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日立、地デジ対応や薄型新筐体などを含む“Prius”シリーズデスクトップ&ノートの秋冬モデル9機種を発表!

2005年08月31日 12時59分更新

文● 編集部 小西利明

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(株)日立製作所は31日、2005年秋冬モデルとなるPriusシリーズのデスクトップパソコン3シリーズ6機種、ノートパソコン1シリーズ3機種を発表した。価格はいずれもオープンプライス。この秋冬モデルの特徴は、セパレート型デスクトップパソコン“Prius Deck”“Prius Air”に、大きくデザイン変更&機能強化を計った新製品が登場している点にある。なおモバイルノート“Prius Gear”については、すでに発売中の『Prius Gear GN33M』のみの継続販売となっている。

業界最薄!?のスタイリッシュ省スペースデスクトップ
Prius Deck Nシリーズ

『Prius Deck DH75N』 本体の厚みはわずか59mm!
『Prius Deck DH75N』 本体の厚みはわずか59mm!

Priusデスクトップシリーズのフラグシップモデルに当たるセパレート型省スペースデスクトップパソコン“Prius Deck”シリーズは、まったく新しい設計の筐体と液晶ディスプレーを組み合わせた製品に生まれ変わっての登場となった。なによりの特徴はその薄さ! “リビングルームPC”をコンセプトとし、どこにでも置ける新たなデザインとして設計された筐体は、Pentium DをCPUに搭載しながら、わずか59mmという薄さを実現した(本体サイズは幅59×奥行き386×高さ370mm)。従来のPrius Deckシリーズと比べると、実に半分程度の53%の薄型化に成功したという。しかもこの薄さの中に、3.5インチHDDを2台内蔵することも可能となっている。動作音の静かさも特徴のひとつで、同社では35dB以下の静音設計を実現としている。

薄型化の鍵のひとつは、光ディスクドライブやメモリーカード用インターフェース、USB端子などを専用20インチワイド液晶ディスプレー側に搭載した設計にある。本体には主要なインターフェース類がないので、液晶ディスプレーの横といった定番の位置はもちろん、液晶ディスプレーの裏に置いてしまう、といった配置も可能としている。液晶ディスプレーの前面中央下側には、スロットイン方式のDVDスーパーマルチドライブ(DVD±R DL記録対応)、USB 2.0×3、SDメモリーカード/メモリースティックスロット/xDピクチャーカード兼用スロットが配置されている。本体と専用液晶ディスプレーの間は、映像用(DVI-D)とデータ用の2本のケーブルで接続される。液晶ディスプレーの解像度は1360×768ドットのワイド型となっている。使用されている液晶パネルは、S-IPS方式の高輝度(500cd/m2)、広視野角(水平垂直ともに170度)、約1677万色表示可能な高画質なパネルである。またディスプレー内にスピーカーも内蔵されている。

新Prius Deckシリーズは、CPUにインテル(株)のデュアルコアCPU“Pentium D”を搭載するのも特徴である。採用されたCPUはPentium D 820-2.80GHzで、ビデオエンコードのような時間のかかる重い処理を軽快にこなせる。また上位モデルに当たる『DH75N』は、本体内に2台の250GB HDD(計500GB)と、2番組同時視聴/録画に対応したTVチューナー/エンコーダーを搭載するといった特徴も備える。下位機種の『DH73N』は250GB HDDを1台と、シングルTVチューナーを搭載する。CPUや512MBの内蔵メモリー、Intel 945G Expressチップセットなどの仕様は共通である。

Prius Deckは液晶ディスプレーがセットの製品であるが、大型TVにパソコンの画面を映し出せるように、新Prius DeckではデジタルTV用の映像出力である“HDMI出力端子”も備えている。同社のWoooブランドの大型TVなど、HDMI入力端子を備える大型TVとPrius Deckをデジタルで接続して、大画面でのWindowsアプリケーションや録画したTV番組、ゲームなどを楽しむことが可能になる。

予想実売価格は、DH75Nが29万円前後、DH73Nが20万円前後と想定されている。

Prius Deckシリーズの主なスペック

Prius Deck DH75N
Pentium D 820-2.80GHz/512MBメモリー/Intel 945G Express内蔵グラフィックス/500GB HDD(250GB×2)/DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ/ダブル録画対応 アナログTVチューナー搭載/20インチワイド液晶ディスプレー 1360×768ドット付属/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal Edition 2003付属
29万円前後/10月14日発売予定
Prius Deck DH73N
Pentium D 820-2.80GHz/512MBメモリー/Intel 945G Express内蔵グラフィックス/250GB HDD/DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ/アナログTVチューナー搭載/20インチワイド液晶ディスプレー 1360×768ドット付属/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal Edition 2003付属
20万円前後/10月14日発売予定

専用LSI搭載で地上デジタル放送を高画質で視聴/録画!
『Prius Air AR37N』

地上デジタル放送の視聴/録画に対応した省スペースセパレート型デスクトップ『Prius Air AR37N』
地上デジタル放送の視聴/録画に対応した省スペースセパレート型デスクトップ『Prius Air AR37N』

日立は“次世代 三種の神器”として、ハイビジョン対応薄型TVハイビジョン対応HDD/DVDレコーダーなど、ハイビジョン対応AV機器の全面展開に注力している。そうした同社のハイビジョン戦略の一翼を担うのが“ハイビジョン対応ブロードバンドパソコン”であり、それを実現する第1弾の製品が、新しいPrius Airシリーズの最上位機種『Prius Air AR37N』である。

