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シャープ、HDDを省略した普及価格帯のLinuxザウルス『SL-C1000』を18日に発売

2005年03月11日 14時45分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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シャープ(株)は11日、2004年10月に発表したHDD搭載のLinuxザウルス『SL-C3000』の普及モデルとして、HDDを省略し128MBのフラッシュROM(フラッシュメモリー、ユーザーエリア約63MB/出荷時空き容量約52MB)を搭載する新製品『SL-C1000』を18日に発売すると発表した。価格はオープンプライスで、編集部による予想実売価格は5万円前後。SL-C3000は継続販売され、2003年11月に発表された『SL-C860』は生産終了(流通在庫のみ販売)となる。

『SL-C1000』
『SL-C1000』のインプットスタイル

SL-C1000は、「昨年のSL-C3000が高価格帯(7万円程度)で売れ筋モデルになっているが、5万円以下の普及価格帯に提案できていなかった」(情報通信事業本部新携帯端末事業推進センター主事の廣瀬泰治氏)という同社が、実売5万円程度の普及価格帯に投入するPDA(個人情報端末)。2月22日の“ソニー、クリエから完全撤退”の報道を受けて、「この時期の発表を狙ったものではないが、これからもザウルスを続けていくというアピールになるのでは」(情報通信事業本部A1242プロジェクトチーム 副参事の吉田勝彦氏)という。

『SL-C1000』のビュースタイル『SL-C1000』のビュースタイル

同社はSL-C3000やSL-C860の購入者を分析し、経済的に余裕のある40~50代男性、比較的古くからザウルスに親しんできたユーザーが増え、新規購入率が下がってきている(34.5%)ことを勘案し、「ヤングビジネスマンに気軽に買える商品として、違った提案をしていく」(廣瀬氏)べく、SL-C1000を開発したとのこと。

SL-C1000とSL-C3000の比較1 SL-C1000とSL-C3000の比較2
SL-C1000(左)とSL-C3000の比較1SL-C1000(左)とSL-C3000の比較2

VGA表示のバックライト付き透過型システム液晶ディスプレー(3.7インチ/6万5536色)、ノートパソコンのように開いてキーボードで入力する“インプットスタイル”と、2軸ヒンジ採用により液晶ディスプレーを反転して閉じてタッチパネルで入力・操作する“ビュースタイル”を使い分ける“2wayスタイル”など、SL-C3000の特徴を継承する。

ハードウェア的には4GB HDDの代わりに128MBのフラッシュメモリーを搭載し、本体カラーを“メタリックシルバー”から、外側をダークグレー、キーボード側をシルバー(キートップはグレー地に白抜き)の2トーンカラーに変更したほかは、SL-C3000から変更ない。

SL-C1000とSL-C3000の比較3
SL-C1000(左)とSL-C3000の比較3

ソフトウェアは、SL-C3000が搭載していた(株)岩波書店の『広辞苑 第5版(図・表付き)』、(株)大修館書店の『ジーニアス英和辞典(第3版)』『ジーニアス和英辞典(第2版)』が省略され、Microsoft Office互換のビジネスアプリケーション『HancomMobileOffice』や表計算やワープロ文書のテンプレート(各10種)、経路検索ソフト『乗り換え案内 for ZAURUS』などをプレインストール。新たにライブラリー機能を搭載して複数のプレイリスト(再生曲順)を管理可能になった改良版“Music Player”、最大800万画素クラスのデジタルカメラで撮影した高解像度画像を表示可能になった“イメージノート”などを搭載している。

主なスペックは、CPUにIntel XScale PXA270-416MHz、本体メモリーとしてSDRAM64MB(ワークエリア)/フラッシュメモリー128MB(出荷時空き容量約52MB)を搭載。OSはLineo uLinux(組み込み機器向けLinux)を採用する。メモリーカードスロットとしてSDカード、CF Type IIを備え、USB/IrDA(最大115kbps)/ヘッドホン端子(3.5mmφ)などを搭載する。

バッテリーは専用リチウムイオン充電池(EA-BL11、1800mAh)で、連続使用時間はバックライド輝度最小のカレンダー連続表示で約8時間、画面を非表示にした音楽再生では18時間程度となる。本体サイズと重量は、幅約128×奥行き87×高さ25mm(液晶ディスプレーを閉じた状態)/約278g(タッチペン、保護カード、バッテリー込み)。

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