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トレジャー、DC版シューティングゲーム『斑鳩』を発売 ―― 「NAOMIからの完全移植が可能なDC版を作らないという選択はありえない」開発元インタビュー


2002年9月25日

(株)トレジャーは、同社のアーケード向けの縦スクロール型シューティングゲーム『斑鳩 IKARUGA』(以下、『斑鳩』)を家庭用ゲーム機『ドリームキャスト』(以下、DC)に移植、5日に発売した。価格は6800円。


『斑鳩 IKARUGA』のタイトル画面

画面を見ると、黒と白の敵弾が入り乱れて飛んでいるのがわかる。同属性の敵弾は吸収することができるが、反属性の敵弾はダメージを受け、ミスとなる
『斑鳩』は、古代大和文明的なテイストとSF的な近未来風世界観が融合したストーリーを持つ、縦スクロール型のシューティングゲーム。特徴的なゲームシステムは、自機および敵キャラクターに設けられた“白”および“黒”の属性。自機の属性はプレイヤーがゲーム中に自由に変更できるが、自機と反対の属性の敵キャラに対しては2倍のダメージを与えられるが、同属性の敵キャラを倒すと大量の弾を打ち返してくる。敵の撃ってくる弾にも属性があり、同属性の敵弾を吸収してパワーゲージ(貯めると、“力の解放”と呼ばれるホーミングレーザーが発射可能になる)を貯めることが可能だ。

今回発売になったDC版は、アーケード版の忠実な移植作品。プレイ画面として横画面(2タイプ、通常のテレビなど用)と縦画面(2タイプ、縦位置に設置できるモニター用)が用意され、DC版オリジナルのオマケ要素として、一定の条件を満たすことで出現する“隠し要素”(各ステージの練習モードやプロトタイプモードなど)が隠されている。

いわゆる“ゲームセンター”に行くとわかると思うが、対戦型格闘ゲームが大ブームとなって以来、アーケードゲーム機におけるシューティングゲームの比率は以前に比べるとずいぶんと低くなっている。特に、縦または横スクロールタイプの“昔ながら”のスタイルのシューティングゲームはなかなか見かけなかったりする。そんなご時世の中、多くのコアなシューティングゲーマーたちから高い評価を集めているのが、この『斑鳩』なのだ。

2001年12月に投入されたアーケード版の『斑鳩』は、'98年11月にセガが開発/発売した業務用の汎用CG基板『NAOMI』をプラットフォームとして採用。一般に『NAOMI』のゲームをドリームキャストに移植するのは比較的簡単と言われており、今回発売されたコンシューマー機向けの『斑鳩』がドリームキャストのタイトルだというのもこの点では頷けるところだ。今回は、「なぜ今ドリームキャストか?」というあたりを含め、開発元である(株)トレジャーの代表取締役社長、前川正人氏にお話をうかがった。


[編集部] ドリームキャスト本体の生産と出荷が終了しだいぶ時間がたちましたが、なぜこのタイミングにDC版を発売されたのでしょうか? PlayStation2(PS2)をはじめとして、新世代のゲーム機も広く定着しつつありますが、こちらでリリースというのもあり得るかとは思うのですが。



縦置きできるモニターが必要だが、アーケード版と同様の縦画面表示モードも用意されている。DC版の移植度の高さは絶品だ

[前川氏] NAOMIで制作したものですので、DCで出すのは自然な流れで、アーケードと寸分違わぬものが提供できるため、DCで発売しました。PS2も検討はしてみたのですが、ハードの特性上、完全移植が極めて難しいことから、今回は発売を見合わせました。
また、ゲーム自体がコアユーザー向けのカラーが強いので、ゲーム機の機種はどれを選択しても、販売本数はそれほど大きくは変わらないと考えました。目の肥えたコア層を狙うとなると、むしろアーケード版が完全に再現できるかどうかがキーとなりますので、それが可能なDCで販売しないという選択は、当初から全く考えられないことでした。

[編集部] NAOMIからDCへの移植は比較的簡単だと一般的に言われておりますが、『斑鳩』についてはいかがだったのでしょうか? また、DCというプラットフォームは開発者的には魅力の高いプラットフォームなのでしょうか?

