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NVIDIA、ビデオエンコーダー機能を内蔵する新型グラフィックスアクセラレーター“GeForce 6800 Ultra”の説明会を開催

2004年04月16日 23時40分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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米エヌビディア(NVIDIA)社は16日、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテルにプレス関係者やソフトウェア/ハードウェアデベロッパーを集めて、米国で14日に発表した新型グラフィックスアクセラレーター“GeForce 6800 Ultra/GeForce 6800”の説明会を開催した。0.13μmプロセスルールで製造され、今後45日以内に各グラフィックスカードベンダーから出荷開始を予定している。

斉藤道雄氏 スティーブン・シムズ氏
エヌビディア(株)のエンベッド・ビジネス担当シニア・マネージャーの斉藤道雄氏米エヌビディア社のデスクトップGPU担当シニア・プロダクト・マネージャーのスティーブン・シムズ氏

説明会には、エヌビディア(株)のエンベッド・ビジネス担当シニア・マネージャーの斉藤道雄氏、米エヌビディア社のデスクトップGPU担当シニア・プロダクト・マネージャーのスティーブン・シムズ(Steven Sims)氏が出席し、新製品の特徴などを紹介した。

GeForce 6800搭載カードを発売予定のメーカー一覧
GeForce 6800搭載カードを発売予定のメーカー一覧

GeForce 6800 Ultra/GeForce 6800(コードネーム“NV40”)は、“GeForce FX 5xx0シリーズ”に続く2D/3Dグラフィックスアクセラレーターチップ。インターフェースはAGP(ブリッジチップ経由でPCI Express x16にも対応)。内部アーキテクチャーを従来の8パイプライン構造から16パイプライン(GeForce 6800では12パイプライン)&スーパースカラーアーキテクチャー(複数の実行ユニットでの並列処理機構)に変更。コアとメモリーインターフェースは256bitバス、コアクロックは600MHzで、グラフィックスメモリーはDDR3(最高1100MHz駆動、GeForce 6800は通常のDDR)で、バンド幅は毎秒35.2GB。1クロックあたり16ピクセルの出力が可能(これらスペックはGeForce 6800 Ultraでの理論値)。同社での調査でGeForce 6800 Ultraのサンプルカードを使っていくつかのベンチマークテストを行なったところ、GeForce FX 5950の平均2倍のパフォーマンスが発揮されることが確認できたという。

GeForce 6800 Ultraの16パイプライン&スーパースカラーアーキテクチャー構造を説明する図 Shader Model 3.0と従来の2.0の違い
GeForce 6800 Ultraの16パイプライン&スーパースカラーアーキテクチャー構造を説明する図Shader Model 3.0と従来の2.0の違い

これにより、米マイクロソフト社が提唱する3Dグラフィックス向けAPI“DirectX 9.0(Direct3D 9.0)”に実装されている高精細なピクセルシェーダー“Shader Model 3.0”をフルサポート可能になったという。会場では、ドイツのCryTek社が開発した3Dアクションゲーム『FarCry(ファークライ)』を使って、従来のShader Model 2.0と3.0での表現力の違いを示した。

Shader Model 3.0のデモを示す新キャラクター“Nabu”
Shader Model 3.0のデモを示す新キャラクター“Nabu”

さらに、Shader Model 3.0の表現効果を示すためにNVIDIAオリジナルの新たなキャラクター“Nabu(ナーブ)”を使って、リアルな3D CGの表現力をアピールした。Nabuは全身で30万ポリゴン、髪の毛部分だけで15万ポリゴンを使った人魚のCGキャラクター。水中の光の散乱やきらめき、反射などを表現する“コースティクス”、影の部分に柔らかくぼかした表現を行なう“ソフトシャドー”、皮膚とウロコで光の反射表現を変更する“条件分岐”、太陽からの直線光が髪の毛を突き抜けてくる“ゴッドレイ”などの表現機能を利用している。特にソフトシャドーでは、19以上のレンダリングパスを重ねることで、影になる部分に拡散効果を与えて、柔らかい影の表現を行なうなどの工夫を行なっているとのこと。



Shader Model 2.0での表現 Shader Model 3.0での表現
ドイツのCryTek社が開発した3Dアクションゲーム『FarCry』のShader Model 2.0での表現Shader Model 3.0での表現

また、従来は別チップで実装(PCIカードや外付けユニットなどに搭載)しているビデオプロセッサーユニットをオンチップに搭載したのも、GeForce 6800の特徴。MPEG-1/-2/-4およびWindows Media Video形式のエンコードをサポートするほか、並行してビデオデコード機能も利用可能で、録画しながらの再生や“タイムシフト視聴”などが可能という。ただし、この機能を利用する対応アプリケーションについては発表されなかった。

日本ギガバイトが出展したGeForce 6800 Ultra搭載カード『GV-N68U256VH』
日本ギガバイトが出展したGeForce 6800 Ultra搭載カード『GV-N68U256VH』。デモンストレーションのためにファンを外してある

なお、会場には台湾Albatron Technology社、日本ギガバイト(株)、エーオープンジャパン(株)、(株)エルザジャパンなどから、GeForce 6800 Ultra/GeForce 6800を搭載したグラフィックスカードが多数展示された。各社ともカード上のチップレイアウトはリファレンスモデルからほとんど変わらないようだが、DVI-I端子を2つ搭載したものや、個性的なファンを搭載したモデルが見られた。

AlbatronのGeForce 6800搭載カード ファンが青く光る台湾ASUSTeK Computer社のGeForce 6800 Ultra搭載カード『V9999 Ultra』 台湾Palit社のGeForce 6800 Ultra搭載カード『6800 Ultra』
AlbatronのGeForce 6800搭載カードファンが青く光る台湾ASUSTeK Computer社のGeForce 6800 Ultra搭載カード『V9999 Ultra』台湾Palit Microsystems社のGeForce 6800 Ultra搭載カード『6800 Ultra』
台湾Prolink社の『PV-N40A(256JV)』 台湾Sparkle社の『SP-AG40UPT』 エーオープンジャパン『Aeolus 6800 Ultra』の動作デモ
カバー付きデュアルファンとインジケーター(液晶ディスプレー)を搭載する、台湾Prolink Microsystems社の『PV-N40A(256JV)』炎のようなデザインのデュアルファンを搭載した、台湾Sparkle computer社の『SP-AG40UPT』エーオープンジャパンは、GeForce 6800 Ultra搭載の『Aeolus 6800 Ultra』の動作デモを行なっていた。ファンの厚みでAGPスロットに隣接するPCIスロット1つは利用できないようだ

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