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松下電器産業、フルHD対応で100万円を切る65Vインチのプラズマテレビを発表――黒猫の小雪を見るならプラズマです。

2005年08月25日 23時28分更新

文● 編集部 小林久

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松下電器産業(株)は25日、プラズマテレビ“VIERA”(ビエラ)シリーズの新製品4モデルを発表した。価格はいずれもオープンプライス。

New VIERA TH-65PX500
新たに追加されたVIERAのラインアップTH-65PX500

プラズマテレビとして初めての“フルHD”対応

今回の目玉は、プラズマテレビとして初めてフルHD対応を果たした『TH-65PX500』。液晶テレビではすでにシャープ(株)が6月にフルHD対応で65Vインチの『LC-65GE』を発表しているが、プラズマテレビも解像度と画面サイズで液晶に肩を並べる形になった。価格の安さも特徴で、LC-65GEの168万円に対して実売価格99万円前後と65インチクラスの薄型テレビでは破格の安さで市場投入される見込み。

TH-65PX500の生産は兵庫県の臨海地区にある松下電器産業の尼ヶ崎第3プラズマ工場で行ない、年産台数は1万2000台。同工場のオープンは今年12月の予定だったが、すでに機材の搬入など準備は済んでおり、今秋から前倒しして稼働させるという。

発表会に出席したパナソニックAVC ネットワーク社 PDPテレビBU BU長の藤田正明(ふじた まさあき)氏は65Vインチの製品の投入により、「映画館並みの画角を家庭でも実現できる」と述べた。同氏は「大画面テレビを視聴するために適切と言われる1.8m(視線の高さの約2倍)の距離からテレビを見た場合、50Vインチの35度に対して65Vインチでは45度と広い画角になる」と説明した。

また、松下電器産業 常務役員 パナソニックマーケティング本部 本部長の牛丸俊三(うしまる しゅんぞう)氏は、フルHD対応プラズマテレビの今後の展開に関して「より大型の製品の投入は可能。市場の要求に合わせて製品化していく」「小型の製品では50インチぐらいを目安に開発していく」と述べた。

牛丸氏 藤田氏
パナソニックマーケティング本部 本部長の牛丸俊三氏パナソニックAVC ネットワーク社 PDPテレビBU BU長の藤田正明氏

解像度を高めると1セルあたりの開口面積が小さくなり、パネルの輝度が上げにくくなるが、その対策として電極形状の変更や放電タイミングの最適化などを行なった。これによりセルあたりの開口率と輝度がともに25%向上。輝度を落とさずに高画素化できたほか、セル間の干渉も減り、色にじみも低減できたという。また、フルHDの信号をフルデジタルで扱える映像回路“フルHD PEAKS(ピークス)”も新開発。最大14bitのデジタル信号処理が行える。このほか4月に発表された“PX500”シリーズに搭載された画像処理/ノイズ低減技術を引き続き搭載。前面保護ガラスには反射を抑える“ディープブラックフィルター”の採用などで、3000:1と高いコントラスト比を実現したという。

映画並みの画角 フルHD対応でも同等の輝度
映画館なみの画角45度を実現するためには65Vインチのサイズが必要フルHDでも輝度を落とさないために、電極形状の変更などを行なった

本体にはアナログ地上波のほか、地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル対応チューナーを2系統内蔵(デジタルダブルチューナー)。デジタル放送EPG/G-GUIDEに加え、ユーザーの視聴した番組の履歴を学習し、おすすめの番組を提示する“インテリジェントテレビ番組ガイド”を利用可能。インターネット機能の“Tナビ”やSDカードスロットを利用したデジタルカメラ画像の再生やMPEG-4(SD-Video)録画機能なども装備する。

接続端子はHDMI端子のほか、i.LINK端子(2系統)、RGB入力端子(ミニD-Sub15ピン)、2系統のD4端子、4系統のビデオ入力端子(うち3つはS2入力対応)、1系統のモニター出力端子、光デジタル音声出力端子などを装備。本体サイズは幅1754×奥行き419×高さ1058mmで重量は89kg。消費電力は年間598kWh(JEITA基準)。

動画に強い 動画に強い
プラズマのメリットのひとつが動きの速いシーン。液晶では動きの速い場面では本来の解像度が生かせない
視野角が広い 色再現性が高い
視野角の広さは大画面になればなるほど重要になってくるが、液晶テレビは45度の画角では70%程度の輝度に落ちるという色再現性の高さもアピールしていきたいポイントだと言う。VIERAシリーズは2048段階の階調表現が可能

基本機能に絞り、より手軽に購入できる“PX50”シリーズ

37V~50Vインチの3モデルが用意された“PX50”シリーズは、PX500シリーズの“高画質と大画面を手軽に楽しむ”というコンセプトで開発されたエントリーモデル(PX500は併売)。HDMI端子やMPEG-4録画機能を持たず、チューナーが1系統になるなど一部機能に制限があるが、映像処理回路PEAKSの採用やハイビジョンプラズマパネルの採用、3000:1の高コントラスト比など、画質面はPX500シリーズと同等となっている。

一方で、低消費電力化を進め、2004年5月発表のPX300シリーズとの比較で最大43%節減。PX500よりも若干低い値となった。年間消費電力は37V型で年間219kWh(PX500は250kWh)、42V型で年間288kWh(同331kWh)、50V型で年間395kWh(同449kWh)。

またスピーカーをパネルの下側に配置する(アンダースピーカー)ことで、本体の横幅をPX500シリーズとの比較で最大7cm小さくした。

想定実売価格は37Vインチの『TH-37PX50』(解像度1024×720ドット)が34万円前後、42Vインチの『TH-42PX50』(1024×768ドット)が44万円前後、50Vインチの『TH-50PX50』(1366×768ドット)が58万円前後。発売は9月10日。

CMキャラクターは引き続き女優の小雪さんが担当。今回はブラックキャットに扮した小雪さんが、陰影感あふれる黒の映像の中で現われ、VIERAの持つ「“黒”の表現力」をコケティッシュにアピールする。黒いドレスに身を包んだ小雪さんが身につけているアクセサリーはパリの宝石ブランドCHAUMETのネックレスとイヤリングで、3000万円相当とのこと。なお、VIERAのウェブサイトでは“WEBオリジナル「KOYUKI」写真集”(25日から)とCM先行ロードショー(26日から)の配信を行なうとのこと。

小雪さん(アップ) 小雪さん(全身)
発表会にはVIERAのCMキャラクターを務める小雪さんも登場、今回は黒猫がモチーフ
小雪さん(黒猫)
CMでは黒猫に扮する小雪さん。ウェブサイトでは、Webオリジナル写真集とCM先行ロードショーも行なわれる

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