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トランスウェア、ノルウェーのOpera SoftwareのCEOを招いて『Opera日本語版』に関する記者会見を開催


2002年2月26日

速度とスタンダードのサポートがポイント

記者会見後ASCII24では、フォン・テツナー氏に対して報道関係者による共同インタビューの機会を得た。Operaの速さの理由や、互換性に対する考え方などをうかがった。

[プレス] 日本市場への進出の理由は? また、日本語版への対応が遅かったようにも思えるが?

[フォン・テツナーCEO] 日本にはコンシューマー向け製品を手がける、ユーザーベースの大きな企業が多く、非常に重要な市場だ。そういう意味でどうしても日本語バージョンを出したいと考えていたのだが、Windows 98の2バイトコードのサポートが十分でなかったために、Windows 98でUnicodeをサポートするのに開発パワーを取られてしまった。
日本市場は、Opera Softwareにとって、まったく新しい市場への参入ということで、マーケットをよく知っている企業と提携するのがよいと考えて、トランスウェアと提携した。Active! Mailなどとのバンドル戦略も含めて協力していきたいと考えている。市場としては、教育機関などがターゲットであると考えている。教育機関ではさまざまなプラットフォームがあるが、Operaならばこれらのプラットフォーム向けに、同じクオリティーのウェブブラウザーを提供できる。これはユーザーにとっても管理者にとっても大きなメリットだ。

インタビューに答えるフォン・テツナー氏。非常に真摯な態度で質問に答えてくれた
インタビューに答えるフォン・テツナー氏。非常に真摯な態度で質問に答えてくれた

[プレス] Operaは“史上最速のブラウザー”と謳っているが、なぜ速いのか?

[フォン・テツナーCEO] Internet ExplorerはActiveXなどのコンポーネントをそのまま利用する形になっているが、これらのコンポーネントはウェブブラウジングするユーザー向けに最適化してあるものではない。さまざまなコンポーネントが別々のユーザーを対象としており、コンフリクトする部分もある。Operaでは、速度を最優先としてコードを書いている。
また、パソコンの性能は向上しており、ほかのブラウザーはスピードに対してそれほど注意を払わなくなっている。Operaは開発にあたって、非常に遅いマシンでもテストするなど、常に速度に対して注意しながら開発している。Operaは私が(ノルウェーの通信会社である)Telenor社にいたときに始めたプロジェクトだが、当時から“スクラップアンドビルド”を繰り返して速度を追求していた。

[プレス] 携帯電話でのウェブブラウジングについてどう思うか?

[フォン・テツナーCEO] ヨーロッパではWAPが成功しなかったが、これはインターネットとしての機能が限定されていたことが原因だと考えている。日本の携帯電話市場は(限定された機能のiモードが成功している)非常に特殊な市場に思える。我々は英シンビアンとの提携を通じて、次世代の携帯電話に高機能なブラウザーを提供していきたい。Windowsパソコンとほぼ同等のブラウジング機能が、そのほかのプラットフォームでも利用できるようにしていくのが目標だ。

Opera Softwareが目指す非マイクロソフトプラットフォームの1つ、PDA市場。2002年以内にOperaを搭載したPDAとWebpadを合計100万台出荷するという
Opera Softwareが目指す非マイクロソフトプラットフォームの1つ、PDA市場。2002年以内にOperaを搭載したPDAとWebpadを合計100万台出荷するという
セットトップボックス市場も、Opera Softwareが期待を寄せる非マイクロソフトプラットフォーム。2005年までにセットトップボックス市場の30〜50%のシェアを取りたいとしている
セットトップボックス市場も、Opera Softwareが期待を寄せる非マイクロソフトプラットフォーム。2005年までにセットトップボックス市場の30〜50%のシェアを取りたいとしている

[プレス] 各プラットフォーム向けに、1種類のブラウザーエンジンを使っているということだが、携帯電話向けなどでは厳しいのではないか?

[フォン・テツナーCEO] 例えば開発中のシンビアン向けバージョンでは、プログラムサイズは1.5MBで、4MBのフリーメモリーがあれば動作するようになっている。また、シャープ(株)がアメリカで発売した、英語版のLinux搭載Zaurusに搭載されているOpera 5.0は2MB以下のメモリーで動作する。利用できるメモリーが減れば、正しく表示できないウェブページも出てくるが、基本的にはデバイス側の要求に従って対応できる。
Operaの対応プラットフォームを増やすごとに、ブラウザーエンジン自体は洗練されたものになってきており、今後もプラットフォームから独立したブラウザーエンジンという戦略を続けていくつもりだ。

携帯電話/スマートフォン向けでは、若干ほかの市場に比べて遅れるものの、Operaの市場機会は拡大すると予想している。図中にある“Palm”は米パーム社ではなく、韓国のPalmPalm社という別の会社とのこと
携帯電話/スマートフォン向けでは、若干ほかの市場に比べて遅れるものの、Operaの市場機会は拡大すると予想している。図中にある“Palm”は米パーム社ではなく、韓国のPalmPalm社という別の会社とのこと
カメラにポーズを取るフォン・テツナー氏。左手に持っているのがOperaを搭載した英語版Zaurus
カメラにポーズを取るフォン・テツナー氏。左手に持っているのがOperaを搭載した英語版Zaurus

[プレス] Internet Explorerではさまざまなセキュリティーホールが発見されているが、Operaは安全か?

[フォン・テツナーCEO] Operaを開発する上でセキュリティーに注意しているのはもちろんだが、現実問題としてInternet Explorerに発見されるセキュリティーホールのほとんどはOperaにはない。ただ、Internet Explorerで表示したのと同じように表示をしようとして、Internet Explorerとの互換性を高めていくとセキュリティーホールの危険性が増す。これまでOperaで見つかったセキュリティーホールの9割はInternet Explorerとの互換性を取ったために生じたものだ。もちろん、セキュリティーホールが明らかになった場合は速やかに修正したバージョンをリリースしている。

[プレス] Internet Explorerとの互換性はまだ重視していくのか?

[フォン・テツナーCEO] “スタンダード”には、本当のスタンダード(標準)とデファクトスタンダードの2通りがある。本当のスタンダードについては、これまで通り最大限のサポートを行なっていく。デファクトスタンダード(Internet Explorer)については、できる限りサポートしていく考えだ。例えば、HTMLが間違っているが、Internet Explorerでは表示できるというものについては、Internet Explorerと同じ表示になるようにする。HTMLが正しく書かれている場合は、Internet Explorerの表示にかかわらず、正しい表示をするようにしていく。
ActiveXのようなWindowsプラットフォームのみで提供されるようなものについては、サポートはしない。ただし、今後も新しいウェブ技術については積極的にサポートしていく。その姿勢は変わらない。W3Cのスタンダードが最優先で、デファクトスタンダードはその次だ。

[プレス] 事実として、Internet Explorerが大きなシェアを持っているわけだが、なにか対抗策はあるのか?

[フォン・テツナーCEO] ウェブブラウザー市場におけるシェアは、ドイツで3%、ロシアで6%あり、徐々に伸びてきている。基本的にはLinuxなど、非マイクロソフトOSへ力を入れていくつもりだ。また、これまでInternet Explorerを配布していたISPが、Internet ExplorerにはHotMailというウェブサービスや、MSNといったポータルサイトがあり、自社のサービスに対して脅威になるということにやっと気づいて、Internet Explorerからブラウザーを乗り換えるといった動きも見られる。まだ詳しくは言えないが、パソコンへのバンドルという話もある。

(編集部 佐々木千之)


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