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富士写真フイルム、“スーパーCCDハニカム SR II”搭載の一眼レフデジタルカメラ『FinePix S3Pro』などを発表


2004年7月28日
“スーパーCCDハニカム SR II”を搭載したレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ『FinePix S3 Pro』
“スーパーCCDハニカム SR II”を搭載したレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ『FinePix S3 Pro』

富士写真フイルム(株)は28日、東京・品川の品川プリンスホテルで記者説明会を開催し、広いダイナミックレンジをサポートするという同社独自開発のCCD“スーパーCCDハニカムIV SR”の進化形となる“スーパーCCDハニカム SR II”を搭載したレンズ交換式一眼レフデジタルカメラ『FinePix S3 Pro(ファインピックス エススリー プロ)』を発表した。同時に、高密度実装技術によって実現したという高精細タイプのCCD“スーパーCCDハニカムIV HR”の進化形(名称は変わらず)を搭載した有効630万画素/記録1230万画素相当のコンパクトデジタルカメラ『FinePix F810』、グリップ部を凸型にして撮影時に持ちやすくしたという低価格なコンパクトデジタルカメラ『FinePix E550』『同 E510』の3製品も発表。価格はいずれもオープンプライス。発売予定時期と編集部による予想実売価格は以下のとおり。

レンズ交換式一眼レフデジタルカメラ『FinePix S3 Pro』
10月上旬/26万円前後
コンパクトデジタルカメラ『FinePix F810』
8月上旬/5万8000円前後
コンパクトデジタルカメラ『FinePix E550』
9月上旬/5万5000円前後
コンパクトデジタルカメラ『FinePix E510』
9月上旬/4万5000円前後

常務執行役員電子映像事業部長の内田洋祐氏
常務執行役員電子映像事業部長の内田洋祐氏

発表会には常務執行役員電子映像事業部長の内田洋祐氏、電子映像事業部次長兼営業部長の渡辺憲二氏、電子映像事業部開発部の竹村和彦氏、電子映像事業部営業部技術グループ技術部長の平田正文氏らが出席し、新開発のCCDに関する詳細や新製品の概要などを説明した。



電子映像事業部次長兼営業部長の渡辺憲二氏ら
右から、電子映像事業部次長兼電子映像事業部営業部長の渡辺憲二氏、電子映像事業部開発部の竹村和彦氏、電子映像事業部営業部技術グループ技術部長の平田正文氏

CCDの開発を担当した竹村氏の説明によると、“スーパーCCDハニカムIV SR”は従来の1画素のサイズに、面積が大きく感度の高い“S画素”と面積が小さく感度が低い“R画素”を組み合わせることで、明るい晴天下での撮影などでS画素が飽和(明るい部分が白飛び)した場合でも、飽和しにくいR画素の情報を補完することで、従来より豊かな階調表現を可能にしたもの。“スーパーCCDハニカム SR II”では、この構造をS画素とR画素の市松状配置に変更することでS画素が従来より大きく取れるため、S画素自身の飽和を防ぐ=S画素自身の階調表現力を高めることができるという。従来型のハニカムCCDと比較すると、ダイナミックレンジは約4倍で、数値の上ではスーパーCCDハニカムIV SRと変わらないが、S画素の拡大により白飛びだけでなく黒つぶれも防げるようになったと新CCDのメリットを説明した。

スーパーCCDハニカム SR IIの構造
スーパーCCDハニカム SR IIの構造
スーパーCCDハニカム SR IIの特徴
スーパーCCDハニカム SR IIの特徴である広いダイナミックレンジ

このスーパーCCDハニカム SR IIを初採用するFinePix S3 Proでは、新CCDに合わせて画像処理システム、14bitA/Dコンバーターなどを新開発し、解像感や明暗部の感度、S/N比を向上させているという。さらに、従来のスーパーCCDハニカムIV SR搭載デジタルカメラ『FinePix F710』では、被写体の明暗や撮影条件などを画像処理エンジンが自動的に解析して、最適と思われるダイナミックレンジを自動的に選択していた(ユーザーは変更できなかった)が、FinePix S3 Proでは従来同様の“AUTO(オート)”のほか、R画素を無効化してS画素のみを読み出すことで撮影(記録)速度を優先する“D-レンジ:スタンダード”、400%のダイナミックレンジを強制的に使用する“D-レンジ:WIDE1(ワイド ワン)”、半分の200%のダイナミックレンジで撮影する“D-レンジ:WIDE2(ワイド ツー)”をユーザーが切り替えられるようになった。

スーパーCCDハニカム SR IIと従来のスーパーCCDハニカムIV SRの比較
スーパーCCDハニカム SR IIと従来のスーパーCCDハニカムIV SRの比較。一見どちらも白いバックにきれいな花が再現されているように見えるが……
色情報の飽和部分を赤く示したところ(ユーティリティーソフト『HS-V2 Ver.3.0』で解析した結果)
色情報の飽和部分を赤く示したところ(ユーティリティーソフト『HS-V2 Ver.3.0』で解析した結果)。スーパーCCDハニカムIV SRでは、バックの白が飛んでしまい、微妙な階調表現ができていないことが一目でわかる

さらに、スーパーCCDハニカム SR IIと新画像処理エンジンに同社が蓄積したフィルム開発のノウハウを注力して、スタジオ撮影でのハイライトによる白飛びを抑えて肌色の階調表現を重視する“プロネガ調”に仕上げる“スタジオポートレートモード”、空の青さや木々の緑を鮮やかに再現するという“フジクロームモード”の2つの現像モードをカメラ本体で選択可能。加えて、オプションの現像/画像管理ソフト『HS-V2 Ver.3.0』(1万9425円)でCCD-RAWデータを現像する際には、高彩度で深みのある自然な色合いを再現するという“Velvia(ベルビア)調モード”も選択できる。

