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日本でも大盛況だった“Photoshop World”の仕掛け人 スコット・ケルビー氏を直撃!!――“Photoshop World”は来年も開催へ


2005年11月18日

11月9日、10日の2日間にわたってAdobe Photoshopのユーザーイベント“Photoshop World 2005 in Japan”が開催された。米国では定番のイベントとなっている、この“Photoshop World”を主催する団体“NAPP”(ナップ、National Association of Photoshop Professionals)の創設者兼CEOのスコット・ケルビー(Scott Kelby)氏に、イベントを終えたばかりの翌日(11日)にインタビューする機会を得た。日本で初開催となる同イベントの感想や今後の予定などについて、話を聞いた。

スコット・ケルビー氏
“NAPP”の創設者兼CEOのスコット・ケルビー氏

[――] 今回が米国以外で初の開催となった“Photoshop World”ですが、日本で開催するに至った経緯を教えてください?

[ケルビー氏] まず、米国外での最初のPhotoshop Worldの開催が日本になったことは、とても“ラッキー”だったと思います。Photoshop Worldにとって日本はすばらしい場所です。日本にはPhotoshopの幅広い使い方を裏付けるさまざまな要素があり、特に東京はどこ(の看板や広告)を見てもPhotoshopが使われていると気づきます。そうした意味で、今回日本で行なわれたことはとても自然な流れだったと思います。

もちろん、この夢を実現する上でアドビ システムズ(株)の協力があったのは言うまでもありません。日本開催のきっかけとなったのも、サンフランシスコで行なわれたPhotoshop Worldの会場で、アドビ システムズのPhtoshop担当の中川葉子さんと話をしたことがきっかけでした。中川さんに「(Photoshop Worldを)日本でできたらすばらしいですね」と言われ、私も「おお、そうですね」と答えたのがきっかけです。

[――] 会場の内外で多くの日本人Photoshopユーザーと会われたと思いますが、どんな印象を持たれましたか?

[ケルビー氏] 日本のユーザーのPhotoshopに対する“思い入れ”と“関心の高さ”が印象に残りました。多くの熱意を持っている方に会場で出会いましたが、みなさん「とても勉強になるし、楽しんでいる」と言ってくださいました。

日本のPhotoshopユーザーも我々(米国のユーザー)と同じような課題や問題を抱えていて、同じようなソリューション(解決手法)を求めていることが興味深く感じました。セッション後の質問の内容が、ヨーロッパやアメリカの国々の方からいただくような質問と同様であり、共通性を感じました。

Photoshopはひとつのプログラムにすぎませんが、いわば“国際的な共通語”のようなものになってきていると感じました。本当に楽しかったです。

ケルビー氏が気になった講師は?

スコット・ケルビー氏

[――] 米国から来日されたスピーカーのほかに、多くの日本人アーティストがスピーカーとして登壇しましたが、最も印象に残ったのは誰でしたか?

[ケルビー氏] いろいろな方がいましたが、中でも京都芸術大学教授の宇川直宏さんと宇宙カントリーの野田 凪さんのセッションに参加し、彼らのなさっている仕事に非常に深い印象を受けました。また、カメラマンの早川廣行さんの授業も必ず何か学び取れることがありました。これは(会場で話をした)ほかのトーレナーも同じことを言ってました。

[――] 宇川さん、野田さんのセッションでは特にどのような点に関心を持たれましたか?

[ケルビー氏] 野田さんはスポーツブランドの“NIKE”向けに作られた作品を拝見したのですが、彼女の仕事のクリエイティビティー(創造性)には目を見張りました。見ているとグイグイ引込まれて目が離せないほどに魅力あるもので、NIKEの“スピリッツ”や“メッセージ”を的確にとらえ、余すところなく伝えていると感じました。

ほかの講師の方からもテクニック面で得られる物がありますが、それ以上にクリエイティビティー、仕事への姿勢に感銘を受けました。今回は日本のアーティストのクリエイティビティーに強く感銘を受けました。

また、残念ながら私は拝見できなかったのですが、宇川さんのもうひとつのセッションで行なわれた“ライブパフォーマンスアート”(参加者の目の前で作品を作り上げていく過程そのものをアートとして見せる)が文字通り“ワイルド”だったと聞いています。米国のPhotoshop Worldではそうしたパフォーマンスはやったことがないので、米国でのイベント内容を考え直すきっかけになりました。

[――] 今回の講師陣はどのようにして決めたのでしょうか?

