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MSIコンピュータージャパン、新製品発表会にてマザーボードやグラフィックスカードなどの新製品を発表

2006年02月22日 22時20分更新

文● 編集部 小西利明

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Intel Core Duoプロセッサーに対応するMSIのベアボーンノート『MS-1057』 デジタルカメラなど、USBストレージからパソコン不要でデータを転送できるHDD内蔵オーディオプレーヤー『MEGA PLAYER』
Intel Core Duoプロセッサーに対応するMSIのベアボーンノート『MS-1057』デジタルカメラなど、USBストレージからパソコン不要でデータを転送できるHDD内蔵オーディオプレーヤー『MEGA PLAYER』

エムエスアイコンピュータージャパン(株)(以下MSIジャパン)は22日、秋葉原にて新製品記者発表会を開催し、マザーボードやグラフィックスカード、さらに家電分野の製品としてHDD内蔵オーディオプレーヤーやBluetoothヘッドセット&トランスミッターセットなどを発表した。マザーボード新製品にはモバイルCPU用マザーボードが含まれるなど、注目の製品が並んだ。

MSIジャパン マーケティング部マネージャーの石岡宣慶氏
MSIジャパン マーケティング部マネージャーの石岡宣慶氏

今年で台湾MSI Comupter社が創立20周年を迎える同社は、マザーボード製造から始まり、現在ではグラフィックスカードやベアボーンパソコン、ベアボーンノートやデジタル家電など、幅広い分野にビジネスを広げている。MSIジャパン マーケティング部マネージャーの石岡宣慶氏は、2006年は同社にとって「大きな転換期になる」とし、特に2005年に投入したベアボーンノート“MEGABOOK”シリーズについては、インテル(株)の協力もあり「組み立てベアノートといえばMEGABOOKというように、代名詞として使われるくらい普及した」と述べて、新たな事業分野でもビジネスが好調であるとした。また製品全体に関しても、低価格最優先ではなく、電話サポート“ダイレクトサポート”などアフターサポートを充実させるなど、品質重視の製品展開を行なっていると語った。

中核事業であるマザーボード製品については、2006年第1四半期はパワーユーザー向けにはPentium DやAthlon 64 X2などデュアルコアCPUに対応する製品を重点に、動的なクロック変動を行なうオーバークロック機能“D.O.T.”(ダイナミックオーバークロッキングテクノロジー)など、マニアックなユーザーに訴求する製品を揃える。またホームユーザー向けには“MoDT(Mobile on DeskTop)への対応”を強力に推進するとして、インテルのモバイル向けデュアルコアCPU“Intel Core Duo”対応のマザーボードをラインナップする。



Intel 945GT Expressを搭載するIntel Core Duoプロセッサー対応マザーボード『945GT Speedster』
Intel 945GT Expressを搭載するIntel Core Duoプロセッサー対応マザーボード『945GT Speedster』

具体的に発表された新製品としては、Intel Core Duo対応チップセット“Intel 945GT Express”を搭載するマイクロATXマザーボード『945GT Speedster』(予想実売価格は2万8800円)などが発表された。Core DuoまたはCore Soloプロセッサーに対応し、付属の拡張スロット増設ボードを接続することで、PCIスロットを2つ追加し、ATXマザーボードサイズに拡大することが可能となっている。またコアゲーマー向けにSLI関連機能を強化したマザーボード『K8N Diamond Plus』『K8N Diamond Plus Tube』(939ピン Athlon 64/X2/FX対応、nForce4 SLI x16搭載)や、Pentium M 7xx対応のIntel 915GM搭載マザーボード『915GM Speedster-FA4』なども発表された。予想実売価格はいずれもオープンプライスで、945GT Speedsterの出荷開始時期は3月16日予定。

チップセット上にヒートパイプとチップクーラーを組み合わせて冷却を行なう『K8N Diamond Plus Tube』のデモ。中央の銅製ヒートシンクからパイプが出ている
チップセット上にヒートパイプとチップクーラーを組み合わせて冷却を行なう『K8N Diamond Plus Tube』のデモ。中央の銅製ヒートシンクからパイプが出ている

