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【INTERVIEW】オンラインデートサイトでもウェブカムが活躍!? 米ロジテック上級副社長に話を聞いた


2006年5月23日

MSNビデオで80億セッションを提供

23日に発表された新製品『キューカム コネクト QVP-41/QVP-61』のポイントと、今後のウェブカム戦略について、米ロジテック(Logitech)社シニアバイスプレジデントのジュニアン・ラブルース(Junien Labrousse)氏に話を聞いた。

ジュニアン・ラブルース氏
Logitechでエンターテインメント&コミュニケーションズビジネスユニットを統括するジュニアン・ラブルース シニアバイスプレジデント

[編集部] 今回の製品のポイントは?

[ラブルース氏] 直径45ミリと小型化した点がひとつです。われわれロジクールは、日本のウェブカム市場で52%という金額ベースのシェアをもっており、日本からの要望を採り入れた形です。

[編集部] 他国での御社のシェアは?

[ラブルース氏] 北米で56%、ドイツで66%、フランスで52%、イギリスで60%などとなっています。ロジクールは1998年に目玉型カメラを販売していた米コネクティックス(Connectix)社を買収して以来、この分野でビジネスを行なっていますが、過去6年の弊社の業績は年平均29%という伸びとなっており、急成長しています。

ブロードバンドの普及と、インスタントメッセンジャーの普及が成長の2大要因です。メッセンジャーについては、ヤフー、MSN、Skypeとパートナーシップを組んでビデオコミュニケーションの普及に努めてきました。特にMSNビデオに関しては、われわれが技術やサービスを提供しています。すでにMSNビデオでは80億セッション以上を提供したことになります。

[編集部] どういうユーザーが、どういったシチュエーションで利用している、もしくはこれから利用が期待できるのでしょうか?

[ラブルース氏] 現在、ユーザー層には大きく2つあります。ひとつは、放課後や週末におしゃべりしたいティーンエージャー。もうひとつは、遠隔地の家族や恋人との通話に使うというユーザーです。

家族で一緒に話すということを考えると、リビングで1台のパソコンを囲んで話す機会が増えます。こうした用途のため、QVP-41/61には、独自開発の“RightSoundテクノロジー”採用の内蔵マイクを搭載しています。これはハウリングの元となる繰り返しの音波をエコーと認識して除去する機能です。

また、一般家庭では必ずしも照明環境が良くありません。暗い部屋や蛍光灯のちらつきがあるような場合でも、ベストの映像となるよう研究開発しています。

今後はウェブカムが普及すれば、たとえばオークションサイトで静止画の代わりに動画を使う、ということもありえるでしょうね。実際に出品物が稼働しているかどうかが分かります。あるいは、出会い系サイトなどでは、20年前のものかもしれない写真よりも、いま動いている動画のほうを見たいですよね(笑)

[編集部] 最近はブログでも動画がよく使われていますよね。

[ラブルース氏] 最近おもしろかったのが、オンラインのビデオ共有コミュニティーサイト“YouTube.com”で人気が出たビデオです。恋人に振られた女性が、いかに自分を振った男がひどいやつだったかをカメラに向かっておもしろおかしく語るのですが、彼女は映像中の顔にひげを付けたり、サングラスをかけたりしています。そうしたアクセサリーは、実はわれわれの製品に添付されているソフトを使った特殊効果なのです。


『ロジクール Video Effects』(上がアバター、下がフェイスアクセサリー)。アバターは、ユーザー動作に合わせて表情を自然に表示する

[編集部] ノートパソコンであれば、後からアタッチするタイプよりも、組み込みカメラのほうが便利。これは御社には脅威では?

[ラブルース氏] われわれもノートPCメーカーにカメラモジュールを提供していますので、組み込みカメラの市場が伸びることは歓迎です。現在、ワールドワイドでは約10%のノートPCにカメラがついていますが、私は個人的には、この数字は50%ぐらいにまで伸びるだろうと予想しています。

組み込みであれ、後付けであれ、ウェブカメラが増えることによって、その認知度が高まることによって、さらに市場が拡大するでしょうから、それはわれわれにはありがたいことです。また、後付けタイプであれば、組み込みカメラにはない高機能や使い勝手も提供できます。たとえばカメラが顔をトラックする機能ですとか、ビデオにエフェクトをかけるソフトウェアです。

[編集部] ビデオコミュニケーションの普及で、アジア、ヨーロッパ、北米などで違いはあるのでしょうか?

[ラブルース氏] ヨーロッパや、南米では、MSNが広く普及していることもあってビデオもよく使われています。北米では広く普及しているAOLのインスタントメッセンジャー、“AIM”のビデオ機能が弱いため、あまりビデオが使われていません。AIMのビデオ機能はファイヤーウォールを通過しませんし、画面も小さいのです。いっぽう、日本ではSkypeが普及してきているので、Skypeビデオが使われるでしょうね。

Skypeは、ほかのメッセンジャーと異なり、音声指向が強いです。テキストベースのコミュニケーションでは、1つのメッセージに対する返答が5分後とか、場合によっては30分後ですが、Skypeのような音声だと、コミュニケーションに張り付く形になります。このため、Skypeではビデオの利用も比較的早く進むだろうと考えています。

[編集部] 画素数を上げるとか、ワイヤレス化するとか、今後の技術的チャレンジは?

[ラブルース氏] 画素数についてはブロードバンドの帯域に依存するので、簡単には上げられません。送信フレーム数についても、1秒間に15〜25フレームあれば十分です。むしろ、通話体験という観点では、音質や使い勝手の悪さが問題と認識しています。たとえば、呼び出しがかかったときにマウスでアプリケーションを最大化して、ボタンをクリックし、さらにマイクをオンにするなど、電話を受けるだけなのに手間が多すぎます。

ウェブカメラのワイヤレス化には2つ課題があります。ひとつは給電の問題です。キーボードやマウスと違い、頻繁に充電が必要になります。もうひとつの課題は、アプリケーション開発という点です。ワイヤレス化できれば、カメラをモニターとして使いたいという要求が自然と出てくるでしょうが、そうした新たなニーズに対応するアプリケーション開発は簡単ではありません。

(編集部 西村賢)


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