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日本オンライン証券とイー・ウイング証券が合併──新会社は“カブドットコム証券株式会社”

2001年01月18日 00時27分更新

文● 編集部 佐々木千之

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日本オンライン証券(株)(※1)とイー・ウイング証券(株)(※2)は17日、都内で記者会見を開き、合併契約を締結したと発表した。合併期日は4月1日で、新社名は“カブドットコム証券株式会社(http://www.kabu.com/)”。両社は2000年11月に合併の意向を表明していた。

※1 日本オンライン証券(東京都中央区)は、伊藤忠商事(株)、朝日生命保険(相)、みずほファイナンスグループ、安田火災海上保険(株)、マイクロソフト(株)、富士通(株)などが出資し、2000年2月にサービスを開始したオンライン専門証券会社。

※2 イー・ウイング証券(東京都中央区)は、三和銀行グループが中心となって2000年4月にサービス提供開始したオンライン専門証券会社。

公表された合併合意内容によると、合併は2月1日に開催される両社の株主総会での承認後をもって正式決定される。2社の対等合併の形で行なわれるが、日本オンライン証券の1株に対して、イー・ウイング証券の株式0.97株を割り当て交付する。法律手続き上の存続会社はイー・ウイング証券で、本社所在地は日本オンライン証券の所在地である東京都中央区新川となる。合併後の資本金は25億4000万円。オンライン証券システムのインフラは、日本オンライン証券のものを利用し、イー・ウイング証券のデータを移管する形となるとしている。新会社の代表取締役会長に現日本オンライン証券社長の藤島久則(ふじしまひさのり)氏が、代表取締役社長には現イー・ウイング証券社長の小早川眞希雄(こはやかわまきお)氏が就任する予定。

イー・ウイング証券の小早川眞希雄社長(左)と日本オンライン証券の藤島久則社長(右)
会見後に笑顔で握手する、イー・ウイング証券の小早川眞希雄社長(左)と日本オンライン証券の藤島久則社長(右)

記者会見に当たり挨拶した小早川社長は「両社は知れば知るほど合併による効率的な経営体制が期待できることがわかった。合併に伴う作業も少ない」と合併による経営効率化メリットを強調、藤島社長も「トップダウンではなく、両社の(30代の)若い社員を中心としたミドルアップの経営判断によって、合併の話し合いはスムーズに行なわれた。新会社では一番便利な証券会社を目指して顧客満足度の高い会社にしたい」と抱負を述べた。

合併の詳細について説明した、日本オンライン証券の齋藤正勝執行役員によると、日本オンライン証券は一からオンライン証券インフラを構築し、顧客向けサービスのランキングでも上位に位置するなど、システム技術力に定評がある。一方のイー・ウイング証券は、三和銀行グループのつばさ証券をバックとした、証券業務に関する事務合理化やバックオフィス業務運営のノウハウに強みを持つ。

合併に際しては、これまでのコストを見直す機会ととらえて、諸費用の洗い出しを行なったほか、コールセンター、バックオフィスシステムや社屋などは日本オンライン証券のものをそのまま使用し、人員についても、現在の両社の派遣を含む役職員合計92名のところ、新会社では最大58名とするとしている。販売管理費も月当たり両社合計2.4億円を、1.5億円以内に抑える見通し。口座数については、両社ともほぼ同数で、12月末現在の重複を除いた口座数合計は5万7462口座、4月の新会社発足時には約7万口座と見ており、試算では4月の開業月から単月黒字が見込めるとしている。

両社ともオンラインのみで実店舗が無く、開業して間もないため合併への作業はスムーズに行なえるといい、次世代型証券業務フローシステムの整備と、コスト構造の見直しに注力しているという。

なお、17日付けで両社と、米ウィット・サウンドビュー・グループが運営するウィット・キャピタル証券の戦略的事業提携が発表されている。これは、ウィット・キャピタル証券の個人顧客向けオンラインリテール業務をカブドットコム証券へ移管するというもの。

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