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三洋電機、毎秒30フレームのMPEG-4動画を撮影可能な400万画素デジカメ“Xacti”『DMX-C4』を発表


2004年8月24日

三洋電機(株)は23日、“Xacti(ザクティ)”の新製品である『DMX-C4』の発表会を東京本社で開催した。同機は640×480ドット(VGA)で毎秒30フレームのMPEG-4動画や、最大3264×2448ドット(800万画素)の静止画をSDメモリーカードに記録できるのが特徴。ボディーカラーはメタリックオレンジの“アクティブオレンジ”、メタリックブルーの“ロマンスブルー”、ゴールド系統の“ファンタジーゴールド”の3種類を9月10日に同時発売し、価格は7万5600円。

9月10日より発売される“Xacti”『DMX-C4』。カラーバージョンは、右から“ロマンスブルー”、“ファンタジーゴールド”、“アクティブオレンジ”
撮影時に拳銃のようなグリップとなる『DMX-C4』

『DMX-C4』は、有効約400万画素(約423万画素)の1/2.7インチ原色CCDを搭載し、VGAサイズで毎秒30フレームのMPEG-4(MP4)動画撮影を行ないながら、400万画素(2288×1712ドット)のJPEG(Exif 2.2、DCF準拠、DPOF対応)も同時に撮影できるのが特徴。記録媒体にはSDメモリーカードを使用し、1GBのメディアでは動画の“TV-SHQ”モード(VGA、毎秒30フレーム、3Mbps)で41分23秒、静止画の“8.0M”モード(3264×2448ドット)では、377枚の撮影が可能だ。AACでの音声のみの記録も可能(1GBで約16時間49分)で、ボイスレコーダーにもなる。バッテリーはリチウムイオン電池で、静止画撮影は約130枚、動画撮影は60分、再生は約170分。本体サイズは幅69×奥行き34×高さ108mmで、重量は約178g(付属電池、SDメモリーカード含む)となっている。

同機は2003年10月に発売された『DMX-C1』の後継にあたり、新たに搭載した機能は下記のようになっている。

ピクトライズ800の搭載
静止画の出力画素数を総画素の2倍にして、800万画素相当で出力する同社独自の画素補完技術“ピクトライズ”機能を搭載
新高速エンジンの採用
VGA(毎秒30フレーム)の撮影をしながら、400万画素の写真撮影が可能に。新たにノイズの低減機能や色再現性も強化
手ぶれ補正機能の搭載
電子式の手ぶれ補正機能を搭載し、撮影時にパンやチルトをした際の手ぶれを軽減
デジタルズームの最大倍率の変更
ピクトライズ800使用時に最大51倍までデジタルズームが可能

一方、『DMX-C1』の改良点は以下のとおり。

記録素子の変更
総画素334万画素1/2.7インチCCDから総画素423万画素1/2.7インチCCDに変更
液晶ディスプレーの大型化
反射光を利用して視認性を高めた同社の半透過型の低温ポリシリコンTFTディスプレー“サファイアビジョン”を1.5インチ(約11万画素)から1.8インチ(約13万画素)のものに変更
内蔵マイクの変更
内蔵マイクの指向性や感度を高め、マイクに風が当たったときに発生する風切り音を軽減する音声フィルターを搭載
内蔵フラッシュの変更
発光時の調光精度を上げ、従来比1.3倍の光量のフラッシュを採用
S端子の搭載
テレビディスプレーへの出力時に、コンポジットビデオよりもクリアーに映し出すことが可能なS端子を新たに用意
モードごとのシャッタースピードの変更
フラッシュ発光時に1/30〜1/60秒だったシャッタースピードが、1/30〜1/2000秒に変更。また光量が少ない場所で撮影する“ランプモード”の際の最長シャッタースピードを2秒から4秒に変更

アプリケーションとしては、DVD作成ソフト『Ulead DVD MovieWriter 3 SE』と、画像/映像管理ソフトの『Ulead Photo Explorer 8.0 SE Basic MPEG-4』、“手ぶれ補正”や“パノラマ合成”などの映像処理ソフト『Motion Director SE 1.1』、動画再生プレーヤー『QuickTime 6.5』が付属する。また製品パッケージには、上記のソフトウェアが同梱されたCD-ROM、ドッキングステーション、接続アダプター、専用USB接続ケーブル、専用S-AV接続ケーブル、リチウムイオンバッテリー、ACアダプター兼充電器(100〜240V対応)、カメラケース、ネックストラップ、レンズキャップ、リモコンなどが同梱する。

本体前面上部
本体背面上部
充電やパソコンに接続する際に使用するドッキングステーション

注目の機能は、“手ぶれ補正”と“新高速エンジン”、向上した“音質”

記者会見では、三洋電機(株)コンシューマー企業グループDIソリューションズカンパニーDIシステム第3BU DI企画部部長の重田喜孝氏が、『DMX-C4』の注目の機能である“手ぶれ補正”、“新高速エンジン”、“音質”について説明した。

三洋電機(株)コンシューマー企業グループDIソリューションズカンパニーDIシステム第3BU DI企画部部長、重田喜孝氏。『DMX-C4』の注目すべき機能や、シリコンビデオカメラの市場について説明した
同機の特殊なグリップ形状のため、従来の手ぶれ補正機能では対応できず、新たに設計しなおした

