ペンタックス(株)は21日、JIS保護等級7級準拠の防浸型デジタルカメラ『ペンタックス オプティオ43WR(よんさんだぶるあーる)』を5月15日に発売すると発表した。本製品は3月に行なわれたカメラ関連製品の展示会“PHOTOEXPO 2004”に参考出展されていたもので、海外向け製品として2003年9月に発売している『ペンタックス オプティオ33WR』(300万画素タイプ)の後継機種にあたる。同社が日本でこうしたコンパクトタイプの防水仕様デジタルカメラを発売するのは初めて。価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は5万円程度。
『ペンタックス オプティオ43WR』 |
ペンタックス オプティオ43WRは、光軸の途中にプリズムを配置して光軸を90度折り曲げ、本体上部を光が横に走る形でズームレンズを収納し、シャッターボタンの下あたりにCCDを配置する“屈曲光学構造”を採用した防浸型のコンパクトデジタルカメラ。JIS保護等級7級は、水深1mに30分放置しても内部に水が入らないというもの。同社では水中撮影については保証していないが、汚れた場合は弱い水道水をかけるか水を張ったおけなどにつけて洗うことができるとしている(電池室やAVインターフェースなどのカバーは開けないこと)。レンズ前面には強化ガラスによる保護カバー、筐体は強化プラスチックを採用。主なターゲットは、屋外のマリンスポーツやウィンタースポーツに持ち歩くアウトドア志向のカメラユーザー、工事現場などのフィールドワーカーなど。
オプティオ43WRの背面 |
撮像素子は1/2.7インチ有効400万(総423万)画素CCDで、静止画の記録画素数は最大2288×1712ドット。記録フォーマットはExif 2.2/DCF/DPOF/PRINT Image Matching II対応のJPEG。動画撮影機能は最大640×480ドット/毎秒30フレームのモノラル音声付きQuickTime形式(Motion JPEG圧縮)で、メモリー容量いっぱいまで連続記録が可能(640×480ドットで毎秒30フレームの書き込み時には高速書き込みタイプのSDメモリカードが必要)。なお、空気を透過して水は遮断するシリコンシートをマイク/スピーカーの前面に配置しているため、水濡れなどの状態でも音声付きの撮影や再生が可能という。
オプティオ43WRの上面 |
レンズは7群10枚(非球面レンズ3枚使用)のPENTAXズームレンズで、焦点距離はf=5.7~16mm(35mmフィルムカメラ換算時:37~104mm相当)の光学2.8倍AFズーム。明るさを示すF値は2.8~3.9。近接撮影は最短1cm(ワイド端)/20cm(テレ端)まで対応。シャッター速度は約1/2000~4秒。AFは撮像素子によるTTLコントラスト検出式5点AF(スポット切り替え)、AEも撮像素子によるTTL測光(分割/中央重点/スポットの切り替えが可能)。
露出モードは、プログラムオートのほか、風景/夜景/ポートレート/花火/スナップなど9種類のピクチャーモードを搭載。起動時間は約0.9秒、レリーズタイムラグは約0.05秒。ピクチャーモードに設定した場合には、電源オフの状態から電源ボタンを押さずに直接シャッターを押し込むことで、2秒以内での撮影・記録が行なえる“クイック起動”機能を備える。
メニューはリング状にアイコン表示され、左右どちらを押し続けても、元のメニューに戻るトグル方式を採用 | 撮影前のファインダー画面にリアルタイムのヒストグラム表示が可能 |
記録メディアはSDメモリーカード(メディアは本体に付属せず)。本体背面に1.6インチ約8万5000画素のバックライト付きTFT液晶ディスプレー、および本体上部に実像式光学ズームファインダーを内蔵。インターフェースは、パソコンなしにプリンターと直結して印刷できる統一規格“PictBridge(ピクトブリッジ)”に対応したUSB 1.1、およびAV出力端子を搭載する。
撮影設定のメニューは1画面に5行分表示される。左右で設定の変更、上下で項目の切り替えを行なう |
本体サイズと重量は、幅81.5×奥行き30.5×高さ76mm/160g(非装備重量)もしくは208g(装備重量)。電源は単3電池2本(アルカリ/リチウム乾電池およびニッケル水素充電池対応)、もしくはリチウム電池(CR-V1)1本。CR-V3使用時の撮影可能枚数は同社撮影条件で約500枚。