キヤノン(株)とキヤノン販売(株)は18日、コンパクトデジタルカメラ“IXY DIGITAL”シリーズと“Power Shot”シリーズの新製品4機種を3月上旬より順次発売すると発表した。 ラインナップは、光学3倍ズームで710万画素CCDを搭載したIYX DIGITALシリーズのフラグシップモデル『IXY DIGITAL 600』と光学3倍ズームで500万画素CCDを搭載したミドルレンジモデル『IXY DIGITAL 55』および、Power Shotシリーズのエントリーモデルとして光学4倍ズームで400万画素CCDを搭載した『PowerShot A520』と光学4倍ズームで320万画素CCDを搭載した『PowerShot A510』。 発売日は、IXY DIGITAL 600とPowerShot A520が3月上旬、IXY DIGITAL 55とPowerShot A510が3月下旬。価格はオープン。編集部による予想実売価格はIXY DIGITAL 600が5万円前後、IXY DIGITAL 55が4万円台半ば、PowerShot A520が3万3000円前後、PowerShot A510が2万7000円前後。
丸みを帯びた新デザインに710万画素CCDを搭載したハイエンドモデル
『IXY DIGITAL 600』
『IXY DIGITAL 600』 |
『IXY DIGITAL 600』は、2004年2月に発表した『IXY DIGITAL 500』(以下500)の後継機で1/1.8インチの有効710万(総740万)画素CCDを搭載したコンパクトデジタルカメラ。映像エンジンには、同社のハイエンド向けデジタル一眼レフカメラ『EOS-1D』や『EOS 20D』などに搭載されている“DIGIC II”を採用し、約0.9秒の高速起動や、AFスピードの短縮(500から約55%向上)のほか、再生時のレスポンスやパソコンとの転送速度の向上にも貢献している。DIGIC IIを実装したチップは、1層目にDIGIC IIチップを、2層目にSDRAMやフラッシュメモリーを積層化させてモジュール化する技術“SiP(System in Packeage)”を採用することで基板面積を約26%削減したほか、鏡筒やバッテリーの小型化、SDメモリーカードの採用などにより、本体サイズも約15%小型化されている(すべて500と比較)。また、本体デザインは1本の円柱から連続局面を維持したままフォルムを形成する“Curvature Design(カーヴァチャーデザイン)”を採用し、高級感を持たせたという。
モニター用のディスプレーには、2.0インチの低温ポリシリコンTFT液晶ディスプレー(11.8万画素)を採用し、ワンボタンでディスプレーの輝度を最大にする“LCDブースター”機能や、ゲインやフレームレートをコントロールすることで映し出される画像を自動的に明るく表示させる“ナイトビュー”機能などを搭載する。内蔵ストロボも強化され、撮影距離がワイド端で5.0m、テレ端で3.0mまで届くようになった。
『IXY DIGITAL 600』背面 |
静止画撮影時の新機能では、DIGIC IIの採用により、毎秒2コマの連写をメモリーカードいっぱいまで連写間隔を落とさず撮影できる“スムーズ連写”機能や、従来のメモリーカードの初期化機能に加え、カード内のデータ領域をすべて“F(=1)”にしてフォーマットすることでデータ転送速度を向上させる“物理フォーマット”機能などを搭載した。また、同社製コンパクトデジタルカメラとしては初めて、カメラ本体で被写体の特定色のみを変換する技術を採用し、リアルタイムで色を変えて撮影できる“マイカラー”機能を搭載している。この機能により、赤/青/緑の各色をより鮮やかにしたり、人の肌をより色白にしたり、指定した色を別の色に変換するといったことが可能。
主な仕様は、レンズに、5群7枚構成の光学3倍ズームレンズ(35mmフィルムカメラ換算時:37~111mm相当、F2.8~4.9)を搭載。デジタルズームとの併用で最大約12倍に対応する。シャッター速度は15~1/2000秒。撮影可能距離は50cm~∞。マクロモードでは5(W)/30(T)~50cmでの接写が可能。ISO感度はオート/50/100/200/400相当。静止画の記録解像度は最大3072×2304ドットで、記録フォーマットはJPEG形式(Exif 2.2/DCF準拠/DPOF対応)となる。動画の記録解像度は640×480ドット(毎秒30/15コマ)/320×240ドット(毎秒60/30/15コマ)/160×120ドット(毎秒15コマ)を用意し、1回の連続録画時間は無制限(メモリー容量いっぱいまで)もしくは1分(320×240ドット毎秒60コマ時)/3分(160×120ドット毎秒15コマ時)。動画ファイルの記録形式はMotion JPEG圧縮のAVI形式(音声はモノラルWAVE)となる。
