松下電器産業(株)は1日、HDD&DVDビデオレコーダー“DIGA(ディーガ)”シリーズの新製品4モデルを発表した。ハイエンドの『DMR-EX200V』は、DVD-RAM/±R/-RW、HDD、SDメモリーカード、VHSという4種類のメディアに対応した“4 in 1”タイプの製品で、VHS一体型としては初めてデジタルチューナーを搭載した。価格はいずれもオープンプライス。10月1日から順次出荷する。
今回発表となった4製品は下記のとおり。
- 『DMR-EX200V』
- 地上デジタル/BSデジタル/100度CS、アナログ地上波×2(同時録画可)
- 容量250GBのHDD、DVD-RAM/-R/-RW/+R(DVD-R DL対応)、VHS、SDメモリーカード(静止画のみ)
- HDMI端子
- 想定実売価格16万円前後、発売11月10日
- 『DMR-EH73V』
- 地上アナログ×2、BSアナログ
- 容量200GBのHDD、DVD-RAM/-R/-RW/+R(DVD-R DL対応)、VHS、SDメモリーカード(MPEG-2録画対応)
- DV端子(4ピン)
- 想定実売価格9万5000円前後、発売10月15日
- 『DMR-EH66』
- 地上アナログ×2、BSアナログ×1(同時録画可)
- 容量200GBのHDD、DVD-RAM/-R/-RW/+R(DVD-R DL対応)、SDメモリーカード(MPEG-2録画対応)
- DV端子(4ピン)
- 想定実売価格9万円前後、発売10月1日
- 『DMR-EH53』
- 地上アナログ
- 容量200GBのHDD、DVD-RAM/-R/-RW/+R(DVD-R DL対応)、SDメモリーカード(MPEG-2録画対応)
- 想定実売価格7万円前後、発売10月15日
人気のVHS一体型モデルにデジタルチューナーを新搭載
DMR-EX200V |
松下電器産業は6月にデジタルハイビジョン放送の録画に対応した『DMR-EX300』と『DMR-EX100』を発表しているが、『DMR-EX200V』はこれにVHSビデオデッキを内蔵した製品。DVD、HDD、SDメモリーカード、VHSテープの4種類のメディアに対応し、同社では「世界初のデジタルチューナー搭載VHS一体型モデル」と銘打っている。
本体には地上アナログチューナーを2系統装備。デジタル放送とアナログ地上波を同時録画している状態(デジ・アナどっちも録り)で、VHSデッキに地上波を保存するといった使い方ができる。また、S-VHSテープの再生(録画は不可)にも対応しており、HDD⇔DVD、VHS⇔HDD、VHS⇔DVDの双方向ダビングをワンタッチで行なえる(“ワンタッチ6WAYダビング”)。ただし、デジタル放送をVHSテープに直接録画することはできないため、HDDまたはDVDで一度保存し、VHSにダビングしなおす必要がある。“インテリジェント・ダビングDNR”により、テープ特有の横揺れやノイズを低減し、高画質なダビングが可能だという。
ボタンすっきりくるくるリモコン。十字キーとダイヤルを一体化したマルチジョグが特徴 |
本体にはHDMI端子を装備し、同端子を搭載した薄型テレビやAVアンプとケーブル一本でデジタル接続できる。画質面ではDME-EX300/EX100と同等で、映像処理回路の“PEAKS”や480i/p、720pの映像信号を1080iに補間して出力する“ビューティ・リアライザー”(旧ハイレゾリューションHDコンバーター)も引き続き搭載する。
内蔵するHDDの容量は250GBで、最もビットレートの低い“EP(8H)”モードでは約443時間、BSデジタル/地上デジタルのHD放送(24M/12Mbps以下)を直接保存するDRモード時でそれぞれ約22時間30分/約31時間45分の録画ができる。
入出力端子は、S-Video/コンポジット映像とアナログの音声入出力が各3系統/2系統。光デジタル音声出力(DTS 2ch対応)が1系統、D1~D4映像出力端子が1系統。SDメモリーカードに保存したJPEG/TIFF画像を表示する機能、CD-Rに焼いたMP3/JPEGファイルを再生する機能なども持つ。
本体サイズは幅430×奥行き391×高さ125mmで、重量は約8.4kg。
ファミリー層をターゲットに使いやすさを向上
下位の3機種は『DMR-EH73V』がVHSデッキを内蔵した“4in1”タイプ、『DMR-EH66』がVHSデッキのないスタンダードタイプ、『DMR-EH53』がHDD内蔵のエントリーモデルという位置づけ。EH73VとEH66は2系統の地上アナログチューナーに加え、BSアナログチューナー、DV端子(4ピン)などを持つが、EH53は地上アナログチューナー1系統のみとなり、DV端子も装備しない。
3製品に共通する特徴としては
- ドラマ録画に便利な“毎週予約”と最終回など例外的に放送時間が変わる場合にも対応できる“番組追従機能”
- 挿入したメディアを自動認識する“DVD/SD自動ドライブ選択”
- ダビング操作を音声でナビゲートする“おまかせダビング”
- LPモード録画時でもSPモード並みの垂直解像度(500本)で記録できる“バーチャルマルチエンコーダー”
──などが挙げられる。
また、SDメモリーカード上にMPEG-2形式(SD-Video規格)で動画を保存することが可能。DMR-EH73VはEX200V同様、“ワンタッチ6WAYダビング”機能を装備する。
内蔵するHDDの容量はいずれも200GBで、最もビットレートの低い“EP(8H)”モードでは約335時間、最も高画質なXPモードで約44時間の録画が可能。
入出力端子は、S-Video/コンポジット映像とアナログの音声入出力が各3系統/2系統。光デジタル音声出力(DTS 2ch対応)が1系統、D1~D2映像出力端子が1系統。CD-Rに焼いたMP3/JPEGファイルを再生する機能なども持つ。
本体サイズと重量は、DMR-EH73Vが幅430×奥行き380×高さ89mmで、重量は約7.1kg。EH66が幅430×奥行き350.5×高さ63mmで、重量約4.7kg。EH53が幅430×奥行き350.5×高さ63mmで、重量約4.5kg。
DMR-EH73V | DMR-EH66 |
DMR-EH53 |
DVDレコーダーは2006年に600万台市場に──普及のカギはデジタル放送
パナソニックAVCネットワーク社DVDカテゴリーオーナーの河村一郎氏 |
本日行なわれた発表会には松下電器産業からパナソニックAVCネットワーク社DVDカテゴリーオーナーの河村一郎(かわむら いちろう)氏が出席。
同氏は「DVDレコーダーの国内需要は2006年に600万台」と述べ、「そのうちの270万台がデジタル放送モデルになる」と予測を示した。DVDレコーダーの世帯普及率は2005年に約30%となる見込みで、ユーザー層も従来のコアユーザーやマニアからファミリー層やシニア層に移りつつある。河村氏は「今後は高機能多機能をカンタンに使えることが求められる」とした。
一方で地上デジタル放送のエリア整備も進んでおり、今年中に6割、来年には8割の世帯が地上デジタル放送を視聴できる範囲に収まるという。デジタル放送の普及により大画面の薄型テレビやハイビジョン録画の需要も進んでおり、「とことん美しい高画質も求められている」と河村氏は述べ、高画質と簡単な操作を実現するため投入したのが今回のラインナップであると説明した。
DVDレコーダーと薄型テレビの市場動向 |