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これがモバイルノートの王者「ThinkPad X31」だ!!――日本IBMに聞くX31の全貌!!

2003年03月20日 00時00分更新

文● 月刊アスキー 中西祥智

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『ThinkPad X31』が発表される!! というウワサが月刊アスキー編集部を駆け回ったとき、思わず腰を浮かした編集部員が少なくとも3人はいたと断言できる(月刊アスキー編集部のThinkPad率はナント46%)。もっとも、その足で日本アイ・ビー・エム(株)の大和事業所まで突っ走ってしまったのは、私だけだったが。

『ThinkPad X31』
『ThinkPad X31』。Pentium M-1.30/1.40GHz、MOBILITY RADEON、256MBのPC2100対応DDR SDRAM、20/40GBのHDD、12.1型TFT液晶(XGA)、無線LANやGigabit Ethernet、Bluetoothまで搭載する最上位モデル『2672JHJ』は、IBMダイレクト価格25万4000円

というわけで、長らく“Banias”というコードネームで呼ばれたモバイル向けの最新CPU Pentium Mを搭載するモバイルノートPCの超本命、ThinkPad X31のヒミツを、開発陣に直撃した。

ThinkPad X31およびX30の開発陣
ThinkPad X31およびX30の企画・開発陣。左からX31のテクニカルプロダクトマネージャーの牧村博則氏、基板の設計担当山崎記稔氏、電気関係のリーダー片山 研氏、機構設計のリーダー前田一彦氏、X30のテクニカルプロダクトマネージャー齋藤千鶴子さん、マーケティング側の責任者 伊山円理さん

あのしっとり手触りが変わった!?

[月刊アスキー編集部(以下編集部)] まず触って気になったのが、パームレストなんです。X30以降変わりましたね。以前のX20シリーズだと……。
[伊山さん] ピーチスキンみたいなしっとりした感じの。
[編集部] 汗をかくとツルツルになるんですが(笑)。X30ではプラスチックな感じになりましたね。昔のiシリーズもこれでしたっけ?
[伊山さん] iシリーズでも、「ThinkPad i Series 1620」とかはピーチスキンでした。最近の新製品は、順次この材質で仕様を統一しています。
[編集部] それはもうやめちゃうんですか?
[伊山さん] 今のところは、そういうデザインポイントでやっていますので。お客様からは賛否両論あったんですよ。手垢がついて気になるという声もあって、途中で塗装を手垢のつきにくいものに変えたりしてきたんですが。
[編集部] あと、キーボードってX30になって変わりましたか?  X24よりは硬くなったような気がするんですが。
[齋藤さん] キーのフィーリングはモデルごとにブラッシュアップしていて、そのモデルに最も適した硬さにしていますので、違うと思います。
[伊山さん] X24から比べると、少し硬くなりましたね。
[編集部] パラレルポートが付いたのは?
[齋藤さん] お客様からのご要望ですね。
[編集部] プリンタを付けたいと?
[伊山さん] X20シリーズを作ったときに、結構潔くいろいろなものを取りました。ですが、X30で復活させました。Xシリーズは全世界で展開しいるのですが、X30でフルモデルチェンジする際に、パラレルポートがあったほうがいいという声が日本のお客様から、またほかの国のお客様からも多かったのです。パラレルポートを入れたことで、すごく重くなるとか、大きくなるとかいうことはないので、今回装備しました。
[編集部] パラレルポートを取っても軽く・小さくはならないということですね。
[伊山さん] インパクトがあるほど軽くはなりませんから。
[編集部] パラレルの代わりにUSBがもう2つあるほうが、私などはうれしいんですが。
[伊山さん] 企業系のお客様だと、レガシーのインターフェイスもまだまだ現役ですからね。今回X30シリーズを出すにあたって、一番の優先順位は“軽さ”ではなかったんです。一番は、今までのX20シリーズが持っていたものを引き継ぎつつ、さらに拡張するということでしたから。
[編集部] ちっちゃいマシン好きに言わせると「『ThinkPad s30』はどうなったんだ」ということになるんですが(笑)。以前お話をうかがったときには、Xシリーズとs30はマージするというお話があったと思うんです。Xにsの要素を入れていくと。つまり、s30の長大なバッテリ時間が反映されて、Xシリーズもさらに長時間駆動になるということですよね?
[伊山さん] バッテリの駆動時間については、本体のみで6時間、今までのX20にはなかったオプションバッテリを付ければ9時間駆動します。
[編集部] Pentium Mの効果ですか?
[牧村氏] ただ単にPentium IIIからPentium Mにしただけではダメで。X30の5時間からX31の6時間というのには、かなりの努力がありました。
[片山氏] どこかのデバイスから、水の流れと同じように電気が漏れてしまうことがあるのですが、一瞬でも漏れないように設計しています。いろいろなところをしらみつぶしにして、電気の漏れを最小限にしました。

Xシリーズは1台目?  2台目?

[編集部] Xシリーズの発想として、1台目のマシンなんですか?  それとも2台目なんですか?
[伊山さん] それは特に決めていません。今、初めて使うというお客様は少ないと思います。もちろん1台目としても使えますし、メインマシンのサブとしての用途にも十分耐えると思います。
[編集部] ですが、X30シリーズを1台目というのは想定しにくくはありませんか?  少なくとも光ディスクは付いていませんし。
[伊山さん] それはお客様の使い方次第です。光ディスクドライブは必要だけれども、内蔵されていなくても大丈夫だというお客様には、オプションも用意していますので。
[編集部] そもそもXに光ディスクを載せるという発想はなかったんですか?
[伊山さん] ないですね。重くなりますし。Tシリーズとか、光ディスクを載せている製品と差別化するということも考えなければいけないので、今のところXシリーズに光ディスクを内蔵するということは、企画側からはリクエストしていません。
[牧村氏] 「ウルトラベースX3」も持ち運びができるように設計されていますので、光ディスクが必要であればウルトラベースも合わせて持ち運んでいただければいいと思います。
[編集部] Tシリーズに載っている“ウルトラナビ”がXに載ったりはしないんですか?
[伊山さん] 載せないと決めてかかっているわけではないのですが。
[牧村氏] 現状ではサイズの問題があります。ただ載せるだけでなく、ユーザビリティを考えなければなりませんので。

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