノンの取締役 事業化推進本部長の本間利夫氏(左)

W8200は、A0ノビサイズ対応インクジェットプリンター『W7200』やA1ノビサイズ対応6色インクジェットプリンター『W7250』の上位機種にあたる大判インクジェットプリンター(同社では“ラージフォーマットプリンター”と総称)の新製品。W7200/W7250では発色性能を優先して染料系インク(どちらもCMYBkにフォトシアン/フォトマゼンタを加えた6色インク)を採用していたが、W8200では新たに耐久性能(耐光/耐水/色安定性)の高い顔料系インク“Pgインク(Pigment Ink for Photo&Graphic Art:写真や絵画芸術向け顔料)”も選択可能になった。なお、顔料系/染料系ともに本体は共通だが、インクの性質が異なるため、いずれか一方で使い始めた後から、異なるインクに変更することはできない。

『W8200』
『W8200』。置いてあるパンフレットがA4サイズなので、いかに本体が大きいかが想像できるだろう

プリントヘッドは1インチ幅のワイドヘッドで、各色1280ノズル合計7680ノズルを搭載し、A0サイズ1枚あたり約2分での印刷が可能。インク滴は約8pl、印刷解像度は1200×1200dpi。ノズルは適宜監視しており、インク滴の出力が不安定になると、自動的にクリーニング(回復動作)を行ない、回復しない場合にはほかのノズルを代用してインクの出力を行なうという。その際の発色の変化は、人の目にはほとんど違いがわからないという。インターフェースは10/100BASE-TX対応Ethernetポートを標準搭載し、オプションでUSB 2.0、IEEE1394端子を増設可能。対応OSはWindows 95/98/NT 4.0/2000/XP、Mac OS 8.6/9、Mac OS X。ページ記述言語は“GARO(Graphic Arts language with Raster Operation)で、オプションでPostScript 3にも対応可能。本体サイズと重量は、幅1842×奥行き860×高さ1175mm/約112kg。

新開発のPgインク
“Pgインク”の技術を説明するパネル。淡色インクでは顔料の周囲をポリマーが取り囲み、色変化を防ぐ工夫がされているとのこと

発表会には、キヤノン販売の常務取締役の山田文隆氏、キヤノンの取締役 事業化推進本部長の本間利夫氏が出席し、大判プリンター市場への取り組みについて説明した。キヤノンは同社が注力している、一眼レフデジタルカメラの販売台数の伸びを引き合いに出して、今後はプロユースだけでなく個人でも大判印刷を求める声が高まるだろう、と市場性の高さを協調。続いて、大判インクジェットプリンター市場を、幅24インチクラス(A1ノビサイズ)の“デザイン出力”“カラーカンプ”“プレゼンテーション”、幅24~44インチクラス(B0サイズまで)の“フォト/アート作品”“展示会パネル”“屋内ポスター/POP”、幅44インチクラス(B0ノビサイズ)の“室内装飾”“懸垂幕バナー”“屋外看板”などに分類し、個々の市場に併せて販売ルートや宣伝方法などを自社/サードパーティーと協業しながら拡販を進めると説明し、今回の新製品発表によって、画質や発色のよさを最優先する場合には染料系インク、耐久性を求める向きには顔料系インクという具合に、用紙サイズとインクタイプを用途に応じて使い分けが可能になったとして、このクラスのマーケットシェア10%を目指すという。

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