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【IDF Japan 2005 Vol.1】米インテル担当副社長が語る“デジタルホーム”で目指すものとは?――“インテル・デベロッパ・フォーラム Japan 2005”明日開幕


2005年4月6日
米インテルにてデジタルホーム事業本部を率いるデジタルホーム事業本部長のドナルド・マクドナルド氏
米インテルにてデジタルホーム事業本部を率いるデジタルホーム事業本部長のドナルド・マクドナルド氏

インテル(株)の各種プロセッサーやプラットフォームの最新技術についてを開発者向けに説明する会議、“インテル・デベロッパ・フォーラム Japan 2005”(IDF-J)が明日7日より8日まで、東京港区台場のホテル日航東京にて開催される。同社の製品や最新技術についてのセッションや、インテル製品を活用した各ベンダーの製品展示などが行なわれるイベントだ。そのIDF-Jの開催に先立つ6日に、米インテル デジタルホーム事業本部副社長兼デジタルホーム事業本部長のドナルド・マクドナルド(Donald J. MacDonald)氏による報道関係者向け記者会見が行なわれ、インテルとデジタルホーム事業本部のビジョンについての説明が行なわれた。

米インテルは去る1月17日(現地時間)に大規模な組織変更を発表し、製品カテゴリを基準とした従来の組織から、エンドユーザーソリューションを基準とした5つの組織(※1)に再構成を行なった。マクドナルド氏が率いるデジタルホーム事業本部(The Digital Home Group)は、一般消費者が家庭で使うデジタルエンターテイメント機器やデジタル家電などのコンピューティングと通信のプラットフォームを研究・開発する部門である。インテルではもっとも家庭のパソコンユーザーに近い部門と言える。

※1 モビリティ事業本部、デジタルエンタープライズ事業本部、デジタルホーム事業本部、デジタルヘルス事業本部、チャネルプロダクト事業本部の5つ

マクドナルド氏はまずデジタルホームが実現された環境では、パソコンを初めとしてHDDビデオレコーダー(PVR)やデジタルセットトップボックス(STB)といった機器はネットワークでつながり、デジタルサービスやアプリケーションを交換すると定義した。そしてデジタルホームのユーザーのユーセージモデルとして、VoIPやウェブカメラによるコミュニケーション、リモートでの空調や家庭内セキュリティ機器管理、在宅勤務や在宅教育、高齢者向けの在宅看護、そして今年の主流となるデジタルエンターテイメント(エンジョイメント)などを例として挙げた。

デジタルホームで考えられるユーセージモデルの例
デジタルホームで考えられるユーセージモデルの例

続いてマクドナルド氏はデジタル家電やポータブルメディアプレーヤー、音楽・映像配信やオンラインゲームといったオンラインエンターテイメントが、今後も高い伸びが予想されているというレポートを示した。特にオンラインエンターテイメントは2008年のワールドワイドでの市場規模は、3つ合わせて110億ドル(約1兆1880億円)にもなるという予測を提示。また“ビデオサブスクリプション”と呼ぶ有料映像配信についても、“有料コンテンツの主流はアダルトコンテンツ”という状況を今年には抜け出し、2008年には30億ドル(約3240億円)もの市場規模に広がるとした。

音楽や映像配信、オンラインゲームといったオンラインエンターテイメントの今後の市場予測を示すグラフ。アダルトコンテンツが多い有料映像配信も年内には一般的な映像が主流になるとする

そのうえで、同社がフォーカスしている課題を「どのようにしてプレミアムコンテンツを家庭に届けるのか」とし、DVDディスクやケーブルTV&セットトップボックスという既存の流通方式から、広帯域のインターネットに移行していくとした。そのために克服しなくてはならない障害として、狭い帯域での配信コストを下げるため、合法的なピアツーピアのネットワーク技術に同社が投資しているとした。さらに映画会社が抱いているネットワークに対する不信感を取り除くために、コンテンツ保有者が納得できる配信技術の確立が必要とも説く。そのための技術基盤としては、同社が精力的に取り組んでいる“DTCP/IP(Digital Transmission Contents Protection over IP)”などを挙げ、コンテンツの安全な配信に取り組んでいるとした。またデジタル機器の相互接続性が重要として、標準化のための業界団体“DLNA(Digital Living Network Alliance)”がベンダー各社の支持を集めて、デジタル家電の相互接続性実現が推進されつつあるとも述べた。

同社の本来のフィールドである半導体の分野については、デジタルホームで予想されるユーセージモデルの実現のために、マルチコアアーキテクチャーへの投資を行なっているとする。デュアル・マルチコアCPUは性能面の要求を満たすだけでなく、電力消費の効率改善にも有効とした。

同社は今後もデジタルホーム分野に大きな投資を続け、また関連する業界との協力も進めていき、デジタルホームのユーザーを増やすためにコンテンツを増やし、使いやすい技術の開発を進めるとして、マクドナルド氏は講演を締めくくった。

講演後の質疑応答でマクドナルド氏は、「ハリウッドの映画会社にとっては、作品を公開・流通させる手段としてはインターネットを低く見ていると思われるが、その点をインテルは同改善していくのか」という報道陣の質問に対し、「まず劇場で公開するという流通に映画会社は満足している。大きなコストもかかっているし、個人的には映画会社が現状を変えることはないだろう。また消費者にとっても、デジタルだからといってよい経験になるとは限らない、紙の本や映画館で見ることを望んでいる」として、現在主流のコンテンツ流通を大きく変えようとは考えていないと述べた。しかし流通や公開手段の限られた規模の小さい映画会社や制作スタジオ、ニッチなユーザー層に対するコンテンツにとっては、インターネットによる流通が適するとした。また今年末までにはこうしたコンテンツ公開の例を見せたいと語った。

(編集部 小西利明)


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