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三洋電機、VGAで毎秒30フレームの動画を撮影できる320万画素デジタルカメラ“Xacti”『DMX-C1』を発表

2003年10月01日 00時00分更新

文● 編集部

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三洋電機(株)は1日、“Xacti(ザクティ)”の新製品として、640×480ドット(VGA)で毎秒30フレームの動画や、最大2048×1536ドットの静止画を、SDメモリーカードに記録できるデジタルムービーカメラ『DMX-C1』を11月7日に発売すると発表した。価格は7万5000円。

“Xacti”『DMX-C1』
“Xacti”『DMX-C1』
本体前面上部 本体背面上部
本体前面上部本体背面上部
ドッキングステーションにセットした『DMX-C1』

『DMX-C1』は、有効320万画素(約334万画素)の1/2.7インチ原色CCDを搭載し、VGAサイズで毎秒30フレームのMPEG-4方式の動画を撮影しながら、静止画も同時に撮影できるのが特徴。記録メディアにはSDメモリーカードを採用し、512MBのカードでは、動画を約30分、静止画(2048×1536ドット)を491枚記録できる。記録形式は、動画がMPEG-4(.MP4)、静止画がJPEG(Exif 2.2、DCF準拠、DPOF対応)。ステレオ録音にも対応する。ボイスレコーダーの機能も搭載している(512MBで約6時間)。電源はリチウムイオン電池で、静止画の撮影なら約160枚、ムービー撮影なら約30分、再生は約130分。本体サイズは幅69×奥行き34×高さ108mm、重量は約155g(電池/SDメモリーカード込みで174g)と小型軽量化が図られている。

アプリケーションとして、ビデオ編集ソフト『Ulead VideoStudio 7 SE DVD MPEG-4』と、写真&ムービー管理ソフト『Ulead Photo Explorer 8.0 SE Basic MPEG-4』、“手ぶれ補正”や“パノラマ合成”が行なえる動画像処理ソフト『Motion Director SE 1.0』などが付属する。製品パッケージには、アプリケーションソフトを収録したCD-ROM『Sanyo Software Pack 7.0』、ドッキングステーション、専用USB接続ケーブル、専用AV接続ケーブル、16MBのSDメモリーカード、リチウムイオン電池、ACアダプター/充電器(100~240V対応)、カメラケース、ハンドストラップ、レンズキャップ、リモコンなどが同梱される。

久保盛弘氏
DIソリューションズカンパニー副社長の久保盛弘氏

都内で開催された記者発表会では、DIソリューションズカンパニー副社長の久保盛弘氏が、『DMX-C1』の開発の背景について説明した。同社では、1996年にデジタルカメラを発売し、1998年から動画撮影機能を搭載したこれまでの流れを紹介。今年度のデジタルカメラの市場規模について、ワールドワイドで4000万台に拡大すると予想しており、今後も拡大すると見ていることを示したうえで、高画質化だけでなく、動画機能が大きな比重を占めるようになると見ていることを示した。そして、メモリーカードのメディア単価が指数的に下がっており、2005年には1GBの容量で1万円を切るのではないかとの見通しや、動画圧縮の方式かMotion JPEGからMPEG-4に移行してきていること、動画対応のCCDの画素数が300万を超えたことなどから、今年から来年にかけて、動画の記録メディアがテープからメモリーカードに移行する予兆を見せているとし、それらを背景に新製品を開発したことを説明。来年になる予想されていた毎秒30フレームのVGAムービーが11月に実現し、それが“世界最小・最軽量”であり、動画と静止画を同時に撮影できるということを強調した。

同社が実施したアンケートの結果 開発の背景
同社が実施したアンケートの結果。“ユビキタス”をキーワードにして新しい市場が見える開発の背景
重田善孝氏
DIシステムビジネスユニット担当部長の重田善孝氏

続いて、DIシステムビジネスユニット担当部長の重田善孝氏が製品説明を行なった。『DMX-C1』は、数年前から“ラベンダー”のコードネームで開発されていたことを紹介し、有効320万画素CCDの全画素のデータを“4画素混合”と“縮小補完”によりVGAの動画として記録することに最適化されており、動画と静止画の同時撮影が行なえるだけでなく、動画撮影と静止画撮影のボタンを独立させ、煩わしいモード切り替えなしに静止画を撮影できると説明。ステレオ録音(48kHz/16bit、AAC形式)にも対応したことを紹介した。

“4画素混合方式”
“4画素混合方式”を採用
特長1 特長2
特長3 特長4
主な特長

また、“ユーザビリティー”も考慮しており、パソコンやテレビに簡単に接続し、充電も行なえる“ドッキングステーション”(USB 2.0対応)を採用したほか、本体で編集作業“カット&ジョイント”が行なえること、スタンバイ時の消費電流を300μAまで低減し“クイックスタンバイ”に対応したことなどを特徴として挙げた。そのほか、モニターに屋外の明るいところで見やすくした半透過型の1.5インチ低音ポリシリコンTFT液晶ディスプレー“サファイアビジョン”を採用したことや、コンシューマー向けの静止画対応カメラでは初めてという“ガルバノメータ絞り方式”の口径24mmの光学5.8倍ズームレンズ(非球面2枚3面を含む8群11枚構成、焦点距離は35mmフィルム換算で38~220mm)を採用したことなども紹介した。

“サファイアビジョン”や“ガルバノメータ絞り方式”採用ズームレンズを搭載
“サファイアビジョン”や“ガルバノメータ絞り方式”採用ズームレンズを搭載
『Motion Director SE 1.0』 動画と静止画を扱える管理ソフト
9月27日に発表した“手ぶれ補正”機能を搭載したソフト『Motion Director SE 1.0』が付属動画と静止画を扱える管理ソフトも付属する

『DMX-C1』は、毎秒30フレーム/VGAの動画と、高画質な静止画を撮影できるというデジタルカメラとDVカメラの両方の特徴を備えているだけでなく、記録メディアにメモリーカードを利用することから、本体で動画編集が行なえるほか、テープの駆動メカニズムが不要となり、低消費電力化も図れることから、デジタルカメラとDVカメラの市場に少なからぬ影響を与えるのではないだろうか。同社では月産1万台で量産を開始するという。

ユーザーのスキルに合わせたメニューを選択できる。状態や警告を音声で知らせる“おしゃべりナビ”も搭載
ユーザーのスキルに合わせたメニューを選択できる(デュアルメニュー)。状態や警告を音声で知らせる“おしゃべりナビ”も搭載

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