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沖データ、LED方式で1ドット最大32階調の表現に対応したカラーページプリンター4機種を発表

2005年05月13日 22時15分更新

文● 編集部 小林久

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(株)沖データは13日、DTP市場や企業内の高品位オンデマンド出力をターゲットにしたカラーページプリンター4機種を発表した。DTP市場をターゲットにした『MICROLINE Pro 9800』シリーズは3機種がラインナップされ、価格は57万5400円から。ビジネス市場向けの『MICROLINE 9600PS』は41万7900円。6月中旬の出荷を予定している。

発表となった『MICROLINE Pro 9800 PS-X』と『MICROLINE 9600PS』
VDC方式のDigital LEDヘッドとトナー部分。メンテナンス性にも配慮している

全機種が“VDC”(Variable Dot Control)方式を採用した、新型“Digital LEDヘッド”を搭載。これは、LEDの光量調整とポイントする位置をずらすことで、従来2値(2階調)でしか表現できなかった1ドットあたりの階調表現を、最大32階調まで高められるというもの。これにより、オフセット印刷の175線を上回る、190線の表現も可能になったという。スクリーンパターンはオフセット印刷のアミ点に近い“ドットスクリーン”と、文字や線のシャープさや滑らかな階調表現に適した“ラインスクリーン”の2種類が選べる。トナーもワックスを内包した新開発の“重合法カプセルトナー”に変更となった。

これにともない今回の4機種専用の光沢紙『エクセレントグロス』を追加。用紙間の密着性を低減する技術で、重送や紙詰まりなどの問題が生じにくくなったという。

出力解像度と1ドットあたりの階調数は、MICROLINE Pro 9800シリーズが最大1200dpi/16階調。MICROLINE Pro 9600PSが最大600dpi/32階調。印刷速度はカラーが毎分36枚、モノクロが毎分40枚と共通。



VDC方式の説明図、従来2値でしか表現できなかったドットの階調を表現できるようになったため、表現力が高まるスクリーンパターンはアミ点と線状の2種類を選べる。また、ワックスを内包した新規のトナーも開発した
MICROLINEシリーズの強みである、モノクロ出力の高精細さは顕在。4ポイント以下の小さな文字でもつぶれず、しっかりと読めるという(画像は2ポイントでの比較) 操作性にもこだわり、プリンターのディスプレー上で、各色のトナー残量などが視覚的に分かるようになっている
(株)沖データ代表取締役社長の前野 幹彦(まえの みきひこ)氏(左)と、米EFI社プレジデントのフレッド・ローゼンツワイグ(Fred Rosenzweig)氏(右)

DTP向けのMICROLINE Pro 9800シリーズは、従来は外付けでの対応だった米Electronics For Imaging社(以下米EFI)社のネットワークプリントシステム『Fieryコントローラ』を内蔵。これにより、コストと設置スペースを削減したほか、RIP処理を行なったラスターイメージをプリンターに転送する時間を短縮できるという。

画像/印刷処理にはEFIの技術である“Colorwise 3.0”を利用。専用ユーティリティーの『ColorWise Pro Tools』を利用したICCプロファイルの編集が可能なほか、墨版の白抜けを防止する“Black Over Print”、色の境界部分を1ドットぶん重ね合わせて白抜けを防止する“Auto Trapping”、特色(インク会社が独自の配合で作った色)の再現性を高める“Spot Color Matching”などを装備している。

3モデルのうち『MICROLINE Pro 9800PS-X』が本体に20GBのハードディスクと1GBのメモリーを内蔵したフラッグシップ機で価格は104万7900円。『MICROLINE Pro 9800PS-S』がPS-Xからカラーマネジメントやグラフィック処理機能の一部に制限したハイスペックモデルで、78万5400円。『MICROLINE Pro 9800PS-E』がオフィスユースで最低限必要なカラーマネージメント機能を搭載したエントリーモデルで57万5400円となる。



Paper Simulatorを利用して、出力したところ。新聞など地に色が載った紙でどのような発色となるかを予想することができる

最上位のPS-Xには、ハードディスク内のフォルダにコピーしたPDF、PostScript、TIFFのデータをアプリケーションを起動せず印刷する“Hot Folder”と呼ばれる機能や、新聞など用紙の地色を含んだ用紙に印刷した際の色合いをシミュレーションできる“Paper Simulator”といった機能が利用できる。

一方、ビジネス向けのMICROLINE 9600PSは、沖データ製のコントローラーを内蔵。SSL/TLSを利用した暗号化技術を搭載し、ネットワークを経由して機密文書を印刷する際に盗聴を防ぐとともに“認証印刷”の機能も装備する。これは操作パネルであらかじめ設定した暗証番号を入力しないと印刷ができないようにするものだ。

今回発表になった4モデルの販売目標は、全世界で4万台(国内で1万台)。特にMICROLINE Pro 9800シリーズの販売に注力し、最上位のPS-Xを主力機種にしていくという。



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