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アライドテレシス、IPv6対応L3スイッチを発表――「開発費の70%をIPv6対応製品に投入、2007年度には300億円の売り上げを見込む」

2004年04月22日 18時10分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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アライドテレシス(株)は22日、東京・大手町のアーバンネット大手町ビル内東京會舘で記者説明会を開催し、同社のIPv6への取り組みと、IPv6対応レイヤー3スイッチ『CentreCOM(センターコム) 8948XL』を含む『IPv6スターターキット』を9月末までのキャンペーン価格として99万8000円(税込では104万7900円)で5月に販売開始することを発表した。IPv6スターターキットの内容とキャンペーン終了後の通常価格は以下のとおり。

IPv6スターターキット
通常価格:196万7280円(税込)
CentreCOM 8948XL(L3スイッチ)
通常価格:61万7400円(税込)
AT-PWR01-70(AC電源ユニット)
通常価格:6万2790円(税込)
AT-FAN01(ファンモジュール)
通常価格:2万9190円(税込)
AT-ACC01(IPv6アクセラレーターボード)
通常価格:105万円(税込)
AT-SD256A-001(256MB拡張メインメモリー)
通常価格:20万7900円(税込)

代表取締役の高木弘幸氏 上級執行役員 マーケティング営業本部長の長尾利彦氏
代表取締役の高木弘幸氏上級執行役員 マーケティング営業本部長の長尾利彦氏

発表会には代表取締役の高木弘幸氏、上級執行役員 マーケティング営業本部長の長尾利彦氏らが出席し、同社のIPv6における事業戦略の具体的な内容や目標などを説明した。

IPv6の普及への道のり
IPv6の普及への道のりと同社の取り組み

まず高木氏が挨拶に立ち、「現在主流のIPv4ではIPアドレスが不足する問題が指摘されている。これに対応するため大学や研究機関などが中心になってIPv6への取り組みが進められているが、まだ実験レベルで実用には至っていないのが現状だ。一説には普及率は2%程度とも聞く。日本は普及率/速度/価格(入手しやすさ)などで世界一のブロードバンド大国になっている。IPv6は特にアジア地域で深刻な問題になるとも言われており、日本が率先してIPv6の普及に努めていくべきだと考える」と、同社がIPv6に取り組む背景を説明した。

同社が投入する製品の位置づけ
同社が投入する製品の位置づけ。コアネットワークと企業や一般ユーザーなどを結ぶエッジネットワークに製品を投入するという

続いて長尾氏が、「最初に弊社の取り組みを発表します。3年間で開発費の70%をIPv6対応製品に投入し、普及価格帯のエッジスイッチ(レイヤー3スイッチ)やセキュリティー関連技術の開発に取り組む。2007年度には、IPv6製品で国内売り上げ300億円を見込む」と同社の方針を力強く宣言した。ちなみに、同社の2003年度のIPv6関連製品の売り上げは約15億円とのこと。

その理由を、「インターネットのコアネットワークには高価な機材を使っており、これらをすぐにIPv6対応機材に置き換えるのは現実的に難しい。そのため、インターネットの核となる通信は、しばらくIPv4が主流になるだろう。一方、サービスプロバイダーから各端末までを結ぶ“エッジネットワーク”は比較的安価にIPv6への移行が可能であることが試算された。そこで、ハードウェアによるIPv4⇔IPv6のゲートウェイオプションを開発した。これに対応する製品として『CenterCOM 8948XL』ならびに“同 9900シリーズ”を近々投入する予定だ」と語った。

『CentreCOM 8948XL』
『CentreCOM 8948XL』

CentreCOM 8948XLは、19インチラックマウントに搭載できる1RUサイズのレイヤー3スイッチで、オプションのアクセラレーターカードを装着することによりハードウェアによるIPv6ルーティングが可能。インターフェースは10/100BASE-TX×48とSFP(Small Form Factor)のGigabit Ethernet×4を装備。IPv6のマルチキャスト(1つの送信ノードで同一パケットを複数の受信ノートに送信する技術)/QoS(Quality of Service、品質保証技術)などに対応する。主なターゲットは、サービスプロバイダーや自治体など。

“CentreCOM 9900シリーズ”
“CentreCOM 9900シリーズ”

CentreCOM 9900シリーズは8948XLの上位機種で、Gigabit Ethernet×24と10Gigabit Ethernet×2を装備する。主に画像配信などを行なうサービスプロバイダー向け。具体的な価格や発売時期は未定(2004年第4四半期の発売を予定)。

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