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日本TI、米国本社CEOテンプルトン氏来日に伴う記者会見を開催


2006年3月30日

日本テキサス・インスツルメンツ(株)は30日、米国本社の社長兼CEOリッチ・テンプルトン(Richard K. Templeton)氏の来日に合わせて記者会見を開催した。

テンプルトン氏
米TIのCEO、リッチ・テンプルトン氏

半導体業界では、自社は設計のみを行ない、最先端プロセスルールの開発や製造は台湾などのファウンドリー(製造会社)に任せるファブレスの形態、あるいは、半導体メーカー数社が集まって合資会社などを作り、共同で最先端プロセスを開発していく方向性などが主流になりつつある。競争力のある半導体を製造し続けるためには莫大な投資が必要で、それを単独でまかなうことは非常に難しいためだ。

しかし、米TIはこのような状況とは一線を画した戦略を取っている。テンプルトン氏は会見で「自社でのプロセス開発には今後も注力する」と明言し、今年は昨年の20億ドル(約2320億円)を上回る22億ドル(約2574億円)の投資を行なっていく方針を明らかにした。米国テキサス州のリチャードソン工場(RFAB)において、300mmウェハーによる65nmプロセス半導体の生産を行なう予定で、量産設備の設置を今年6月までに行なう。

RFAB
米国テキサス州のリチャードソン工場では2006年6月から65nmプロセスの量産体制に入る

テンプルトン氏は「(最先端の製造をプロセスを自社で継続開発していくことは)TIにとって強みであり、顧客によいサービスを提供していくために重要なこと」と述べた。自社の基準で管理された高い品質のチップを、自社の戦略に応じて量産し、「顧客に辛抱を強いることなく」、ベストなタイミングで提供するために自社ファブは必要であるという意味である。米TIではこの方針を0.13μmプロセスの開発を開始した約5年前から継続しており、それに続く90nm、そして最新の65nmの3世代に渡って一定の成功を収めていると認識しているという。

合わせてテンプルトン氏は米TIの主力事業であるDSPの市場が2008年まで年率20%で拡大していくというWSTS(世界半導体市場統計)の予測を提示。TIでは昨年からサンプル出荷を始めたDSPベースのマルチメディアシステムソリューションの“DaVinci”(ダビンチ)や携帯電話機をターゲットにしたアプリケーションプロセッサー“OMAP”などの製品群を拡充していく方針であるという。また、もうひとつの主力事業であるアナログICに関しても、DSPの周辺回路に不可欠な要素と位置づけている。テンプルトン氏は「DSP・アナログとも、よい製品を開発し、マーケット全体の成長を上回るペースで売り上げを上げていきたい」とコメントした。

会見風景
会見には日本法人代表取締役社長の山崎俊行氏も出席

米TIの半導体売り上げ高は2005年に117億ドル(約1.3兆円)を計上した。内訳はアナログICとDSPはそれぞれ40%、残りの20%はDLP製品やマイコン、汎用ロジックICなどが占める。DSP市場における2005年の市場シェアは米フォワード・コンセプツ社の調査で約60%。2001年の40%から堅実にシェアの拡大が進み、競合の米フリースケール・セミコンダクター(Freescale Semiconductor)社、米アギア システムズ(Agere Systems)、米アナログデバイセズ(Analog Devices)社を大きく上回る結果となっている。

(編集部 小林久)


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