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Flash Lite 2.0のリリースは開発者にインパクト! 「Flash 7ベースのアプリケーションにわくわくしているだろう」――ダニエル J.ブロンギエル氏インタビュー


2006年1月19日

Flash Lite 2.0/Flash Player SDK 7の記者説明会が行なわれた10日、説明会終了後にその会場(六本木ヒルズ内アカデミーヒルズ49)に隣接するコラボレーションルームにおいて、米アドビ システムズ社のアジア太平洋モバイル&デバイス担当バイスプレジデントのダニエル・J・ブロンギエル(Daniel J.Brongiel)氏にインタビューする機会を得た。ここでは、Flash Lite 2.0の登場が開発者とユーザーの双方にもたらす“インパクト”について話を聞いた。

ダニエル・J・ブロンギエル氏
米アドビ システムズのアジア太平洋地域モバイル&デバイス担当バイスプレジデントのダニエル・J・ブロンギエル氏

[編集部] まず、Flash Lite 2.0とFlash Player SDK 7の位置づけについて教えてください。

[ダニエル J.ブロンギエル氏] Flash Lite 2.0とFlash Player SDK 7は、それぞれ独立した開発キットです。SDK 7はFlash Player 7向けのフルコンテンツを開発するためのツールキット。Flash Lite 2.0は、(プレーヤーとしての)Flash Lite向けコンテンツを開発するためのツールで、携帯電話機や家電機器を制御するAPIも含まれます。どちらもFlash 7ベースのコードで構築されています。

Flash Lite 2.0とFlash Player SDK 7のカバーする範囲の違い
Flash Lite 2.0とFlash Player SDK 7のカバーする範囲の違い

[――] (2005年秋にはパソコン向けのFlash環境として)すでに『Flash Professional 8』がリリースされていますが、なぜ今“7”なのでしょうか?

[ブロンギエル氏] 残念ながらパソコン用と非パソコン用の開発にはタイムラグがあります。SDK 7とLite 2.0の開発は、パソコン用の7が完成したときに始まったのです。ただ、最終的なゴール(将来的に)は、パソコンと組み込み端末(携帯電話機や家電機器など)で同期を図っていきたいと思っています。

[――] Flash Lite 2.0/Flash Player SDK 7の大きな特徴のひとつに“ActionScript 2.0”対応があります。これによって“できるようになったこと”を具体的に教えてください。私自身が開発者ではないので、分かりやすくお願いします。

[ブロンギエル氏] 最初に登場した“Flash Lite 1.1”は、初期のActionScript 1.0サポートでした。これは(パソコン用の)“Flash Player 4”で初めてサポートしたものです。一方、ActionScript 2.0はFlash Player 7と8でサポートしています(8はActionScript 3.0もサポート)。

例えば韓国ReignCom社の“iriver”『U10』は、ActionScriptを使うことでインタラクション(直感的な操作)が可能になり、ユーザーの思い通りのナビゲーションを実現できるデバイスになりました。2.0ではさらに今まで以上のインタラクションや内蔵機能との統合が図れるようになります。具体的には、XML形式でデータをやり取りできるようになったため、より早く、開発しやすい環境になっています。また、異なるファイルタイプやコンテンツタイプのやり取りができる“ダイナミックローディング”も可能になってます。

iriver U10のインターフェースにもFlash Liteが使われている
iriver U10のインターフェースにもFlash Liteが使われている

[――] では、ActionScript 2.0が生かされるアプリケーションやユーザーインターフェースとは具体的にどのようなものでしょうか?

[ブロンギエル氏] ウェブ向けのFlashコンテンツでは、多くがすでに2.0を使っているので、互換性があります。携帯電話機の場合、(通話やメールなどの)ユーザーインターフェースの構築にもメリットがあるでしょう。例えば先ほどのiriver U10や携帯電話機では、(既存のFlashコンテンツと互換性のある)2.0を使えることで開発が容易になるし、資産のリユースが可能になります。2.0のサポートはデベロッパーにとって、表現力の豊かなコンテンツの開発に大いに役立つでしょう。

[――] つまり、Flash Lite 1.1が登場したときには、Flashによる動きのあるインターフェースがユーザーに大きなインパクトを与えたのですが、2.0はむしろ開発者にとって大きい、と?

