国内のストレージ関連企業およびストレージユーザー企業など30社は27日、ストレージネットワーキング技術の普及を目的とした非営利の業界団体“ストレージネットワーキング・インダストリ・アソシエーション日本支部(SNIA-J)”の設立総会を開催した。
(左から)SNIA-Jの吉田浩会長、古谷幹則副会長、清水照久副会長 |
SNIA-Jは、'97年に米国のストレージ関連企業、ストレージユーザー企業らによって発足した、ストレージ・アーキテクチャーの技術研究や標準化の推進、技術者の教育、ストレージの啓蒙活動を行なう非営利の業界団体“Storage Networking Industry Association(SNIA)”の下位組織。
設立総会では、2000年12月からSNIA-J設立に向け準備を行なってきた、有志による設立準備委員会が、これまでの経過と初代の役員、SNIA-Jの会則、事業計画などを議案として提出し、すべての議案は参加企業代表ら約40名の賛同を得た。
準備委員会は6月27に開催された“データストレージEXPO”において記者会見を開き、SNIA-J設立への準備が整ったこと、および7月末のSNIAボードミーティングで正式承認を受けた後に正式に設立するとアナウンスしていた。
SNIA-J役員の構成は以下の通り。
- 会長
- 吉田浩氏(富士通(株))
- 副会長(企画)
- 古谷幹則氏(コンパックコンピュータ(株))
- 副会長(会計)
- 米田茂氏((株)日立製作所)
- 副会長(広報)
- 清水照久氏(EMCジャパン(株))
- 担当理事(企画)
- 山田忠治氏(日本電気(株))
- 担当理事(組織)
- 内堀郁夫氏((株)東芝)
- 担当理事(渉外)
- 和田昌佳氏(日本IBM(株))
- 担当理事(総務)
- 井桁和浩氏(NTTコミュニケーションズ(株))
- 顧問
- 喜連川勝教授(東京大学生産技術研究所)
SNIA-Jの初年度事業計画としては、SNIAと連携しつつ日本国内におけるストレージネットワーキング技術の普及促進に寄与することを目的に、SNIA-Jの組織形成、SNIA-Jの広報宣伝活動、SNIA-Jのウェブサイトの構築、展示会などイベントへの参加、教育啓蒙活動の調査・企画を行なうとしている。
SNIA-Jの会員は、総会での議決権や役員に選出される権利を持つ正会員(年会費99万円)と、総会の出席や会員向けの情報を利用する権利を持つ賛助会員(同49万円)、および理事会が特に認める個人もしくは団体の特別会員からなる。事業年度は12月1日から翌年11月30日までで、初年度は2001年11月30日までとなる。会員企業は以下の通り。
SNIA-Jの正会員企業18社
- イーエムシー ジャパン(株)
- 伊藤忠テクノサイエンス(株)
- NTTコミュニケーションズ(株)
- コンパックコンピュータ(株)
- コンピュータ・アソシエイツ(株)
- サン・マイクロシステムズ(株)
- 東京エレクトロン(株)
- (株)東芝
- 日本アイ・ビー・エム(株)
- 日本電気(株)
- 日本ネットワーク・アプライアンス(株)
- 日本ヒューレット・パッカード(株)
- BMCソフトウェア(株)
- (株)日立製作所
- 富士通(株)
- ブロケード コミュニケーションズ システムズ(株)
- ベリタスソフトウェア(株)
- マクデータ・ジャパン(株)
SNIA-Jの賛助会員企業12社
- 沖電気工業(株)
- 兼松エレクトロニクス(株)
- サーヴァンツ インターナショナル(有)
- (株)シー・エル・シー
- 住商エレクトロニクス(株)
- ソニー(株)
- 日商エレクトロニクス(株)
- 日製産業(株)
- 日本シー・エヌ・ティ(株)
- 日本チボリシステムズ(株)
- 日本電気システム建設(株)
- マイクロソフト(株)
SNIA-Jの初代会長に就任した吉田氏は、「ネットワークストレージ市場は最も成長の期待できる市場。SNIA-Jの果たす役割は大きい。(具体的活動としては)9月5日をめどにSNIA-Jのウェブサイトを開設する予定。SNIAのウェブサイトの情報を翻訳して、会員に限らずオープンな情報として提供する」などと述べた。
ストレージエリアネットワーク(SAN)、ネットワークアタッチドストレージ(NAS)、iSCSI(Internet SCSI)など、ネットワークストレージ市場には次々と新しい規格や技術が登場しているが、それに関する知識の浸透度は、サーバー関連の技術などに比べると、企業のシステム担当者においても低い。しかし、ネットワークストレージは、インターネット/イントラネットにおいて欠かすことのできない重要な技術になりつつある。非営利の業界団体として、SNIA-Jによる普及、啓蒙活動、技術の標準化推進への期待は大きい。