[ケルビー氏] 講師や講義スケジュールなどは、日本のアドビ システムズにご協力いただいて決めました。特に日本の最先端で活躍されている、知名度の高いスピーカーを選ばせていただきました。

[――] 米国のPhtoshop Worldでは交流会やパーティーのようなものは行なわれているのでしょうか? 例えば“Macromedia MAX”ではユーザー同士の交流に力を入れたり、さらにビデオやウェブなどを組み合わせた総合的なウェブコンテンツ作成のセッションも行なっていますが。

[ケルビー氏] 米国ではそうしたユーザー同士の交流、友好を深める施策も行なっています。会期中はみなさんが同じホテルに宿泊しているので、自然と友好が深められるのです。来年の日本のPhotoshop Worldでは、そうした企画もやりたいと考えています。

また、米国ではビデオ(Premiere/AfterEffectsなど)のトラックもありますし、DTPソフトのInDesignと(Photoshopを)組み合わせたセッションも行なっています。来年はきっと、FlashやDreamweaverを組み合わせたセッションもできるでしょう(笑)。

[――] ということは来年も日本で開催するのですね!

[ケルビー氏] 開催できることを期待しています。NAPPはアドビと来年の企画を話し合っている段階です。今回、日本で行なったことで次のPhotoshop Worldでは何をやっていくべきかが、つかめたと思います。さらにいろいろなフィードバックやアイディアを参加者や講師陣からもいただければと思います。

[――] 来年も“ライバル”のラッセルさんと“ファイト”するのですか?

[ケルビー氏] (笑)。彼は親しい友人ですよ。“ファイト”は、毎年テーマ(今年はボクシングスタイルだった)が変わるので、来年はまた違った演出を考えています。ぜひ楽しみにしてください。

米国のPhotoshop Worldでは、毎回イベントの最後に“Photoshop Wars”という企画をやっています。来場者から何人かに壇上に上がってもらい、10分間で作品を仕上げるというもので、誰が当たるか分からないのでとても盛り上がります。これはぜひ日本でもやりたいですね。



NAPP日本支部の設立も!?

スコット・ケルビー氏

[――] NAPPについてうかがいます。現在、全体でどのぐらいの会員数がいるのでしょうか? その中で日本人はどのぐらいいますか?

[ケルビー氏] 数字を正確には覚えていないのですが、全世界の会員数は4万5000人ほどです。日本からの会員も、数字は今把握していませんが、ずいぶん前から参加いただいています。“オンラインフォーラム”(NAPPのウェブサイトでの情報交換)で活発に活動している方もいらっしゃいます。

[――] NAPPの収入は会員からの会費以外にどのような収入があるのですか?

[ケルビー氏] 一般の方に向けたトレーニングやセミナーを米国や英国で随時行なっています。今後は日本でもセミナーを開いてみたいと考えています。ほかには会員向け雑誌「Photoshop User Magazine」や解説書、ビデオなども制作・販売もしています。今後は「Photoshop User Magazine」の日本語版も考えています。

[――] となると、NAPPの日本支部も必要ですね?

[ケルビー氏] それ(日本支部の設立)も考えています。

[――] 日本の映像やデザイン、アートに対しては世界から注目が集まっていると感じますがいかがですか?

[ケルビー氏] 確かに関心が高まっていると思います。インターネットの普及で世界は小さくなっていますので、多くのアーティストの作品を目にする機会が増えています。今までにないほど、日本のデザインやアートに対する関心が米国では高まっています。そうしたことも、日本で開催する上で魅力的だった理由のひとつです。

(千葉英寿)


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