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ソニー、2005年秋冬モデルのVAIOノート新製品を発表――より薄く、軽くなったモバイルノート“type T”登場!

2005年08月30日 15時02分更新

文● 編集部 小西利明

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ソニー(株)は30日、VAIOシリーズのノートパソコン、4シリーズを発表した。秋冬モデル新製品の目玉は、軽量モバイルノート“VAIO type T”シリーズの一新と、新たに登場したビジネスユーザー向けの2スピンドルノート“VAIO type BX”である。また多くの機種に非接触型ICカード“FeliCa”の読み書きを行なう“FeliCaポート”が搭載されるといった特徴もある。価格は例年どおり、全機種オープンプライス。

なおこの秋冬モデルから、ノート/デスクトップともに、直販モデルの構成に大きな変更が加えられた。従来は直販モデルはすべて“ソニースタイルモデル”として、CPUやHDD容量などを選択可能なCTOモデルとして販売されていたが、秋冬モデルからソニースタイルモデルはスペック固定の直販製品となり、CTOモデルは“VAIO・OWNER・MADEモデル”(以下オーナーメイドモデル)と呼ばれることになった。オーナーメイドモデルでは、注文時にコンポーネントや追加アプリケーションなどの選択が可能である。さらにソニースタイルが推奨する製品構成“速配仕様”を選ぶと、通常のオーナーメイドモデルが注文後72~96時間後の配送となるところを、速配仕様の製品ならば1~2日後(24~48時間後)の配送に時間短縮されるという。またオーナーメイドモデルはソニースタイルウェブサイトでの注文や電話での注文に加えて、新たに“VAIO・OWNER・MADE取扱店”での店頭注文も可能になる。販売方式を整理したのが下記の表となる。なお店頭販売モデルとビジネスパーソナルモデル(bizモデル、法人向け商品)には変更はない。

新しいVAIOの販売形態
種別 特徴
リテールモデル(店頭販売モデル) 店頭販売製品、スペックは固定
VAIO・OWNER・MADEモデル 直販CTOモデル、スペック変更可
VAIO・OWNER・MADEモデル 速配仕様 直販CTOモデル、スペックを限定し、配送までの時間が短い
ソニースタイルモデル 直販モデル、スペック変更不可
ビジネスパーソナルモデル(bizモデル) 法人向け販売製品、スペック変更不可

極薄液晶パネル搭載でより軽く!
VAIO type T

VAIO type T『VGN-TX50B/B』
VAIO type T『VGN-TX50B/B』

薄型軽量のボディーにワイドサイズの液晶ディスプレーを備え、9時間程度のバッテリー駆動時間を実現するなど、バランスの取れたスペックで人気の高いモバイルノート“VAIO type T”シリーズが、これらの特徴はそのままに、より薄く、より軽くなって新たに生まれ変わった。それが新しい通称“TX”シリーズである。

VGN-TX50B/Bの背面パネル側。外周から丸みを落とし、シャープさを印象づけるデザインになった
VGN-TX50B/Bの背面パネル側。外周から丸みを落とし、シャープさを印象づけるデザインになった

下の左写真はTXシリーズを真横から見た写真であるが、液晶パネル部分が非常に薄いのが分かるだろう。右写真はTXシリーズと従来のtype Tシリーズを並べた比較写真であるが、液晶パネル部分は半分程度の厚さしかない。また本体後部にはみ出しているバッテリーも、はみ出しが小さくなっているのが分かる。TXシリーズの本体の厚みは、最薄部約21mm(従来機は約25mm)、最厚部約28.5mm(同約35mm)と、薄型化を実現している。横幅と奥行きは、幅約272.4mm、奥行き195.1mmと、バッテリーはみ出しの縮小にともない、1cmほど奥行きが短くなった。重量は約1.25kgで、従来機よりも150gほど軽量化された。付属ACアダプターも従来よりさらに小型化され、アダプター本体部は名刺程度のサイズに収められている。

お詫びと訂正:掲載当初、“付属ACアダプターも従来よりさらに小型化され”と記載していましたが、付属ACアダプターのサイズは従来と同じでした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2005年8月30日)
TXシリーズの右側面写真。液晶パネルが非常に薄い。右側面にはDVDスーパーマルチドライブが内蔵されているが、ドライブユニットとキーボード表面の間も非常に薄い TXシリーズ(左)と従来のtype Tを並べて。液晶パネルが大幅に薄くなっているのがよく分かる。またバッテリー部分の出っ張りが少なくなったのもポイントだ
TXシリーズの右側面写真。液晶パネルが非常に薄い。右側面にはDVDスーパーマルチドライブが内蔵されているが、ドライブユニットとキーボード表面の間も非常に薄いTXシリーズ(左)と従来のtype Tを並べて。液晶パネルが大幅に薄くなっているのがよく分かる。またバッテリー部分の出っ張りが少なくなったのもポイントだ

