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アップルコンピュータ、新PowerBook G4の製品説明会を開催――パッド操作でグリグリとスクロール

2005年02月03日 23時02分更新

文● 編集部 小西利明

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新機能のスクロールトラックパッドを備える『1.5GHz 12インチPowerBook』 15インチ液晶ディスプレーと光ディスクドライブを内蔵しながら、重さは2.54kgとクラス最軽量に抑えた『15インチPowerBook』。バランスの良い製品だ
新機能のスクロールトラックパッドを備える『1.5GHz 12インチPowerBook』15インチ液晶ディスプレーと光ディスクドライブを内蔵しながら、重さは2.54kgとクラス最軽量に抑えた『15インチPowerBook』。バランスの良い製品だ

アップルコンピュータ(株)は3日、報道関係者を集めた新製品説明会を開催。1月31日に発表された新PowerBook G4の新機能についての説明を行ない、同社プロダクトマーケティングでPowerBookを担当する福島哲氏により、解説とデモンストレーションが行なわれた。

新PowerBook G4のラインナップ
新PowerBook G4のラインナップ

1月31日に発表された新製品は、12インチの液晶ディスプレーと1.5GHzのPowerPC G4を搭載する『1.5GHz 12インチPowerBook』が2モデル、15インチ液晶ディスプレーと1.5GHzまたは1.67GHzのCPUを搭載する『1.5GHz/1.67GHz 15インチPowerBook』2モデル、17インチのワイド液晶ディスプレーと1.67GHzのCPUを搭載する『1.67GHz 17インチPowerBook』1モデルの計5モデルである。なおスペックの詳細については、製品発表時の記事を参照していただきたい。



新しいPowerBook G4はモバイル能力の向上を目指した3つの新機能が搭載されている
新しいPowerBook G4はモバイル能力の向上を目指した3つの新機能が搭載されている

新PowerBook G4は単純なスペックの向上以外にさまざまな特徴を持つが、中でも全製品に共通するおもしろい特徴の1つが、新しい“スクロールトラックパッド”だ。Windowsパソコンのタッチパッドでは、パッドの端を縦横にスクロールすることでウィンドウを上下、または左右にスクロールできるものがある。直感的ではあるがパッドの一部分をスクロール用として利用するため、誤って操作することもあり、必ずしも使いやすいとはいえない。PowerBook G4のスクロールトラックパッドはこうした欠点を解消するため、パッド上に指を2本おいた状態を検知できるようにして、指2本で操作するときだけスクロール操作が可能となる仕組みを取り入れた。指2本でパッドを上下にこするとウィンドウは上下に、左右にこすると左右にスクロールする。使ってみると非常に分かりやすく、誤動作の心配もない。使い勝手のよいインターフェースと言えよう。この機能をサポートするため、新PowerBook G4には対応ドライバーを含むMacOS Xの最新ビルド“10.3.7”がプレインストールされて出荷される。

2本の指でパッドをこすると、上下左右に自在にスクロールできる。単純だが直感的で使い勝手は良好だ スクロールトラックパッドの機能(トラックパッドジェスチャ)はシステム環境設定の“キーボードとマウス”で有効/無効を切り替えられる
2本の指でパッドをこすると、上下左右に自在にスクロールできる。単純だが直感的で使い勝手は良好だスクロールトラックパッドの機能(トラックパッドジェスチャ)はシステム環境設定の“キーボードとマウス”で有効/無効を切り替えられる

通信速度が高速化された、新しい“Bluetooth 2.0ワイヤレスネットワーク”機能をいち早く取り入れたのも特徴である。通信速度は既存のBluetooth 1.2の3倍に当たる3Mbps(上下合わせて)を実現。PDAや携帯電話との無線接続や、対応パソコン間での簡易無線LAN的な使い方が期待される。しかし「Bluetooth 2.0対応の周辺機器は?」との質問に対しては「(現状では)ない」(福島氏)とのこと。対応周辺機器が拡充されるまでは、既存のBluetooth 1.2として使うことになる。

新PowerBook G4には、3Mbpsの転送速度を持つ“Bluetooth 2.0”が標準搭載された。PDAや携帯電話との接続、プリンターへの無線プリントなどの用途が期待できる
新PowerBook G4には、3Mbpsの転送速度を持つ“Bluetooth 2.0”が標準搭載された。PDAや携帯電話との接続、プリンターへの無線プリントなどの用途が期待できる

性能に関わる特徴ではないが、3次元加速度センサーを内蔵して、落下時の衝撃からHDDの破損を保護する“緊急モーションセンサー”や、環境光センサーを搭載して、周囲が暗くなるとキーボードが自動的に発光する“高輝度バックライトキーボード”(15/17インチモデルに搭載)など、Windowsパソコンでも滅多にない機能を搭載している点も特徴と言えよう。“高輝度”をうたうだけあって、部屋を暗くしてのデモでは、キーボードの文字が非常に明るく光る様子を実演してみせた。従来比で10倍の明るさは伊達ではない。

高輝度バックライトキーボードは、“従来比で10倍”の明るさを誇る
高輝度バックライトキーボードは、“従来比で10倍”の明るさを誇る

1.5/1.67GHzのCPUや毎分5400回転のHDDなど、主要コンポーネントが高速化されたほか、8倍速SuperDrive(DVD±RW書き込み対応)も搭載している。福島氏のプレゼンテーションでは、2.1GHzのPentium Mプロセッサーを搭載するデル(株)のノートパソコン『Inspiron 9200』と比べて、DVD作成にかかる時間が最大39%も速いとしている。

また17インチモデルは標準で、15インチモデルはBTOによるオプションを追加することで、“Dual Link DVI”機能をサポートする(12インチモデルは対象外)。PowerBook G4本体にDVI接続の外部ディスプレーを接続するための機能で、これを使えばPowerBook G4に『Apple Cinema HD Display(30インチフラットパネルモデル)』を接続して、本体の液晶ディスプレーと同時に使用することもできる。同ディスプレーはデスクトップ型のMacでも、ハイエンドのビデオカード(GeForce 6800 Ultra DDLグラフィックカード)を必要としているので、これがノートパソコンでそのまま使えるのは、珍しい特徴と言えよう。

1.67GHz 17インチPowerBookと『Apple Cinema HD Display(30インチフラットパネルモデル)』を接続し、ビデオ編集ソフト『Final Cut Pro HD』を動かすデモ。さすがに30インチの高解像度ディスプレーは美しい
1.67GHz 17インチPowerBookと『Apple Cinema HD Display(30インチフラットパネルモデル)』を接続し、ビデオ編集ソフト『Final Cut Pro HD』を動かすデモ。さすがに30インチの高解像度ディスプレーは美しい

新しいPowerBook G4は、12インチモデルと15インチモデルがすでに発売中、17インチモデルは2月上旬の発売予定となっている。

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