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石井竜也氏プロデュースのT-NOTEが予約完売状態で完成――次にデザインしたいのはロボット!

2001年03月29日 20時16分更新

文● 千葉英寿

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(株)ビッグショットは、本日、アーティストの石井竜也氏プロデュースによる初のオリジナルノートパソコン『T-NOTE』(27万8800円)の完成披露発表会を行なった。

T-NOTE
T-NOTE。形はBIBLOそのものだが、黒のツヤあり塗装とエンブレム(蓋外側)があるだけで、まったくの別物になっている

T-NOTEは富士通(株)の協力を得て、FMV BIBLOをベースとしたピアノのようなブラック塗装を特徴としたB5ファイルサイズのノートパソコン。同社ではこのT-NOTEを1000台限定生産し、2月初旬より先着予約受付を行なっていたもの。実質的には本日、発売という形となったT-NOTEだが、同社の発表によれば、すでにほぼ完売状態だが、若干数、残っているということだ。

完成披露発表会には石井竜也氏本人が登場し、記者発表を行なうとともに、すでに予約購入したおよそ100名のユーザーに対して直接手渡しするという異例の内容となった。

T-NOTEとのツーショット撮影T-NOTEとのツーショット撮影では、エンタテイナーぶりを発揮してくれた石井氏

臙脂(えんじ)色のレザースーツという出で立ちで登壇した石井氏は、開口一番「頭の中でしか存在しなかったものが、こうして現実に目の前にあることが本当にうれしいです」と語った。

同製品はアーティストがプロデュースするという一種、企画商品的な扱いにされがちな性格を持つ製品でありながら、石井氏の明確なコンセプトと富士通技術陣の真摯な開発姿勢により、BIBLOをまったく新しい製品として、より高次元な状態で生まれ変わらせることに成功している。すなわち、従来のノートPCにはなかった“光沢感のある、ピアノのようなブラック塗装”を特徴としていることであり、石井氏曰く「“ツヤあり”は業界的にはタブーだったそうですが、遊び人の僕としては、タブーだからこそやってみたかった」としている。

製品の機能やスペックに関しては、ほぼ既存製品と同等ということになるが、「パソコンの性能はほぼ完成の域に達しており、いまやデザインにユーザーの関心が移ってきていると思う」という石井氏の言葉通りに、より素材感やデザインに注力されている。

「パソコンは決して安い買い物ではないので、購入できる大人にあったデザインにしたかった」とも語り、ことあるごとに付属するという専用クロスで拭くパフォーマンスを見せてくれた。

女性の白い指がピアノを弾くイメージを

石井氏がパソコンを使いはじめたのは、映画『アクリ』を制作する際に、ロケ地のオーストラリアとのシナリオのやりとりなどで必要になったためだったという。その後は、ステージのデザインや文字関係のデザインなどで使うことが多く、ヘヴィな“マッカー”(Macユーザー)としてよく知られていたが、「そろそろWindowsも使えなければなと思って、いろいろと物色していたんですが、“銀パソ”ばかりで。大人には買えないガキのデザインばかりで、これは持てねぇ、と思っていました。そこにこのお話があって、『俺、いい加減頭にきてたんですよ。すぐにやりましょう』ということなったんです」と発想の経緯を語った。

どういうシチュエーションでの活用を想定しているか、との質問に「会議でのプレゼンでT-NOTEを使ってもらえれば、話題作りになるんじゃないかな。やはり女性の白い指で操作する感じが、ピアノを弾いているように見えるんですよね」と石井氏のファンのほとんどを占める女性ユーザー(実際、招待された購入者はほぼ全員女性だった)にアピールしていた。

どういう鞄やケースに入れて持ち歩いてますか? との質問に「専用のケースをデザインしたいと考えてます。バックスキンとがあうかな」と語った。

引き続き、昨年、T-NOTEのプロトタイプマシンとともに南米取材を慣行したというTBSラジオの中村尚登キャスターが登場し、石井氏と軽妙なトークセッションを行なった。

TBS中村キャスターと息のあったトークの様子
TBS中村キャスターと息のあったトークを繰り広げた

中村氏は、以前、氏の担当番組『ニュースプラザ』に石井氏が出演してT-NOTEの話を聞いた当時には黒いツヤありパソコンはなかったが、その後「他のメーカーから次々と黒が出てきたことに驚いている」と語った。また、中村氏は南米取材の際に向かう機中やJFケネディ空港でのトランジットの際にT-NOTEがとても目を引き、質問されまくったというエピソードや非常に使い勝手がよく、道中、大いに活躍してくれたと語った。

石井氏はT-NOTE以前にはバイクのデザインも手がけているが、そこに話が及ぶと「次にデザインしたいのは?」という中村氏の問いかけに対し「ロボットをデザインしたいですね。今度は真っ黒とかではなく、“ノスタルジック・フューチャー”をテーマに、ヨロイをモチーフにした赤銅色(しゃくどういろ)のロボットを考えています」と語った。

この話が実現するかどうかはまた別の話としても、とどまることを知らない石井氏のユニークな発想に中村氏も舌を巻いていた。

なんと発表会終了後は、購入者=ファンとの記念撮影
なんと発表会終了後は、購入者=ファンとの記念撮影も行なわれ、ファンにとっては忘れられない日となった

発表会終了後には購入者と石井氏との記念撮影会があり、購入者は帰り際に購入したT-NOTEを持ち帰るという、異例ずくめの発表会となった。

一番にT-NOTEを手に入れた花輪さん一番にT-NOTEを手に入れた花輪さん。10年来のMacユーザーとのことだが、『ほとんど義務のようにT-NOTE購入を決めました(笑)」とのこと。このためはじめてWindowsを手にし、PowerBook G4の購入は当然無しになったが、黒のツヤありの箱を手にご満悦の様子だった

製品に関する問い合わせ:T-NOTE事務局 TEL.03-3794-7821

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