背面には、液晶ディスプレーと光学式ズームファインダーを搭載。記録メディアとして、SDメモリーカードスロットを1つ備える。電源は専用リチウムイオンバッテリーまたはACアダプター(オプション)。バッテリーでの撮影可能枚数は、液晶ディスプレー表示時が約160枚、非表示時が約550枚(共にCIPA規格準拠)。再生時間は約210分。
本体サイズ/重量は、幅89.5×奥行き26.5×高さ57.0mm/約170g(本体のみ)。インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed、PictBridge対応)/ビデオ出力。アプリケーションとして、画像転送ソフト『ZoomBrowser EX』などが付属する。製品パッケージには、アプリケーションソフトなどを収録したCD-ROM、SDメモリーカード(32MB)、充電器、USBケーブル、AVケーブル、ストラップなどが付属する。
オプションとして耐圧水深40mのウォータープルーフケース『WP-DC-70』や、外付けストロボ『HF-DC1』(後述)などを用意する。
IXY DIGITAL 600と同等の機能を持つ500万画素機
『IXY DIGITAL 55』
『IXY DIGITAL 55』 |
『IXY DIGITAL 55』は、2004年8月に発表した『IXY DIGITAL 50』の後継機種にあたり、撮像素子に1/2.5インチ有効500万(総530万)画素CCDを採用し、5群6枚構成の光学3倍ズームレンズ(35mmフィルムカメラ換算時:35~105mm相当、F2.8~4.9)を搭載したコンパクトデジタルカメラ。映像エンジンにDIGIC IIを採用し、約1.1秒の高速起動、“スムーズ連写”機能、“物理フォーマット”機能などに加え、“LCDブースター”機能、“ナイトビュー”機能、“マイカラー”機能などIXY DIGITAL 600と同等の機能を搭載する。
主な仕様は、デジタルズームが4倍で光学レンズとの併用で最大約12倍に対応する。シャッター速度は15~1/2000秒。連写速度は毎秒2.1コマ。撮影可能距離は30cm~∞。マクロモードでは3(W)/30(T)~50cmでの接写が可能。ISO感度はオート/50/100/200/400相当。静止画の記録解像度は最大2592×1944ドットで、記録フォーマットはJPEG形式(Exif 2.2/DCF準拠/DPOF対応)となる。動画の記録解像度は640×480ドット(毎秒30/15コマ)/320×240ドット(毎秒60/30/15コマ)/160×120ドット(毎秒15コマ)を用意し、1回の連続録画時間は無制限(メモリー容量いっぱいまで)もしくは1分(320×240ドット毎秒60コマ時)/3分(160×120ドット毎秒15コマ時)。動画ファイルの記録形式はMotionJPEG圧縮のAVI形式(音声はモノラルWAVE)となる。
『IXY DIGITAL 55』背面 |
背面には、2.0インチ(480×240ドット)低温ポリシリコンTFTカラー液晶ディスプレー(11.8万画素)と光学式ズームファインダーを搭載。記録メディアとして、SDメモリーカードスロットを1つ備える。電源は専用リチウムイオンバッテリーまたはACアダプター(オプション)。バッテリーでの撮影可能枚数は、液晶ディスプレー表示時が約150枚、非表示時が約400枚(共にCIPA規格準拠)。再生時間は約180分。
本体サイズ/重量は、幅86.0×奥行き20.7×高さ53.0mm/約130g(本体のみ)。インターフェースはUSB 2.0(Hi-Speed、PictBridge対応)/ビデオ出力。アプリケーションとして、画像転送ソフト『ZoomBrowser EX』などが付属する。製品パッケージには、アプリケーションソフトなどを収録したCD-ROM、SDメモリーカード(16MB)、充電器、USBケーブル、AVケーブル、ストラップなどが付属する。