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NTTドコモ、子供向け防犯ブザー機能などを備えたGPS携帯『FOMA SA800i』の開発を発表――位置情報を親に伝達する“イマドコサーチ”に対応

2005年11月24日 19時52分更新

文● 編集部 小西利明

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子供向けの優しいデザインに、GPS連動の防犯機能を備えた『FOMA SA800i』
子供向けの優しいデザインに、GPS連動の防犯機能を備えた『FOMA SA800i』

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は24日、防犯ブザー機能やGPSによる位置情報伝達機能などを備えた子供向け携帯電話“キッズケータイ『FOMA SA800i』”を開発したと発表した。また同時に、携帯電話機から位置情報を他の携帯電話機やウェブサービスに伝達する“イマドコサーチ”サービスも発表された。SA800iの発売時期とイマドコサーチの開始時期は、3月上旬の予定。対象年齢は幼稚園の年長から小学生を想定している。

外見は“繭”をイメージしてデザインされ、曲面を多用して持ちやすくなっている。カラーバリエーションは写真の“トリコ”のほか、ミント(シルバー系)とアクア(ブルー系)の計3色 子供用と言っても、30万画素のカメラを内蔵するほか、テレビ電話やiモードなど、FOMAで一般的な機能やサービスは利用できる。黄色い輪はブザー用のストラップ
外見は“繭”をイメージしてデザインされ、曲面を多用して持ちやすくなっている。カラーバリエーションは写真の“トリコ”のほか、ミント(シルバー系)とアクア(ブルー系)の計3色子供用と言っても、30万画素のカメラを内蔵するほか、テレビ電話やiモードなど、FOMAで一般的な機能やサービスは利用できる。黄色い輪はブザー用のストラップ

SA800iは“子どものへの配慮と保護”をコンセプトとした携帯電話機で、防犯ブザーと内蔵GPSを使った位置情報通知や、子供向けにデザインされた本体やユーザーインターフェース、子供向けiモードサービスなどを組み合わせた製品である。特に防犯関連の機能は、現実の犯罪で想定されるさまざまなシチュエーションを考慮し、それに対抗できるような配慮が施されている。主な特徴は以下のとおり。

防犯ブザー連動機能
背面のスライドスイッチを引くと、内蔵ブザーが100dBの大音量で警報を発する。それと同時に、登録済みの緊急連絡先(3件まで)に対して、緊急事態の発生を音声で通知する。さらにイマドコサーチ契約者に対しては、SA800iの内蔵GPS機能を使い、現在位置を通知する。
電源OFF時連動機能
パスワードを入力せずに携帯電話機の電源をオフにした場合、電源オフと同時および一定時間ごと(15、30、60分)に、自動で現在位置をイマドコサーチ契約者に通知。
バッテリーロック
内蔵バッテリーパックは専用ネジで筐体に固定。携帯電話機に付属の専用工具がなければ取り外しを困難とすることで、第三者による取り外しを防止する。
キッズモード
子供が操作しやすいように、メニュー表示などに難しい漢字を使わず、ひらがな等で表示する。また子供と保護者用に2種類のパスワードを設定でき、保護者側でのペアレンタルロックが可能。
直デン機能
最大5件までの登録先を、ワンタッチで選択して通話やメール送信を行なえる。
キッズiメニューでは、“ドコモダケ”のキャラクターを使ったメニュー画面が表示される。またディズニーキャラクターを使ったメニューなども用意される 防犯ブザーのスイッチは背面のヒンジ側にある。スイッチ部に付けたストラップを引くなどすると、100dBの大音量ブザーが鳴ると同時に、緊急事態の発生と位置情報を通知する
キッズiメニューでは、“ドコモダケ”のキャラクターを使ったメニュー画面が表示される。またディズニーキャラクターを使ったメニューなども用意される防犯ブザーのスイッチは背面のヒンジ側にある。スイッチ部に付けたストラップを引くなどすると、100dBの大音量ブザーが鳴ると同時に、緊急事態の発生と位置情報を通知する

ハードウェア面での仕様は、約2.2インチ/240×320ドット/6万5536色表示の液晶ディスプレーと、外側32万画素/内側10万画素のCCDカメラを搭載。連続待受時間は静止時350時間以上、移動時250時間以上。連続通話時間は140分以上、連続テレビ電話時間90分以上となっている。本体サイズは幅50×高さ97×厚さ27mm。質量は約123g。

NTTドコモ 執行役員プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野剛氏 SA800iのクリエイティブディレクターを担当した、アートディレクターの佐藤可士和氏
NTTドコモ 執行役員プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野剛氏SA800iのクリエイティブディレクターを担当した、アートディレクターの佐藤可士和氏

SA800iの発表に先立ち、同社執行役員プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野剛氏は、同社が取り組んでいる“ドコモ「あんしん」ミッション”のテーマの1つである“子供への配慮と保護”について触れ、「子供を社会の資産として、どうやって守っていくか、あるいは(どうやって)安心して新しいテクノロジーを使っていただくかは、これからますます重要になっていく」と述べた。またSA800iの外見や待ち受け画面など、総合的なデザイン(クリエイティブディレクター)を担当したアートディレクターの佐藤可士和(さとう かしわ)氏は、「(電話機のデザインだけでなく)NTTドコモの社会に対する新しい取り組みをデザインしたつもりで、この仕事をやった」と述べ、単なる“子供向け防犯機能付き携帯電話機”の開発というだけでなく、同社にとってより重要な取り組みの現われであることが強調された。またSA800iのデザインコンセプトについて佐藤氏は、「子供にとっては御守りみたいなものになる」として、“中にあるものをしっかり守る、優しい形の繭”をイメージしてデザインしたと述べた。実物を手にとってみると、曲面で構成されたボディーは数字の印象よりも小さく感じ、手にもフィットしやすく感じられる。とはいえ、小さな子供の手には、さすがに大きく見えた。

特徴の中でも重要な“防犯ブザー連動機能”と“電源OFF連動機能”は、内蔵GPSと通信サービスを連携させて、緊急事態発生時には端末の現在位置を、保護者の携帯電話に自動通知することができる。また犯罪者側が携帯電話の電源を切る可能性を想定し、パスワードを入力せずに電源を切った場合は、電源オフ直後と指定された時間ごとに、自動で現在位置を通報できる。バッテリーを外される可能性も考慮し、内蔵バッテリーは特殊なネジで固定されており、簡単には取り外せなくなっている。

“防犯ブザー連動機能”では、ブザーの作動をトリガーに緊急事態の発生を音声で、位置情報を地図で通知できる 連れ去り犯が携帯電話の電源を切っても、位置情報を自動で通知し続ける“電源OFF連動機能”。SA800iには実践的な仕様が多く見られる
“防犯ブザー連動機能”では、ブザーの作動をトリガーに緊急事態の発生を音声で、位置情報を地図で通知できる連れ去り犯が携帯電話の電源を切っても、位置情報を自動で通知し続ける“電源OFF連動機能”。SA800iには実践的な仕様が多く見られる

位置情報の通知と表示については、保護者側の携帯電話機(FOMAまたはmova対応のiモード携帯電話機)が、位置情報確認サービスであるイマドコサーチ(月額210円)に加入している必要がある。イマドコサーチは、保護者側が子供の携帯電話の位置を検索し、地図上に表示できるサービスである。検索対象の携帯電話機がGPS機能を内蔵している場合は、GPSを利用した詳細な位置情報が把握できる。GPS機能を持たない携帯電話機や、GPS測位が使用できない環境にある場合は、基地局単位での位置把握が行なわれる。これについてはSA800iでの緊急通報などでも同様のようだ。また同社ではイマドコサーチと同じ仕組みを利用した、法人向けの位置情報サービスを提供することも発表している。

緊急通報以外にも、子供に使いやすい携帯電話機にするための、さまざまな機能が盛り込まれている。すでに提供中の“キッズiモード”(iモードメニューサイト以外へのアクセスを禁止する)に加えて、SA800iでは“キッズiメニュー”と称する独自のメニュー画面が用意されている。人気のキャラクター“ドコモダケ”を使ったメニュー画面は、ひらがなを多用した読みやすいメニューが用意され、子供向けの携帯電話使い方講座である“ケータイ安全教室”などが提供されている。また子供向けにひらがな表示された“キッズ向け災害用伝言板”も提供される。またこのほかにも、ディズニーキャラクターを使ったコンテンツ“Disney-i”など、100社以上が子供向けのコンテンツサイトを提供する予定となっている。

子供向けのコンテンツサイトの例。漫画やホビーなどのエンターテイメント系から、ニュースや辞書などの知育系など、さまざまなコンテンツが提供される予定
子供向けのコンテンツサイトの例。漫画やホビーなどのエンターテイメント系から、ニュースや辞書などの知育系など、さまざまなコンテンツが提供される予定

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