初めて搭載された特殊な電子式の手ぶれ補正機能については、「同機は撮影する際に、拳銃で被写体を狙うようなスタイルになるため、デジタルビデオカメラで撮影したときのような細かな手ぶれがない。反面、ゆっくりとした手ぶれが起きるため、『DMX-C4』に特化した手ぶれ補正のアルゴリズムを作成した」と解説した。

さらに、手ぶれ補正の精度を向上させるために2つの機能を新たに搭載したと語る。1つが、全ズーム域で行なう細かな手ぶれ補正の調整だ。氏は「従来のカメラは広角域ではあまり手ぶれ補正をしなかった」と語る。これを補うため、補正の効き具合をズームの倍率に応じて変化させる“ズーム倍率適応補正技術”を採用したという。2つめは、補正基準をフレキシブルに変化させる“補正基準の高速応答技術”だ。たとえば広角域撮影して映像が動いていると、カメラ側が手ぶれなのか、ユーザーがパンをしているのか分からなかった。そのため手ぶれ補正の遅れが起きることがあった。同機では、これを極力抑える技術を導入した。これらの技術により「より自然な画像を得られる」と同社の技術に自信を見せた。

広角側から望遠側まで、すべてのズーム域で手ぶれ補正機能が働く。パンやチルトの際の補正遅れも低減してくれる
発表会では、実際どのように撮影されるのかサンプルが公開された。手ぶれ補正ONの際には、手ぶれはほとんど感じられないほどだ

“新高速エンジン”に関しては、その処理能力の高さをアピールした。“新高速エンジン”が担っているのは、ムービーや静止画の画質向上、起動時間の短縮や動画の再生処理スピードが挙げられる。氏が強調していたのはそのコアとも言える並列処理技術だった。撮影したムービーをメディアに記録しながら、400万画素の静止画を撮影して記録する“並列処理技術”や“インターリーブ記録技術”がなければ、同機はなかったとした。

“新高速エンジン”の大きな柱はムービー/静止画圧縮の並列処理とその処理したデータのインターリーブ記録技術の2点だ
動画撮影時に静止画撮影すると、動画データのメディアへの書き込みの隙間を狙って、ダイナミックに書き込みタイミングを変え、静止画データが書き込まれる

また、“音質”に関しては、ノイズの除去に力点を置いたと説明。「従来のカメラ内蔵型のマイクでは、風切り音で会話が拾えないことがあった。それを防ぐため、風切り音の周波数に合わせたフィルターでカットできるようにした」と語った。同機では、マイクの指向性を狭め、感度をアップしたことにより、よりクリアな状態で音声を録音できるようになったとしたとし、さらに「小型なムービーカメラではレンズをズームさせると駆動音がマイクに入ってしまう場合があった。今回のモデルでは静音化したため、そういったことはない」と説明した。

そのほか、新高速エンジンには、映像や静止画の画質、再生の際の処理などが割り振られている
音声が向上したのは、フィルターで風切り音を削除したため。また、マイクの指向性の範囲を狭めたことや感度アップなども音質が向上した一因だ

“Xacti”は新たな市場を開拓できるか?

氏によれば、国内のデジタルカメラとデジタルビデオカメラの市場は、2004年を境にして成長が鈍化しはじめると予測。デジタルカメラは、2001年が483万台、2002年は655万台と年間140%近くの成長を続けていたが、2003年には844万台、2004年度には912万台(予測)となり、国内市場は成熟期に入ったと説明した。また、デジタルビデオカメラの市場は2001年には135万台、2002年には142万台となっており、2004年の170万台(予測)から先はほとんど成長することはないだろうと語った。

この背景には、家庭へのデジタルカメラの急激な普及が挙げられる。“カメラ映像機器工業会(CIPA)”の発表によれば、デジタルカメラの世帯普及率は、50%を超えている。そのため国内市場は「横ばいになっていく」(同氏)と解説した。また、市場の鈍化について、これは日本だけのことではなく先進国に共通して言えることで、発展途上国では以前の日本のデジタルカメラ市場のように「右肩上がりの成長が続いている」と語った。

デジタルカメラやデジタルビデオカメラの国内市場の成長は鈍化傾向。2004年以降は、ほとんど伸びないとの見方が支配的だ
“Xacti”シリーズが狙うデジタルカメラとデジタルビデオの両方が重なった市場。しかし、まだ成長途中の市場だ

同社としては、“Xacti”シリーズのようなデジタルカメラとデジタルビデオカメラの中間にあたる製品を投入して「国内の市場を新たに創出して広げたい」(同氏)という思惑がある。氏は全体の市場規模はまだ正確なものは分からないとしながらも「『DMX-C1』は16万台販売した。『DMX-C4』は20万台を目指したい」と説明した。

質疑応答では、記者側から「もっと録画時間を長くしてほしい。今後、このシリーズで大型バッテリーなどの採用は考えているか?」との意見が出たが、氏は「これ以上大きくすると、女性や子供が持ちにくくなるため、現在は考えていない」とのこと。将来的には何らかの方策を考えなければならないと答えた。また「次モデル以降で、ハイビジョンテレビに対応した撮影も可能になるのか?」との問いには、「現在は計画がないが、将来的にはD3やD4といった端子を搭載したい」と語り、デジタルビデオカメラにとって代わる意気込みを表わした。

(編集部 美和正臣)


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