グラフィックスカードについては、「MSIの製品は普通」(石岡氏)と言われているが、今年は面白いものを出していくと言う。発表された新製品には、米エヌビディア社のハイエンドGPU“GeForce 7800GTX”を搭載する『NX7800GTX-T2D512E』や、カナダATIテクノロジーズ社のハイエンドGPU“Radeon X1900 XTX”搭載の『RX1900XTX-VT2D512E』など、“パワーゲーマー向け”と称するハイエンド製品が発表された。また静音性重視のユーザー向けのファンレスカードとして、『NX6600GT-TD256EZ』(GeForce 6600GT搭載)や『RX1600XT-T2D256EZ』(Radeon X1600 XT)も発表された。価格はいずれもオープンプライス。また同社製グラフィックスカード用に提供されるソフトウェア『MSI Vivid』についての説明も行なわれた。他社製品に対する差別化要素として供給されるもので、ゲームや写真閲覧/編集、ビジネスアプリケーションなど、用途に応じて画面のガンマ設定やコントラストを変えるソフトウェアである。

ベアボーンパソコン/ノートについては、まずMEGABOOKシリーズを強化し、Core DuoプロセッサーやTurion 64対応のパワーユーザー向けノートを提供するほか、Sonomaプラットフォーム(Pentium M+Intel 915GM/PMチップセット系)の17インチワイド液晶ディスプレー搭載ノートや、B5サイズでCore Duo対応のポータブルノートなどをラインナップする。

MEGABOOKシリーズはベアボーンノートという馴染みの薄い製品のため、消費者へのアピールのために全国のパソコン販売店店頭に体験コーナーを設けて、アピールに力を入れたという
MEGABOOKシリーズはベアボーンノートという馴染みの薄い製品のため、消費者へのアピールのために全国のパソコン販売店店頭に体験コーナーを設けて、アピールに力を入れたという

発表された新製品は3機種。『MS-1057』はCore Duo対応Intel 945GMチップセット搭載で、12.1インチ液晶ディスプレーとホワイトのボディーを持つベアボーンノートである。製品カタログでは持ち歩きを重視したような記述があるものの、重量は約2.9kgと重い。価格はオープンプライスで、予想実売価格は10万8000円。出荷開始予定日は3月30日。同じくCore Duo対応945GM搭載の『MS-1034』は、15.4インチワイド液晶ディスプレー(1280×800ドット)搭載の大型ベアボーンノートである。DVDスーパーマルチドライブを内蔵するほか、ビデオチャット用に130万画素CCDカメラを本体に内蔵する。価格はオープンプライスで、予想実売価格は11万8000円。出荷開始予定日は3月23日。光沢のある17インチワイド液晶ディスプレー(1680×1050ドット)を搭載する『MS-1036』は、Turion 64に対応しATI Radeon Xpress 200Mチップセットを搭載するデスクノートタイプのベアボーン。オンボードのグラフィックスチップとして“Mobility Radeon X700”(メモリー256MB)を搭載するなど、パワー重視のハイエンド製品である。価格はこれもオープンプライスで、予想実売価格は15万8000円。出荷開始予定日は3月9日。

Turion 64対応、Mobility Radeon X700搭載、17インチワイド液晶ディスプレーなど、ハイスペックで固めたベアボーンノート『MS-1036』 Intel 945Gチップセット搭載のオーソドックスなキューブ型ベアボーン新製品『MPC945』。ちなみにマルチメディア機能を重視したキューブ型ベアボーン製品は終息するとのことだ
Turion 64対応、Mobility Radeon X700搭載、17インチワイド液晶ディスプレーなど、ハイスペックで固めたベアボーンノート『MS-1036』Intel 945Gチップセット搭載のオーソドックスなキューブ型ベアボーン新製品『MPC945』。ちなみにマルチメディア機能を重視したキューブ型ベアボーン製品は終息するとのことだ
MSIジャパン 営業部CE製品担当の上瀧利治氏
MSIジャパン 営業部CE製品担当の上瀧利治氏

またMSIジャパンでは、デジタル家電分野にも製品を投入する。同社営業部 CE製品担当の上瀧利治(じょうたき としはる)氏は、数多のライバルがひしめく家電市場へ取り組む理由として、パソコンパーツ以外の収益源の確保と、自作パソコンユーザー以外にもMSIのブランド認知度を上げるためと説明した。また日本市場に投入する理由についても、「日本で通じる製品は世界でも通じる」として、世界展開の先鞭を付ける意味合いがあるとした。