[ブロンギエル氏] マーケットの切り口では、そうなりますね。例え製品の進化としては(エンドユーザーに)見えにくいものだとしても、携帯電話事業者やリッチコンテンツの開発者には大きなインパクトになるでしょう。

パソコンの世界で言えば、1990年代半ばのHTMLベースのウェブページしかなかったときには、極めて静的で使い勝手も悪いものでした。しかし、マルチメディア全盛の時代が到来してFlashによるインタラクティブコンテンツが(ウェブページのインターフェースに)統合されるようになると、ナビゲーションもユーザー体験もリッチになりました。

Flash Liteをリリースした過去4年間の経緯を振り返ってみても、NTTドコモやKDDI(au)は、パソコンと同様の経過をたどっていると思います。

ダニエル J.ブロンギエル氏

[――] ただ、パソコンのときの進化に比べて、携帯電話の(ユーザーインターフェースやユーザー体験の)進化はスローではないですか?

[ブロンギエル氏] アプリケーションの進化に時間がかかっているのは事実です。しかし、Flash Lite 2.0の登場によって、携帯電話機などで今まで以上の豊かでインタラクティブなサービスが誕生することになるでしょう。ただ、ひとつ記憶しておいてほしいのは、Flash Lite 2.0が製品に載って、アプリケーションとして使われるようになるには12ヵ月程度の時間がかかるだろうということです。

[――] XMLサポートとインタラクティブなユーザーインターフェースというと、例えばネットワーク対応のポータブル音楽・動画プレーヤーにFlash Lite 2.0が搭載された暁には、あたかもパソコンを使ってインターネット経由で音楽を購入するようなメニュー画面を、プレーヤーの液晶ディスプレー上に再現して、端末単体で購入から視聴まで楽しめてしまう、そんな世界を想像して(ユーザーの立場でも)ワクワクしますね。

[ブロンギエル氏] まさにそのとおり。いい例えですね。うちで営業しませんか?(笑)

[――] 説明会ではエコシステム(コンテンツ開発者同士の結びつき)について強調されていましたが、開発者向けのカンファレンスなどの展望を教えてください。

[ブロンギエル氏] アドビ システムズとしての具体的な話はまだ聞いていないので、確実に言えることは今後もユーザーや企業(メーカー)に対して製品の“継続的なリリース”と製品をより深く理解してもらうための“定期的なカンファレンス”を続けるということです。

カスタマー(顧客、ユーザー)とデベロッパー(開発者)向けのイベントの実施は、米国本土以外では日本で優先的に実施されることになるでしょう。エコシステムでも日本は重要な役割を担っています。



ブロンギエル氏が持ってきたFlash Lite搭載製品の数々
ブロンギエル氏が持ってきたFlash Lite搭載製品の数々

[――] 個人的に、(Flash 8で新たに実装された高画質な動画コーデックの)“On2コーデック”をFlash Liteでも早くサポートしてほしいものです。

[ブロンギエル氏] 私もですよ(笑)。2年前、マクロメディアとしてビデオメディア(動画)をオーサリングツールでサポートするためにいくつかのコーデックを検証してきましたが、(パソコンでも携帯電話機でも家電機器でも)プラットフォームとして互換性のある機能を提供すること念頭においています。一貫性のあるプラットフォームを提供することで、“エンゲージメントプラットフォーム”(ユーザーがデバイスや時間、場所を問わずに情報を活用できる環境)を提供すること。これがアドビの使命だと考えています。そしてアドビ製品の開発に関わっている方は今、Flash 7ベースのアプリケーションを(携帯電話機や家電機器向けにも)リリースできることにワクワクしていることでしょう。

(編集部 佐久間康仁/撮影 伊藤咲子)


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