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【INTERVIEW】Adobe IDEASで新生アドビ システムズの行き先が分かる!?


2006年8月3日
ジム・ジェラルド氏
米アドビシステムズのWeb&ビデオ製品担当バイスプレジデントのジム・ジェラルド氏

アドビ システムズ(株)は4日、東京・新木場のSTUDIO COSTにおいて、マクロメディアとの統合後で初となる、ウェブデザイン/グラフィックデザイン/映像制作など、同社のメインユーザーとなるクリエイターを集めたイベント“Adobe IDEAS(アドビ アイデアズ) 2006”を開催する。このイベントのために来日した米アドビシステムズ(Adobe Systems)社のWeb&ビデオ製品担当バイスプレジデントのジム・ジェラルド(Jim Guerard)氏と、プロダクトマネージャーのスコット・フィジェット(Scott Fegette)氏に、Adobe IDEASの開催意義を聞くとともに、Web&ビデオ製品の今後の動向について話をうかがった。



Adobe IDEASでは、
アドビとマクロメディアの合併成果が見られる

[――] 今回、Adobe IDEASを開催するに至った経緯をお聞かせください。

[ジェラルド氏] これまでもアドビ、マクロメディアはそれぞれがユーザ−に向けたイベントを開催してきました。マクロメディアは“Macromedia MAX”というイベントを(米国で)昨年10月に行ないました。アドビも同様に欧州で“Adobe LIVE”といいうイベントを行なっています。Adobe IDEASは、『Adobe Creative Suite』『Adobe Creative Suite Production Studio』などをお使いのクリエイティブユーザーのみなさんに一堂にお集りいただき、(マクロメディアと合併した後の)“これからのアドビ”をお見せするものとなります。

[――] MAXは数日に渡るイベントでしたが、Adobe IDEASが1日のみ開催のイベントなのはどういった理由がありますか?

[ジェラルド氏] MAXは主にデベロッパー向けの技術習得、情報交換が主体のイベントです。今回はアドビとマクロメディアがひとつになったことをユーザーの皆さんにメッセージとしてお伝えすることが主目的ですので、1日でも十分と考えています。アドビとマクロメディアがひとつになったことで、1社からグラフィックス/ビデオ/ウェブといったジャンルを超える、“境界線のないデザイン”を提供できることをお見せする場になります。そこではさまざまな事例や現在、アドビが今後提供できる“アイデア”をお見せします。

Mac版『Premiere』、再登場の可能性は!?

[――] 次に、担当されているWeb&ビデオ製品についてお聞きします。Production Studioの今後の方向性についてお聞かせください。

[ジェラルド氏] ポストプロダクションソリューションである新しい『Adobe Creative Suite Production Studio Standard/Premium』を今年初めにリリースしました。プロフェッショナルの方にお使いいただいている『Adobe After Effects 7.0』と、新たに『Adobe Premiere Pro 2.0』も提供しています。Premiere ProはフィルムやDV、非圧縮HDまでの主なビデオフォーマットに対応したプロ向けビデオ編集機能を追加しています。このAdobe Production Studioのリリースをマクロメディアとの統合後、わずか5週間で提供することができました。

[――] Premiere Proがさらにプロ向けの機能を追加したことは映像制作の現場にとっては朗報ではあると思いますが、After EffectsとPremiere Proで実現できることは(最近相次いでMac用ビデオ製品をリリースしてきたライバル企業の)オートデスク(株)のや米アップルコンピュータ社と比較して、十分だとお考えでしょうか?

[ジェラルド氏] オートデスクの『Inferno』を導入しているのは200サイト(スタジオ)ぐらいではないでしょうか? After Effectsは限られた人々向けではなく、モーショングラフィックスなどさまざまなユーザ−に適したものとして、これほど広まっているものはほかにないと思います。ディズニーやABCのようにFlash Videoをオンラインで提供することで、単に番組を見せるだけではなく、広告収入などにつなげることもできます。映画産業はフィルムからデジタルへ、ユーザーの視聴メディアもVHSからDVDへと変化しても、総収入を増やす手だては見つけられませんでしたが、オンラインや新しいデバイスでそうしたこと(広告によって収入を増やすこと)が実現できるようになっています。オートデスクやアップルのツールには、そうしたことはできないのではないでしょうか?

[――] Premiereは現在、Mac市場から撤退している状態です。しかし、After Effectsとのワークフローを考えた時に、多くのMacユーザーがPremiere Mac版の復活を望む声が多いようですが。

[ジェラルド氏] PremiereのMac版については、私たちにも何千という方々から要望をいただいています。将来の製品計画についてはお話できませんが、“Mactel”(Intel CPUを搭載し、Windowsをネイティブサポートした“次世代Macintosh”と噂されている製品)の登場がよいチャンスになるかもしれません。

スコット・フィジェット氏
プロダクトマネージャーのスコット・フィジェット氏

[――] Mactelの話が出てきたところで確認したいのですが、今後『BootCamp』(Windowsの起動を実現するアップル純正ツール)が正式にリリースされ、Windowsの動作保証がなされた場合、アドビとしてはWindows版のPremiere ProをMac上で動作保証することになるのでしょうか?

[フィジェット氏] これについてお答えするのは(BootCampが現在β版なので)時期尚早ではないかと思います。ただ、アドビとしては厳密な検査を重ねた上でどこまで保証するかを検討することになります。少なくとも現状では、BootCampやパラレル(Mac OS X上でWindowsを起動するためのソフト)を試験してみたところ、いくつかの問題点がありました。

Flashとビデオ製品、そしてPDFとの融合とは?
“Apollo”についてはAdobe IDEASで何かが出る!!

[――] Production Studioの各製品に、今後どのようにFlashの機能が融合されていくのでしょうか?

[フィジェット氏] いくつかテーマはあるのですが、ワークフローやアプリケーション間のインタラクションが実現するようにしたいと考えています。どのようにFlashを組み込むかは難しい問題で、さまざまなニーズをユーザーにうかがっているところです。

[――] 日本ではアニメが盛んで、このところ“Flashアニメ”が注目されています。しかし、Flashの開発ツールは一般的なアニメ制作者が使うにはハードルが高い部分もあります。そうしたアニメーターのためのツールを出される可能性はありますか?

[ジェラルド氏] 確かにFlashユーザーにプロのアニメーターが増えています。次のFlashにはプロのアニメーターのためのフィーチャーが入ってくることになります。そのために今年4月には多くのアニメ制作関係者にヒアリングを実施しました。

ジム・ジェラルド氏の描いたFlexとFlashの棲み分け

[――] 先日のFlex 2の投入で、Flashはデベロッパー向けというイメージが強まったようにも思えますが。

[ジェラルド氏] 確かにFlex自体は、コアとなるベース(クリエイティブツール)から離れたように見えたかもしれませんが、FlexとFlex Builderが出たことでクリエイターとデベロッパーに明確に役割分担ができたと思います。FlexとFlex Builderはコーダー(デベロッパー)向け、Flashはアニメーターなどのクリエイター向け、という事です。図にするとこういうイメージです。

[――] では、ここにPDFを加えるとどうなりますか?

[ジェラルド氏] それが“Apollo(アポロ)”なんです。これについてはAdobe IDEASでお話できると思いますので、ぜひご期待ください。



(千葉英寿)


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