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カノープス、DivX対応MPEG-4とMPEG-2の両方で保存するTVチューナー付きキャプチャーカード“MTV FXシリーズ”を発売

2003年06月18日 17時16分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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カノープス(株)は18日、都内で記者説明会を開催し、従来のTVチューナー付きハードウェアMPEG-2エンコーダーカード“MTVシリーズ”に米DivXNetworks社のMPEG-4 CODEC“DivX Pro”によるソフトウェアMPEG-4エンコード機能を追加し、MPEG-2とMPEG-4の両形式でTV番組の録画・保存が可能なTVチューナー付きキャプチャーカード『MTV3000FX』『MTV2200FX』『MTV1200FX』、および従来のMTVシリーズユーザー向けのアップグレードパッケージ『MTV X Pack with DivX』を30日に発売すると発表した。価格はMTV3000FXが5万9800円、MTV2200FXが5万3800円、MTV1200FXが3万4800円、MTV X Pack with DivXが3800円。

代表取締役会長の山田広司氏ら
発表会に列席した代表取締役会長の山田広司氏(左)、第一開発部部長の中田 潤氏(中央)、第二営業部部長 遠藤 肇氏(右)

会場には、代表取締役会長の山田広司氏と製品開発を担当した第一開発部部長の中田 潤氏が列席し、開発の背景や同社のビデオ関連製品への取り組みについて説明した。山田氏は、「今回のMTV FXシリーズで実現した“トランスコーディング”(動画圧縮形式の変換技術)は、ユーザーからの要望を反映したもの。カノープスは日本だけでなく、欧米でもビデオ関連製品を発売しているが、日本の半分程度のラインナップで売り上げ全体の32%を占めるまでに成長してきている。そうした中、従来のハードウェアの差別化による競争から、ソフトウェア面の機能や使いやすさで評価されるようになってきた。今後は、先ごろ発表した“QUOSYS(クオシス)シリーズ”(高機能/単機能で使いやすさを前面に出した製品群)として、TV受信機器やビデオ編集機器の発売を予定している。従来のタイムラインをベースにトランジション(場面変換のエフェクト)を並べる、といった初心者には難しいインターフェースを変えた製品を出していきたい」と、同社におけるビデオ編集関連製品の方向性を示した。

『MTV3000FX』 『MTV2200FX』 『MTV1200FX』
『MTV3000FX』『MTV2200FX』『MTV1200FX』

続いて中田氏が新製品の詳細について説明した。同氏は、「雑誌編集者をはじめとしたMTVユーザーから、予約録画でMPEG-2とMPEG-4のファイルができるといいな、という声を聞いていた。事前に予約録画しておき、後から映像の内容を見て必要なほうだけ残す、という使い方ができるように、今回の製品を開発した。最初からMPEG-4だけでキャプチャーすると、高画質で残したかった場合に後悔するだろう」と、開発の背景を紹介した。MPEG-4エンコードは、いったんMPEG-2エンコードしたデータをHDDに記録しながら再圧縮(ソフトエンコード)するもので、同社では“追いかけ変換”と呼称する(特許申請中)。MTVシリーズを使用した際のMPEG-2エンコード時のCPU負荷率の低さを利用したものだが、MPEG-2エンコードを最優先するため、現在の最高スペックのパソコンを用いてもMPEG-4変換がMPEG-2エンコードと同時に終わることはないという。追いかけ変換中はタイムシフト再生機能は利用できない(CPU負荷が高いため)。なお、ハードウェアは従来のMTVシリーズ3製品から変更はない。

ビデオ会議システム『Canopus Reality Video Conference System』
ビデオ会議システム『Canopus Reality Video Conference System』の構成例

なお、2画面同時出力するビデオ会議システム『Canopus Reality Video Conference System』も同時に発表された。これは、パソコンをベースにカノープス独自のDVキャプチャーカード(2系統入力)/TV出力カード(2系統出力)およびビデオキャプチャー&管理ソフトを組み合わせたユニットにカメラ、ディスプレーなどを組み合わせてシステム販売するもの。25Mbpsの高画質DV映像を双方向に通信するため、データ転送レートは60Mbps程度(オーバーヘッド含む)になるという。同社では、「従来のビデオ会議システムでは、遅延/視界の狭さ/低画質などが理由で使い勝手が悪かった。DVフォーマットによる高画質と、2台のカメラを用いた広い視界、100BASE-TXを用いた広帯域による低遅延(0.3秒程度)により、TV会議が今までよりもエキサイティングなものになる」(第二営業部部長 遠藤 肇氏)と説明した。システム価格は1ユニット(本体のみ)が200万円から。

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