液晶パネル薄型の鍵は、薄くても高い強度を確保できる“カーボンファイバー積層板”(マルチレイヤーカーボンファイバー)の採用と、バックライトに白色LEDを使用した点にある。従来のtype Tの液晶パネルは、手前側からガラスセル、導光板、システム基板の3層構造になっていて、蛍光灯がパネル下側に配置されていた。これが新しいTXシリーズの液晶パネルでは、薄いガラスセルと導光板の2層になり、白色LEDは導光板の下側に、システム基板はさらに下に配置され、薄型化を実現しているという。あまりに薄いので、簡単に割れるのではないかと不安に感じるが、表面加圧試験では従来比で230%の強度を達成しているという。これはシステム基板関連部品を背面から排除したこと、ネジを使用せずにキャビネットに固定したこと、ガラスセルの薄型化などが貢献しているとのことだ。液晶パネル自体のサイズは11.1インチ、解像度1366×768ドットで、縦横比が16:9であるため、DVD映画も画面一杯に表示できるとしている。

注目のバッテリー駆動時間は、付属の標準バッテリーで約9時間。後述するPentium M搭載モデルに別売りの専用大容量バッテリー『VGP-BPL5』を組み合わせて使用すると、実に約14.5時間(いずれもJEITA測定法1.1)もの駆動時間を実現しているという。これなら標準でも丸一日は保ちそうだ。また液晶輝度を最高に設定し、DVDを連続再生させる高負荷なテスト条件でも、約3.5時間(Celeronモデル、標準バッテリー)の駆動時間を実現する。

TX専用のオプション大型バッテリー『VGP-BPL5』。予想実売価格は4万円前後
TX専用のオプション大型バッテリー『VGP-BPL5』。予想実売価格は4万円前後

大型のホームノートでは、Windowsを起動せずにDVD視聴やTV視聴が可能な機種も増えているが、TXシリーズにも同様の機能“インスタントモード”が用意された。液晶ヒンジ部手前にある“AVモードボタン”を押すと、電源オフ状態や休止状態の場合、インスタントモードが起動してDVD、CD再生や本体内蔵スロットに装着されたメモリースティック内の画像の鑑賞が行なえる。ちなみにWindowsが動作している最中やスタンバイ状態にある時にAVモードボタンを押すと、統合AVソフト“Do VAIO”が起動する。

ハードウェアスペックを見てみると、店頭販売モデルであるVGN-TX50B/Bの場合、CPUには超低電圧版のCeleron M 383-1GHzを搭載し、チップセットはグラフィックス機能を内蔵するIntel 915GMS Express、標準メモリーは512MBを内蔵している。またIEEE 802.11a/b/gの3モード無線LAN機能を内蔵しているのに加えて、Bluetooth(2.0+EDR)通信機能も搭載している。パームレスト部右側には“FeliCaポート”も内蔵されていて、FeliCaカードやFeliCa機能搭載携帯電話の読み書きが可能だ。主なインターフェース類としては、10/100BASE-TX対応LAN端子、外部アナログディスプレー出力端子、USB 2.0×2、i.LINK、メモリースティックスロット(Duoサイズ、PRO、マジックゲート対応)、SDカード/MMCスロットなどを備える。また別売りの専用ポートリプリケーター『VGP-PRTX1』も用意される。

TXシリーズ専用オプションのポートリプリケーター『VGP-PRTX1』。予想実売価格は2万円前後
TXシリーズ専用オプションのポートリプリケーター『VGP-PRTX1』。予想実売価格は2万円前後

TXシリーズではソニースタイルでの直販モデルとして、オーナーメイドモデルが用意される。OSにWindows XP Home Editionを搭載する製品が『VGN-TX90S』、Windows XP Professionalを搭載するモデルが『VGN-TX90PS』となる。オーナーメイドモデルではスペックの選択がであるのに加えて、本体のカラーリングも店頭売りのブラックに加えて、ホワイトと“プレミアムブルー”の3色から選べるようになっている。

オーナーメイドモデルで選択できるホワイトモデル。ブラックとはかなり雰囲気が違って見える

オーナーメイドモデルでは、CPUを店頭モデルと同じCeleron M 383と、超低電圧版Pentium M 753-1.20GHzから選択可能となっている。Pentium Mはクロック周波数やキャッシュメモリー容量などで高速なだけでなく、拡張版インテル・SpeedStepテクノロジー対応により、バッテリー消費も少なめに抑えられる。またメモリーは最大1.5GBに増量できるほか、HDDは40GBと60GB、光ディスクドライブはDVDスーパーマルチドライブとCD-RW/DVDコンボドライブのいずれかから選択可能となっている。

予想実売価格は、VGN-TX50B/Bが約22万円前後と想定されている。元々人気の製品が、さらに薄く軽く、スタイリッシュになったことで、さらなる人気を呼ぶことは請け合いだ。注目のモバイルノートの登場と言えよう。

VAIO type Tの主なスペック

VGN-TX50B/B
超低電圧版Celeron M 383-1GHz/512MBメモリー/Intel 915GMS Express内蔵グラフィックス/60GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/11.1インチワイド液晶ディスプレー 1366×768ドット/IEEE 802.11a/b/g/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal 2003付属
22万円前後/9月10日発売予定
VGN-TX90PS(オーナーメイドモデル 速配仕様)
超低電圧版Pentium M 753-1.20GHz/1GBメモリー/Intel 915GMS Express内蔵グラフィックス/60GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/11.1インチワイド液晶ディスプレー 1366×768ドット/IEEE 802.11a/b/g/Windows XP Professional SP2
9月14日発売予定

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