スーパーCCDハニカム SR IIと従来のスーパーCCDハニカムIV SRの特性の比較。肌色の階調表現について
スーパーCCDハニカム SR IIと従来のスーパーCCDハニカムIV SRの特性の比較。肌色の階調表現について。中心に近く、直線で着てあるほど、正確な表現ができていることを示すという
スーパーCCDハニカム SR IIと従来のスーパーCCDハニカムIV SRの特性の比較。カラーチャートを使った色階調表現について
スーパーCCDハニカム SR IIと従来のスーパーCCDハニカムIV SRの特性の比較。カラーチャートを使った色階調表現について。スーパーCCDハニカムIV SRよりも色の正確な表現が行なえるように、補正を加えているという

カメラとしての主なスペックは、CCDに有効1234万(S画素617万+R画素617万)画素、総1290万(S画素645万+R画素645)画素のAPSサイズ“スーパーCCDハニカム SR II”を搭載。記録画素数は、ハニカム補間により最大4256×2848ドット(1210万画素相当)。レンズはニコンFマウント対応(AFカップリング、AF接点付き)で、AF-S/AF-VRを含む銀塩カメラ向け“D・GタイプAFニッコールレンズ”、デジタル一眼レフカメラ専用の“DXレンズ”などが使用可能。レンズは別売。

新・ノイズフィルターの搭載
新・ノイズフィルターの搭載
色再現領域の拡大。S3 Proは、sRGBとAdobeRGBの色空間をサポートする
色再現領域の拡大。S3 Proは、sRGBとAdobeRGBの色空間をサポートする
画像処理システムの特徴について

画像記録方式は、DCF(Design rule for Camera File system)準拠のJPEG(Exif Ver.2.2対応)またはCCD-RAW(非圧縮)。感度はISO 100/160/200/400/800/1600相当。測光方式はTTL開放測光、3D-10分割マルチパターン/中央重点/スポットの選択が可能。露出制御はプログラムAE/シャッター優先AE/絞り優先AE/マニュアルを用意する。AFはTTL位相差検出方式で、暗い場面での撮影時に威力を発揮するAF補助光も備える。シャッター速度は1/4000〜30秒、およびバルブ(開放)撮影が可能。連写は最短0.4秒間隔で連続12コマまで(D-レンジ:スタンダードのJPEG記録時、撮影条件によって変化)。

縦位置に構えたところ。本体右下に縦位置用のシャッターボタンを標準装備する
縦位置に構えたところ。本体右下に縦位置用のシャッターボタンを標準装備する

ストロボは手動ポップアップ方式で、ガイドナンバーは12。発光モードはシャッターを開いた直後に発光する“先幕(さきまく)シンクロ”、閉じる直前に発光する“後幕(あとまく)シンクロ”、暗い室内などで被写体と背景をきれいに映し出すための“スローシンクロ”、突然の発光による瞳孔の伸縮で起こる“赤目現象”を発生しにくくする“赤目軽減”、“赤目軽減+スローシンクロ”、および“発光禁止”の6種類。

背面には2.0インチ23万5000画素の低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレー(再生視野率約100%)と、視度調整機能付き光学ファインダー(視野率は縦約93%&横約95%、ファインダー倍率は約0.8倍)を搭載。本体側面にはUSB 2.0(Hi-Speed対応)とIEEE 1394の端子を備え、USB 2.0端子はプリンターに直結してパソコンなしに印刷を行なうダイレクトプリントの統一規格“PictBridge(ピクトブリッジ)”をサポートする。このほか、撮影時の情報を印刷出力に反映できる“PRINT Image Matching II(プリントイメージマッチングツー)”にも対応。また、底面にも縦位置撮影用のグリップ部とシャッターボタンを持つ。



本体のみで“フジクロームモード”“スタジオポートレートモード”の2つを選択可能
本体のみで“フジクロームモード”“スタジオポートレートモード”の2つを選択可能
オプションの現像ソフトを利用すれば、蒸気に加えて“Velviaモード”を選択できる
オプションの現像ソフトを利用すれば、蒸気に加えて“Velviaモード”を選択できる
フィルムシミュレーションモードの説明

記録メディアは、xDピクチャーカード(16〜512MB)/マイクロドライブ(340MB〜4GB)対応の“ダブルスロット”を搭載。電源は単3ニッケル水素充電池4本、またはDC入力(別売の専用ACアダプター『AC-5VX』が必要、4200円)。本体サイズと重量は、幅147.8×奥行き80.0×高さ135.3mm/約835g(レンズ、電池、記録メディア含まず)。


オプションのユーティリティーソフトHS-V2 Ver.3.0は、FinePix S3 Pro/S2 Pro/S7000/S5000/F810(本日発表)/F710/F700/E550(本日発表)のCCD-RAW形式で記録した撮影データの現像、および画像データの閲覧/管理/画像解析などが可能(カメラとパソコンをIEEE 1394ケーブルで接続する必要がある)。対応OSはWindows 2000 Professional(SP4以降)/XP Home Edition/XP Professional、Mac OS X 10.3以降。

なお、FinePix F810/E550/E510の詳細は別途レポートする。

(編集部 佐久間康仁)


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