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日本SGI、裸眼立体視のリアルタイム表示用ライブラリーを組み込んだソリューションを発売――シャープ『PC-RD1-3D』で滑らかな3D表示を実現

2004年06月07日 16時43分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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日本SGI(株)は7日、シャープ(株)の3D表示対応液晶ディスプレー搭載ノートパソコン『PC-RD1-3D』(今年1月発売)で(株)ケイ・ジー・ティーの3次元汎用可視化ソフトウェア『AVS/Express』の裸眼立体視用のリアルタイム3D表示を実現するライブラリー“Interactive Stereo Library”を開発し、同ソフトを組み込んだソリューションの販売を開始すると発表した。日本SGIとケイ・ジー・ティーの販売代理店を通じて建築/設計/製造関連などの開発者向けに販売され、想定価格は120万円程度から。

森田 茂氏と吉川慈人氏
シャープの『PC-RD1-3D』をベースにした裸眼立体視ソリューションを説明する森田 茂氏(中央)と吉川慈人氏(左)

両社は2003年10月に日本SGIのグラフィックスワークステーション向けにリアルタイム裸眼立体視システムを開発・発売しているが、今回はWindows XP Home Editionプレインストールのノートパソコンを利用することで低価格化を実現し、企業内個人などへの利用促進、リアルタイム裸眼立体視システムの普及を狙ったもの。3D表示表示可能なデータ形式はAVS/Expressに依存し、DXF/VRMLのほか、AVS Field(構造格子)/CGNS/HDF5/netCDF/カラムファイル/AVS UCD(非構造格子)/Plot3Dなど。

地形と風向の関係を立体表示 1フレームずつ交互に左右の視差に応じた映像を表示
PC-RD1-3Dで『AVS/Express』を起動し、地形と風向の関係を立体表示したところ。裸眼立体視できる視点は画面から57cm手前1フレームずつ交互に左右の視差に応じた映像を表示しているため、1/30秒以下のスローシャッターで撮影すると2枚の異なる映像が確認できる

同社ブロードバンド・ユビキタスソリューション推進本部営業推進シニア・マネージャーの森田 茂氏は、「従来PC-RD1-3Dの3D表示を利用するにはプリレンダリングした3D表示用データを事前に生成しておく必要があり、リアルタイム表示可能なソリューションが求められていた。シャープでもリアルタイム表示用ライブラリーの開発を進めているが、(日本SGIでは1年前に)三洋電機(株)と裸眼立体視システムの製品化を手がけており、そのノウハウを活用して今回の製品化に至った」「裸眼立体視用のアルゴリズムはすでに開発済みだったため、シャープの立体表示用液晶パネルの特性がわかれば、開発(プログラムのコーディング作業自体)は数日で完了した」と話す。今回のライブラリー開発は日本SGIが独自に手がけたもので、今後は日本発の3D可視化製品として海外での展開も検討していくという。

また、ケイ・ジー・ティーの吉川慈人(きっかわよしひと)氏は、「AVS/ExpressをPC-RD1-3Dに対応するため独自にライブラリを開発することも検討したが、日本SGIが共通ライブラリーを提供するということで今回の製品化が可能になった。特に描画速度が高速化され、(表示するデータにもよるが)毎秒20~30フレームの滑らかな動きを裸眼立体視で表現できるのが最大のメリットだ」と語った。

今回の製品は3Dモデリング済みのデータを読み込んで可視化するソリューションだが、日本SGIでは今後CADソフトなどと組み合わせて、モデリングしながらリアルタイムに立体表示を可能にするライブラリーの開発なども手がけていきたいとのこと。

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