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オープンなテクノロジーに基づくSun ONEこそが勝ち残る──米サンのマクニーリ会長来日記者会見


2002年3月7日

サン・マイクロシステムズ(株)は7日、米サン・マイクロシステムズ社のスコット・マクニーリ(Scott McNealy)会長兼CEOの来日記者会見を開催した。マクニーリ氏は他社をいつもの毒舌で攻撃しつつ、サンのウェブベースのネットワークサービス構想“Sun ONE(サン ワン)”(※1)の優位性をアピールした。

※1 Sun ONE(Sun Open Net Environment):JavaやXML、SOAPといったインターネットスタンダード技術を使い、インターネット上の情報を、さまざまな端末から誰でもが利用できるようにするサービスを実現するための製品やアーキテクチャー、ビジョンなどの総称。

米サン・マイクロシステムズのスコット・マクニーリ会長兼CEO
米サン・マイクロシステムズのスコット・マクニーリ会長兼CEO

“Microsoft .NET”対“Sun ONE”

マクニーリ氏は「かつてはデベロッパーのコミュニティーが、コンピューターメーカーごと、コンピューターシステムごとに何十もあったが、シェアを失い消えていき、現在は2つにまで統合されてしまった。その2つにはおそらく300万人ぐらいずつのデベロッパーコミュニティーがあるだろう。その2つとは、“Microsoft .NET”と“Sun ONE”だ」と述べて、Microsoft .NET対Sun ONEの比較から語り始めた。

曰く「Sun ONEはすべてオープンな技術・インターフェースからなり、.NETはマイクロソフトの独占的な技術・インターフェースを持っている。Sun ONEは64bitだが、.NETは32bitだ。Sun ONEは顧客が自分でコミュニティーを作るのを助けるが、.NET(マイクロソフト)はそれを顧客から取り上げPassportという形でハイジャックしようとする。Sunは共有(Share)し、Microsoftは盗む(Steal)。これが基本的な2つのアーキテクチャーの違い。つまり、人類とマイクロソフトの戦いなのだ」と容赦ない。

「Sun ONEはネットワークに対してプラグインでき、あらゆるプラットフォームを統合できる。オープンスタンダードを利用するので、数ある中から最高のものを使用できる。しかし、Microsoft .NETではマイクロソフトのものを使わなくてはならない。溶接でもされたようにマイクロソフトは自分たちの世界に閉じこめてしまうのだ」

「Sun ONEのコミュニティーの成長率はMicrosoft .NETのものよりも高い伸びとなっており、マイクロソフトは一生懸命戦っているが破れつつある」

Java for SmartCardが実装された、認証機能付きSmartCardを見せるマクニーリ氏
Java for SmartCardが実装された、認証機能付きSmartCardを見せるマクニーリ氏。氏の瞳の情報など、個人のバイオメトリックス情報が登録されているという

また米IBM社の同様のサービス統合構想に対し「IBMは“IBM Global Service”というサービスを展開しようとしているが、IBM Global Serviceでは統合はできない。IBMは自分たちの会社の中のものしか提供しない」という。

「人類対IBM Global Service、人類対.NETの戦いにおいて、サンは反乱軍のリーダーとなって戦っていきたいと考えている」

SunOneはすべてのプラットフォームに実装可能

マクニーリ氏はスピーチの締めくくりとして、自身の手書きのサンのネットワーク戦略図を示しながら、Sun ONEの位置づけやサンが提供するそのほかのコンポーネントを説明した。

マクニーリ氏直筆の、同社製品の関係を表わす説明図
マクニーリ氏直筆の、同社製品の関係を表わす説明図。余談になるが「Windowsに触らなければ作業効率は5倍になる」というマクニーリ氏だけに、PowerPointを使いたくなかったのだろうが、それならLinux+StarOfficeまたはNetscape Navigatorあたりでプレゼンテーションしてほしかったところだ

それによるとSun ONEは、Solaris、Linux、Windowsなどすべてのプラットフォームに実装可能なコンテンツを作り込むための開発環境であり、ソフトウェア開発者は、SolarisやLinux、WindowsといったOSに対してでなく、今後はSun ONEに対して開発していくべきだという。サンの提供する製品においては、バーチカルな拡張性を持つSolarisサーバー、ホリゾンタルな拡張性を持つ『Netra』やブレードサーバー、『Cobalt』などのLinuxサーバー、さまざまなサイズのストレージといったものを統合し、ウェブベースのインターフェースによってユーザーが利用可能にするという。また、それらサーバー/ストレージ製品を管理するシステムアドミニストレーター側にも、さまざまなプラットフォームや製品、サービスを統合管理できる単一のダッシュボードを提供するとしている。Sun ONEにおいては、個々のOSは問題ではなく、仮想化して管理するため、例えば「Linuxは無償の煉瓦、無償のビルディングコンポーネントであると考えている」と述べた。

HPとコンパックの合併は朗報

マクニーリ氏のスピーチ後は、質疑応答の時間に当てられた。以下、いくつかを紹介する。

[記者] 米ヒューレット・パッカード社と米コンパックコンピュータ社が合併すれば、UNIXサーバーにおいてシェア3割を超える企業となり、サンにとっても脅威なのではないか?

[マクニーリ氏] 「ヒューレット・パッカードとコンパックは合併と言うより衝突だと思っている。彼らの戦略はUNIXからインテル・マイクロソフトプラットフォームへ移行させることと宣言している。顧客はHP-UX、Tru64UNIXからWindowsに移行するか、Solarisに移行するかを迫られることになる。あるいはLinuxを選ぶかもしれない。Windowsでは32bitに戻ることになり考えられない。従ってサンは両社の顧客を一番簡単に移行させることができる。2社の合併はサンにとって朗報といえる。買収金額に10億ドル(約1300億円)足してあげるよ」

[記者] 研究開発費に20億ドル(約2600億円)を投資しているが、これは売り上げの16%にもなり、大きすぎるのではないか?

[マクニーリ氏] 「サンは製品を作っている企業であり、研究開発費はあまり変動させるべきでないと考えている。ここ数年間は年間20億ドルほど使っている。6月に締める四半期以降は経済が上向きになるので売り上げも回復する。2002年では売り上げの12〜3%ぐらいになるのではないか」

[記者] IBMが大幅に業績を伸ばしているようだが?

[マクニーリ氏] 「IBMのここ10年間の年平均成長率は3%であり、これはインフレ率と同じ。つまり、ここ10年間はまったくの横ばいと言える。サービス部門が大幅に売り上げを伸ばしたことは事実だが、ハードウェアの売り上げは逆に下がったわけだ。一方、サンのここ10年間のハードウェア売り上げは大幅に増加した。今後10年もそうありたいと思っている」

“Network is computer”から“We make the net work”へとキャッチフレーズが変更となった
“Network is computer”から“We make the net work”へとキャッチフレーズが変更となった。ネットワークインフラとして多くのサーバーが使われているという自信の現れかもしれない

Linuxの普及によって、Solarisサーバーの売り上げが落ち、苦しくなってきているのではないかという声も聞くサンだが、マクニーリ氏は「サンも顧客の要望に応じてLinuxサーバーも売っている。Linuxの普及がSolarisにとって脅威にはならない」とまったく気にとめていない。長い間使ってきたキャッチフレーズ“Network is Computer”を、最近“We make the net work”と変えた同社は、SunONE構想を広く進め、これからのネットワークサービスインフラの覇権を賭、マイクロソフトと完全対決する姿勢を鮮明にしている。

(編集部 佐々木千之)


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