HDD内蔵オーディオプレーヤー『MEGAPLAYER 536』。USB経由で別のUSBマスストレージデバイスをつないで、HDD内にデータをコピーしようとしているところ。SDメモリーカードスロットを左側面に備える
HDD内蔵オーディオプレーヤー『MEGAPLAYER 536』。USB経由で別のUSBマスストレージデバイスをつないで、HDD内にデータをコピーしようとしているところ。SDメモリーカードスロットを左側面に備える

発表された新製品は3製品。なかでも注目の製品は、HDD内蔵オーディオプレーヤーの“MEGA PLAYER”シリーズ。8GB HDDを内蔵するMP3/WMA対応オーディオプレーヤーで、Motion JPEG形式の動画再生にも対応する。HDD容量は少なめだが、これについて上瀧氏は、「20~30GBのHDDを搭載する製品では、ユーザーが(容量を)持てあましている」と述べ、オーディオ用途であれば8GBは十分であるとした。またMEGA PLAYERはデジタルカメラやUSBメモリーデバイス、USBメモリーカードリーダーなどを直接接続できる“OTG(On The Go)”機能を備える点も特徴であるとした。これによりデジタルカメラやメモリーカードなどと直結して、携帯型のデータストレージとして利用できるという。SDメモリーカードスロットも備える『MEGAPLAYER 536』は、予想実売価格が4万円前後で、3月下旬の発売予定。またBluetoothヘッドセット&トランスミッターセットの『Free Style FS120』。USBコネクターを内蔵した1インチ4GB HDD内蔵のポータブルHDD“MEGA CASHE”なども発表された。

Bluetooth 1.2に対応するBluetoothヘッドセット&トランスミッターセット『Free Style FS120』。単4電池で動作し、レシーバー側には好きなヘッドフォンを接続できるのが特徴だ
Bluetooth 1.2に対応するBluetoothヘッドセット&トランスミッターセット『Free Style FS120』。単4電池で動作し、レシーバー側には好きなヘッドフォンを接続できるのが特徴だ

発表会の最後では、台湾MSI ワールドワイドマーケティングディレクターのヴィンセント・ライ(Vincent Lai)氏がスピーチを行なった。ライ氏は20年前に台湾ソニーの現地法人をリストラされた5人のエンジニアから始まった同社が、2005年には2500億円規模の売上を誇る企業まで成長した足跡について述べ、成長著しいロシアやブラジル、インドなどでも事業を拡大することで、2006年にも17%の成長を目標としているとした。

台湾MSI ワールドワイドマーケティングディレクターのヴィンセント・ライ氏
台湾MSI ワールドワイドマーケティングディレクターのヴィンセント・ライ氏

また同社の研究開発の例として、ノートパソコン用グラフィックスモジュール規格“MXM”用のモジュールを2つ使って、1枚のグラフィックスカード上でSLI接続によるデュアルGPU構成を行なうグラフィックスカードや、ノートパソコンやポータブルタイプのデジタル家電を太陽電池で充電する企画などを紹介した。ライ氏は太陽電池ノートについては実用的ではないとしたが、ポータブルオーディオプレーヤーなどは2日間で満充電が可能で、「晴れた屋外では充電を感じられる」など、補助的な充電手段としては有望であるという考えを述べた。

International CES 2006にも出展したというMXMモジュール2枚を使ったデュアルGPUグラフィックスカードのデモ
International CES 2006にも出展したというMXMモジュール2枚を使ったデュアルGPUグラフィックスカードのデモ
太陽電池充電を行なうノートパソコンのコンセプトモデル 小型太陽電池を貼り付けた携帯型デジタル家電のコンセプトモデル。携帯機器の補助的な充電手段としては案外効果的かもしれない
太陽電池充電を行なうノートパソコンのコンセプトモデル(左写真右側)と、小型太陽電池を貼り付けた携帯型デジタル家電のコンセプトモデル(右写真)。携帯機器の補助的な充電手段としては案外効果的かもしれない

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