[前川氏] おっしゃるとおり、NAOMIからDCへの移植は極めて簡単です。その恩恵は『斑鳩』でも十分に受けており、先ほどお話したとおり、寸分違わぬ移植が可能なほどです。また、DC版『斑鳩』向けに技術的な工夫を色々としている部分はもちろんありますが、DCの開発環境は非常に開発しやすいので、大きな問題はなく開発することが可能でした。

[編集部] 格闘ゲームブーム以降、ゲーセンでのシューティングゲームの地位はかつてに比べると低くなってしまった感がありますが、セールス的にはアーケード版『斑鳩』の人気ぶりはどのような印象だったのでしょうか? また、DC版に対する反響はいかがですか?

[前川氏] お陰さまで、アーケード版、DC版ともにご好評いただきまして、セールス的に見てもよい数字が出ております。巷では「もうシューティングゲームは売れない」という話をよく聞きますが、シューティングゲームファンは今でももちろん、確実に存在しているわけで、そこに向けて魅力的なタイトルを投入すれば、反響も大きくなります。逆に、シューティングゲームを作る会社は少なくなってきていますので、我が社のような小さな会社にも大きなチャンスがあると考えています。



[編集部] お恥ずかしい話なのですが、久々にシューティングゲームをプレイした私には、正直なところかなり難易度が高く、『斑鳩』特有の属性切り替えシステムなど、“とにかく大忙し”でした。最近市場で求められている、つまり人気を集めらるシューティングゲームはいずれもかなり高難度な製品が多い、という印象が非常に強く、初心者がちょっと遊ぶには非常にシビアなゲームが多いのですが、この『斑鳩』も、ターゲットとして考えているユーザーはやはりシューティングゲーム上級者ですか?

[前川氏] 今回、1面のみ自機数無制限というお試しモードを用意するなどして、中級者向けの配慮をしましたが、やはりコアのシューティングゲームファンに向けて制作しています。初心者までカバーしたゲームを作ろうと考えると、どうしても上級者にとっては歯ごたえを感じられないバランスになってしまいますので、裾野は少し広げたつもりではありますが、あくまで“上級者が満足できて、中級者も入り込める”レベルに落ち着かせました。

[編集部] DC版には、オマケとして隠し要素があるそうですが、それを出現させるための条件のヒントなどをお話いただけませんか?

[前川氏] 細かい出現条件に関しては「ナイショ」とさせていただきますが、長い時間遊んでいただいたり、完全攻略を目指していただければ、隠し要素は出現します。特に、“プロトタイプモード”は、通常モードを完全攻略した上級者の方にぜひプレイしていただきたいですね。

[編集部] 今後もDC用ソフトをリリースするご予定はありますか? また、斑鳩を他のプラットフォームにも移植を進めるご予定は?

[前川氏] 今のところは『斑鳩』以降はDCソフトの開発予定はありません。また、『斑鳩』はゲームキューブ(GC)での発売が予定されています。DCは海外販売が終了しているので、海外で販売するにはほかのハードを選択する必要がありますし、GCに関しては完全移植が可能なのです。

[編集部] 最後になりますが、縦スクロール型のシューティングゲームは、今後どういう方向に進化していくのでしょうか?

[前川氏] それは、各社さんで考え方がいろいろ違うと思いますが、我が社は『斑鳩』で示したように、一風変わったシステムを用いることによって他社製品とは違う方向性を模索していこうと思います。
このような状況でシューティングゲームを制作されている方々は、それぞれしっかりとしたコンセプトをお持ちだと思います。我が社は、まだまだシューティングというジャンルの新参者ですが、今後もほかにシューティングを作り続けているメーカーさんと共にがんばっていきたいと思います。

ドリームキャスト版『斑鳩 IKARUGA』を1名様にプレゼント!
(株)トレジャー様のご好意により、ドリームキャスト用『斑鳩 IKARUGA』を1名様にプレゼントいたします。こちらのアンケートフォームにご氏名、ご住所、『斑鳩』やシューティングゲームに対するご感想やご意見などをご記入の上、ふるってご応募ください(応募期間は9月25日〜9月29日)。発表は発送をもって替えさせていただきます。



(編集部 内田泰仁)


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