このページの本文へ

「iモードは速くてとても気に入っている」――米Googleのラリー・ページCEO

2001年02月28日 21時19分更新

文● 編集部 佐々木千之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

27日に開催されたITベンチャーのイベント“DEMO Japan 2001”に出席するため来日した、検索エンジン“Google”を運営する米Google社の共同設立者兼CEOのラリー・ページ(Larry Page)氏は28日、プレス関係者を集めてiモード向け検索サービスや日本における検索サービス事業の説明を行なった。

Google共同設立者兼CEOのラリー・ページ氏
Google共同設立者兼CEOのラリー・ページ氏

Google社はベンチャーキャピタルからの出資を受け、スタンフォード大学博士課程候補生だったラリー・ページ氏とサージー・ブリン(Sergey Brin)氏が共同で'98年9月にカリフォルニア州マウンテンビューに設立した。200人以上の社員のうち、40人以上が博士号を持っているという。社名で検索エンジンの名前でもある“Google”(グーグル)は10の100乗で表わされる数のことで、“世界中の膨大な情報にアクセスしてまとめ、ウェブ検索エンジンの最高のものを提供する”という同社の理念を反映している。

13億ページのウェブを1秒以下で検索可能

Googleの検索エンジンを使って毎日7000万件の検索が行なわれており、そのうちの3000万件は検索サイト“Google.com”上で検索されている。残りの4000万件は世界30ヵ国で120社以上というパートナー企業(※1)のサイトを通じて行なわれている。また、全体の検索数は毎月20%という高率で増加しているという。さらに、Google.com上で行なわれる1日3000万件の検索のうち、半分は米国以外(※2)からのものだという。国別の検索クエリー数で見ると、「米国についでドイツ、日本の順だが、(2000年9月に正式対応した)日本からのアクセスの増加率は非常に高く、近いうちにドイツを抜いて2位になるだろう」(ページ氏)としている。

※1 代表的なパートナーとしては、米ヤフー!社、米パーム社(Palmハンドヘルド向けポータルサービス“MyPalm”で利用)、米シスコシステムズ社などがある。日本では2000年12月に、日本電気(株)が“BIGLOBE”の検索サービスとしてGoogleとパートナー契約を結んでいる。

※2 Googleの検索サービスは、現在15ヵ国語で提供されているが、検索サイトはすべてGoogle.comで行なわれる。

ページ氏とクレイン氏
ラリー・ページ氏(右)と、Google広報担当マネージャーのデビッド・クレイン(David Krane)氏(右)

Googleは現在13億ページのURLのインデックスを持っているが、これは世界最大の検索エンジンであるという。そして、毎日ロボット(※3)を使った探索を行なっており、毎月600万ページの割合で増加しているという。

※3 検索エンジンのインデックスを作るために、ウェブページにアクセスして内容を収集するプログラム。

だれでもGoogleに広告が出せる

同社の検索サービスサイトGoogle.comは、ほかの検索サービスサイトと違っていわゆる“バナー広告”がない。これはGoogleが収入をGoogleを検索エンジンとして自社のウェブサイトで利用する企業からの収益と、検索結果を表示するページの一番上と右側に表示するテキストで構成される広告による収益から得ているため。ページ氏によるとこのテキストベースの広告は「ユーザーが検索した内容と関連のある広告を表示するため、平均的なバナー広告の4倍もクリックされる」という。また、このテキストベース広告のうち、検索結果の右側に表示されるものは、クレジットカードさえ持っていればGoogle.comから直接申し込むことができるため、小さな企業でもGoogle.comに広告を出せるという。ただし、広告を出しても、その企業のウェブページが検索の上位にくるような検索結果の操作は決して行なわないとしている。なお、現在このテキストベース広告は日本向けには提供されていないが、まもなく開始されるという。

ユーザーの検索クエリーに対しては1秒以下で結果が得られるようにしており、現在は150台のLinuxコンピューターが稼働中であるという。このレスポンスの良さは、非営利の第三者機関による調査でもサーチエンジン中1位となっているという。

日本法人を第3四半期に設立

Googleは27日付で、iモード携帯電話を使ったウェブ検索サービスを開始した。同社は、さまざまなモバイルデバイスでGoogleが利用できるように開発を進めており、iモード以外にWAP対応携帯電話、Palmハンドヘルド、双方向ページャーで検索できるという。ただし、携帯電話を使ったアクセスについては「米国ではWAPを使ってアクセスしているが、反応が遅い。それに比べると日本のiモードは速くてディスプレーの解像度も高く快適。とても気に入っている」(ページ氏)とコメントしている。ページ氏は今回の来日でiモードに触れたわけだが、実際に所有したがっているのだという。iモード以外のEZwebやJ-Phone向けサービスについても「ユーザーが1万以上いるデバイスについては対応していく方針だ。日本は携帯電話を使ったワイヤレスアクセスにおいては最先端を走っており、日本でいろいろテストを行ないたい」という。

iモードでアクセスしたGoogleのトップ画面iモードでアクセスしたGoogleのトップ画面

Googleは日本市場での業務拡大と、ワイヤレス環境のリサーチを目的として、今年の第3四半期に海外では初めての法人を東京に設立するという。日本ではこれから、次世代携帯電話“FOMA”や、ワイヤレス通信機能を持ったPalmハンドヘルドなど、多様なワイヤレス通信デバイスが登場する。同社は日本をワイヤレスアクセスの試験場として利用し、これから世界に波及するワイヤレスデバイスで利用される検索エンジンのデファクトスタンダードを目指す構えだ。

iモードでの検索結果表示例iモードでの検索結果表示例

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン