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オーディオテクニカ、同社初のNCヘッドホンやカナル型最上位機種などを発表

2006年10月05日 21時25分更新

文● 編集部 小林久

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オーディオテクニカ(株)は5日、カナル型ヘッドホンの最上位機種『ATH-CK9』、ノイズキャンセル機能を搭載した密閉型ヘッドホン『ATH-ANC7』などヘッドホン4製品を発表した。11月24日から順次発売する。

百人百耳
会場に飾られていた“百人百耳”のオブジェ。従業員の耳型100人分が実際に取られ、展示されていた


表現に繊細さが加わった『ATH-CK9』

ATH-CK9
カナル型ヘッドホンの最上位機種『ATH-CK9』

ATH-CK9は、すでに4モデルが販売されているカナル型ヘッドホンの最上位機種。従来製品では、ダイナミック型のドライバーユニットが用いられていたが、今回からバランスド・アーマチュア型が使用されている。

この方式のドライバーは、米シュアー(Shure)社の上位ヘッドホンなどでも用いられているもので、ダイナミック型に比べて、より繊細でスピーディーな表現が可能。ただし、パワー感や帯域に関しては若干不利となる。シュアーの製品では、帯域を稼ぐために、高音用と中低音用のユニットを分けているものもあるが、オーディオテクニカは、先端部分の加工を工夫することで、シングルドライバーでも広い帯域表現を可能にしたという。会場では試聴もできたが、芯のある低域の表現が魅力的だった。

手に持ったところ
手に持ったところ

装着感に関しても配慮。耳の奥にねじ込みやすくするために、導管の向きを約30度傾けたほか、イヤホンの装着方法も“上向き”(ケーブルを耳に後ろ掛ける方法)と“下向き”(ケーブルをそのまま下に落とす方法)の2種類を選べるようにした。イヤーピースは、弾力性の高いシリコンラバー製とした。3種類のサイズのピースが付属する。

2種類の装着方法に対応
2種類の装着方法に対応耳に入れやすくするため、導管の向きを30度傾けた

インピーダンスは30Ωで、感度は104dB/mW。最大入力は3mW。ケーブル長は1.2m(Y型)。重量は5g。発売は11月24日。価格は2万2050円。色はブラックとホワイトが選べる。



密閉型ノイズキャンセルヘッドホン『ATH-ANC7』

ATH-ANC7ノイズキャンセリングヘッドホンの『ATH-ANC7』

ATH-ANC7は、周囲の雑音を約-22dB低減できる同社初の密閉型ノイズキャンセリングヘッドホン。単4乾電池1本で動作し、アルカリ電池を利用した場合、約38時間利用できる。周囲の雑音をマイクで集め、再生音にその逆位相の信号を載せる仕組みは他社製品と基本的に同等だが、「音質やデザイン、装着感などにこだわった」という。

ドライバーユニットは直径40mmのダイナミック型で、ノイズキャンセリングの動作を行なうのに相応のレスポンスを実現できるよう専用設計したという。入力ケーブルは脱着可能で、ヘッドホン本体もフラットな形状に折りたためるなど携帯性にもこだわった。また、飛行機の二股プラグ対応のアダプターも付属する。

ハウジング部分ハウジング部分。雑音を収集するためのマイクが装備されている

発売は1月下旬を予定しており、価格はオープンプライス。スペックの詳細に関しては未定。



片耳モニターに対応した中型ヘッドホン『ATH-SJ5』と『ATH-SJ3』

『ATH-SJ5』と『ATH-SJ3』
『ATH-SJ5』(左)と『ATH-SJ3』(右)。

ATH-SJ5/SJ3は、ともに直径40mmの高耐入力ドライバーユニットを採用した密閉型ヘッドホン(ダイナミック型)。折りたたみに対応するほか、ハウジング部分を180度反転させて、耳の片側に当てることもできる(いわゆる“片耳モニター”)。上位のSJ5では、振動系が軽量になり、高域の伸びや低域のハギレに優れる、CCAW(銅被覆アルミニウム)ボイスコイルを使用している。SJ3との比較では、中高域の鮮度に差が出るという。

インピーダンスは、ともに32Ωで、感度は108dB(ATH-SJ5)/114dB(ATH-SJ3)。再生周波数帯域は、ATH-SJ5が8Hz~25kHz、ATH-SJ3が10Hz~23kHz。ケーブルの長さは1.2m。重量は140g/135g。

ATH-SJ5のハウジング
ATH-SJ5のハウジング部分。高級感がある

発売は11月24日で、価格は5250円(SJ5)/4200(SJ3)。色はSJ5がブラックとシルバー、SJ3がホワイトとブラックが選べる。



40周年記念アクセサリーも登場
トリノのカーリングを支えた同社の技術も紹介

MCカートリッジの『AT33ANV』
MCカートリッジの『AT33ANV』。1000台限定発売MCトランスの『AT5000T』。昇圧トランスの製品化は実に20年ぶり

オーディオテクニカは来年4月で45周年を迎えるが、それを記念したアナログプレーヤーのMC型カートリッジ『AT33ANV』(5万2500円、11月24日発売)、MCトランス『AT5000T』(34万6500円、11月24日発売)などを含む、アクセサリー4製品も発売される。カートリッジに関しては4年ぶり、MCトランスに関しては実に20年ぶりの新製品。アナログプレーヤー用のアクセサリーは、同社の原点とも言うべき製品カテゴリー。団塊世代の引退による特需も視野に入れながら、若手の技術者を投入しながら開発したものだという。

松下和男代表取締役社長

なお、本日オーディオテクニカの本社で行なわれた発表会には、代表取締役社長の松下和雄(まつした かずお)氏が出席。主力のマイクに加え、DVDのピックアップ、ヘッドホン製品などが好調である点が紹介された。同社では年率7~8%の売上げ増により、2009年3月期に300億円の売上げを目指すという。

今年2月に開催されたトリノ五輪のカーリング競技が記憶に残っている人がいるはず。選手とコーチがワイヤレスマイクを身につけ、作戦会議の様子などが、臨場感よく伝えられた。実はここで使われたのがオーディオテクニカのワイヤレスマイクだったという

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