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松下電器、同社初のデジタル一眼レフカメラ『DMC-L1』を発売

2006年06月21日 21時49分更新

文● 小林伸

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松下電器産業(株)は21日、同社初となるデジタル一眼レフカメラ『LUMIX DMC-L1』を正式発表した。価格はオープンプライスで、想定実売価格は『ライカ D VARIO-ELMARIT(バリオ・エルマリート) 14-50mm/F2.8-3.5ASPHレンズ』とのセットで25万円前後。7月22日に発売する。本体、もしくはレンズのみの単体販売は行なわない。月産台数は3000台としている。

DMC-L1
同社初のデジタル一眼レフカメラ『LUMIX DMC-L1』
本体前面 SSWF
レンズの大きさが際立つ本体前面2.5インチの液晶パネルを搭載する本体背面
本体左側面 本体右側面
SDメモリーカードスロットは左側面に搭載するレンズの絞り調整ダイヤルは手動で操作する

ライブビューを生かす2つの機能

DMC-L1のプロトタイプは、国内外の展示会で公開済み。主要なスペックに関しても発表されていた。

見どころのひとつは交換レンズで、独ライカカメラ社と協業し、“ライカD”ブランドのデジタル専用ズームレンズを新開発した。光学式手ぶれ補正機構(MEGA O.I.S)を内蔵し、全域29cm(最大0.32倍)のマクロ撮影にも対応。35mm換算で28~100mm相当の画角を持つ。広角端を利用した風景撮影、100mm相当の中望遠域での人物撮影、植物の接写などさまざまなシチュエーションに対応できるレンズである。また、レンズマウントにはオープンフォーマットの“フォーサーズシステム(Four Thirds System)”を採用、すでに数多く発売されている交換レンズの流用が可能なのも特長だ。

交換レンズ
フォーサーズシステム採用で幅広いラインアップの交換レンズが選べる

採用した撮像素子“LiveMOSセンサー”は、CCD並みに広い受光部面積率(1画素あたり50%)と、CMOSイメージセンサー並の低電圧駆動(5V)を実現。高感度とS/N比の高さが売りだ。LiveMOSセンサーの前面には、付着したホコリを毎秒3万回の超音波振動で取り払う“スーパーソニックウェーブフィルター”(SSWF)も装備する。

センサー SSWF
LiveMOSセンサーとレンズマウント部センサーに対して垂直に超音波振動を加え、ホコリを払う“スーパーソニックウェーブフィルター”

撮像素子が捉えた映像を、背面の液晶ディスプレーにスルー表示する“ライブビュー”機能も搭載する。マニュアルフォーカス時に画像を10倍まで拡大して精密なピント合わせを行なったり、被写界深度を確認するための“絞り込みプレビュー”といった機能も利用できる(絞り込みプレビュー時はゲインアップで、液晶画面の明るさを維持)。液晶パネルは、固定式の2.5インチTFTタイプ(20万7000画素)となる。

ライブビューライブビューで背面に映像を表示させながら撮影できる

アナログカメラを思い出させる操作系

本体はマグネシウム合金製で、手動のシャッタースピードダイヤルを装備するなど、アナログカメラライクな操作感を重視した。初心者向けというよりは、ハイアマチュアをターゲットにした製品になっている。露出補正は1/3EV刻みで細かく調整できる。基本的に機能ボタン+ダイヤルによるダイレクトセットの操作系で、ISO感度、ホワイトバランス設定用のボタンも本体背面左に独立させている。また、上部には2つのファンクションボタン(Func.1、Func.2)を装備し、カスタム設定できるようにした。

シャッタースピード
シャッター速度をダイヤルで設定可能

本体上部の内蔵ストロボは、DMC-LC1と同様に2段階の照射角が選べる。ストロボを上部に向けることで、バウンス撮影も可能。フィルムモードを搭載し、代表的なフィルムのエッセンスを凝縮したカラー4種類/モノクロ3種類(+カスタム2種類)の色設定もメニューから選べる。

ストロボ バウンス撮影
本体上部にあるストロボ。背面のボタンで出てくる仕組みだストロボを上に向けることで天井に光を反射させ、自然な感じに撮影できる(バウンス撮影)

記録メディアはSDメモリーカードで、6月に発表された4GB(SDHC規格)のメディアにも対応する。

本体サイズは幅約145.8×奥行き約80×高さ約86.9mmで、重量は約530g。レンズの重量は約490gで、メモリーカード、バッテリーを含めた総重量は約1098g。バッテリーは専用のリチウムイオン充電池(型番:DMW-BL14)で、セット販売のライカDレンズを使用した時のバッテリー寿命は約450枚(CIPA測定基準)。他社製品に比べるとバッテリーの持ちが劣るが、これはレンズ内にMEGA O.I.S.制御用のヴィーナスエンジンPLUSを搭載するためだという。



パナソニックは「デジタル一眼レフのあるべき姿を追い求め続ける」

本日都内で行なわれた製品発表会には、松下電器産業専務役員で、パナソニックマーケティング本部 本部長の牛丸俊三(うしまる しゅんぞう)氏、パナソニックAVCネットワークス社DSCビジネスユニット長の吉田守(よしだまもる)氏などが出席した。

牛丸氏は「銀塩一眼レフを凌駕する描写力はもちろん、カメラを操る喜び、持つ喜びを追求した」、「この新製品にものの本質を知るみなさまへお届けするという思いを込めた」などのコメントを残した。

牛丸氏 吉田氏
パナソニックマーケティング本部 本部長の牛丸俊三氏パナソニックAVCネットワークス社ビジネスユニット長の吉田守氏

4本のレンズを発売予定

今後、2006年末から2007年初頭を目標にライカブランドのレンズとして、『14~150mmF3.5~5.6 OISズームレンズ』と『25mmF1.4単焦点レンズ』を予定している。それ以降では、ライカブランドの『50~150mmF3.5~5.6 OISズームレンズ』とLUMIXブランドで『45mmF2.0 OISマクロレンズ』の開発が予定されている。

レンズ
一番下の45mm F2.0 OISマクロレンズのみLUMIXブランドとなるが、同社によると本数を伸ばすことを考えた廉価版という位置付けではなく、ライカブランドと同様な価値を持たせたプレミアム路線をとるレンズ、とのことだ

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