デジタルTV放送の視聴/録画に対応したパソコンは各社から登場しているが、そのいずれもが液晶ディスプレーとパソコン本体が一体化された製品だ。これは現在のパソコンのハードウェア仕様と、デジタル放送が要求するコンテンツ保護のための仕様をマッチさせるために、ディスプレーとパソコン内のデジタル放送デコーダーを本体内で接続し、デジタル映像の不正コピーを防ぐためである。しかしAR37Nは、液晶ディスプレーと縦置き省スペース型の本体がセットになった、一般的なセパレート型デスクトップパソコンでありながら、デジタル放送の受信と表示、ハイビジョン画質での録画を可能としている。

地上デジタル放送とアナログ放送を統合して扱える“Prius Navistation4”。デジタル放送とアナログ放送でアプリケーションを切り替えることなく、シームレスに視聴できる
地上デジタル放送とアナログ放送を統合して扱える“Prius Navistation4”。デジタル放送とアナログ放送でアプリケーションを切り替えることなく、シームレスに視聴できる

これを実現したカラクリは、付属液晶ディスプレー(17インチワイド、1280×768ドット)とAR37N本体を、アナログRGB出力とD4映像出力の2つを使って接続している点にある。AR37Nに内蔵されたデコード専用LSIを搭載するデジタル放送チューナーにはD4映像出力端子が装備されており、チューナーと付属液晶ディスプレーはD4端子経由で直結されている。そしてWindowsの画面を表示する際にはアナログRGB経由で、デジタル放送の画面をディスプレーの“全画面サイズ”で表示する際にはD4端子経由で画面が送られ、液晶ディスプレー側に表示される。デジタル放送を高画質で表示する際には、デコードされた映像データはパソコン側を通らず、直接ディスプレーに出力されるのでセキュアというわけだ。録画の際にはチューナー上でデータを暗号化して、ハイビジョン品質のまま録画される。デジタル放送の画面を小さくしてWindowsの画面とミックス表示する際には、自動的にSD品質(640×480ドット)にダウンコンバートされてパソコン側に送出されるため、デジタル放送品質のデータは流れない。これにより、セパレート型のパソコンでも地上デジタル放送の視聴/録画を可能にしたのだ。またチューナー側のD4出力端子をほかの大型TVなどに接続すれば、デジタル放送を大画面で楽しむことも可能だ。なおAR37Nは地上デジタル放送の受信にのみ対応しており、BSデジタル/110度CSデジタル放送には対応しない。

デジタル放送を表示するアプリケーション側にも工夫がある。他社のデジタル放送視聴/録画に対応したパソコンでは、デジタル放送用とアナログ放送用でアプリケーションが別々に用意されており、それぞれを使い分けなくてはならなかった。しかしAR37Nでは、付属の“地上アナログ/地上デジタル統合ソフトウェア Prius Navistation4”が、1つのアプリケーション上でユーザーインターフェースを変えることなく、デジタル/アナログどちらの放送も楽しめるようになっている。デジタル放送はチューナー側の専用LSIを使ってデコードされるため、パソコンのCPUに負荷をかけずに、安定した映像出力が可能となる。また地上デジタル放送とアナログ放送の同時録画も可能となっている(アナログ放送の2番組同時録画はできない)。さらに録画映像をジャンルごと(※1)に解析して、番組の重要そうなシーンだけをピックアップする“いいとこ観”の機能も、デジタル/アナログどちらでも利用可能となっている。

※1 野球、サッカー、ゴルフ、相撲、音楽、ニュース番組の6ジャンル

パソコン部分のスペックは、CPUにCeleron D 346-3.06GHzを内蔵するほか、300GBの内蔵HDD、512MBのメモリー、DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R DL対応)などを搭載している。チップセットはIntel 915GV Expressで、グラフィックス機能はチップセット内蔵機能を利用する。本体のデザインは、フロント部分がほかのPrius Airシリーズと異なり、白いフロントパネルをグリーンに光るセンターラインが分割したデザインとなっている。本体サイズは幅94×奥行き377×高さ369mm。重量は約9.0kgである。

搭載するインターフェース類はUSB 2.0×6(前面2、背面4)、i.LINK(4ピン)、10/100/1000BASE-T LAN、光オーディオ出力端子(角型)、地上デジタルTVアンテナ入力、アナログTVアンテナ入力、D4映像出力端子、Sビデオ入力、コンポジットビデオ入力、V.90モデム用モジュラージャックなどを備える。またメモリーカード用スロットとして、PCカード(Type II)×2、SDメモリーカード/メモリースティック(メモリースティックPRO対応)兼用スロットを備える。

予想実売価格は23万円前後と想定されている。地上デジタル放送対応のパソコンとしては、価格もリーズナブルと言えるだろう。



Prius Deckシリーズの主なスペック

Prius Air AR37N
Celeron D 346-3.06GHz/512MBメモリー/Intel 915GV Express内蔵グラフィックス/320GB HDD/DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ/地上デジタルTVチューナー&アナログTVチューナー搭載/17インチワイド液晶ディスプレー 1280×768ドット付属/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal Edition 2003付属
23万円前後/10月14日発売予定

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