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ソニーと富士通、ソニーによるニフティ買収報道に関してコメント


2001年12月28日

ソニー(株)と富士通(株)は28日午前、同日付け日本経済新聞朝刊の“ソニーがISP最大手ニフティ(株)を1000億円前後で買収へ”という記事に関してコメントを発表した。

日経朝刊によると、ソニーは子会社のソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)(株)が運営する“So-net”と、ニフティの事業を統合して、一般消費者向けネット事業の拡大に弾みを付ける目的。富士通は売却益を2002年3月期に予想される連結赤字の補填に当てるほか、企業向け情報システム事業に経営資源を集中させる目的としている。

両社とも具体的なコメントは避けたが話し合いについては否定せず

これに対して、両社は短いリリースを発表した。

ソニーのリリース
「インターネット事業での協力の可能性について話し合いはあるが、現時点で 決定事項は何一つとしてなく、コメント出来る段階にない。」(原文ママ)
富士通のリリース
「ソニーとは幅広い分野での協業について話し合いをしておりますが、日本経済新聞で報道されたような具体的なことは、現在のところ何も決まっておりません。」(原文ママ)
So-net”のトップページ
So-netのトップページ

リリースについて、各社広報に問い合わせたが、SCN広報は、「現時点ではまったく何も決まっていないので、なにも言える状況ではない。リリースの通りだ」。もう一方の富士通広報では、「ソニーとは以前から半導体事業など、いくつもの分野で取り引きを行なっているが、(ソニーに限ったことではなく)こうした業界で広く行なわれていること。報道されたような金額や期日など、具体的なことはまったく決まっておらず、ニフティの会員の皆様に安心していただく目的でコメントを発表した」としている。

ニフティのトップページ
ニフティのトップページ

リリース分も含めて、いずれも報道内容を完全否定するようなものではなく、なんらかの話し合いが行なわれていることは認めるものとなっている。仮に新聞記事の通りに進められているとすれば、2002年3月期の決算発表に間に合うタイミングで発表されると推察され、1月ないし2月の早い時期に正式発表すると思われる。

なお接続会員数で国内2位である“BIGLOBE”を運営する日本電気(株)にコメントを求めたところ、「現時点では両社とも具体的な発表はされておらず、他社のことでもありコメントは控えさせていただく」との回答を得た。また、他社サービスとの買収や提携などについては「NECはBIGLOBE事業を、自社グループの重要なドライビングフォースと考えており、今後とも積極的に展開していくつもりで、売却することはない。ただ、事業の形態は変わってきており、接続会員を増やす方向から、ビジネスの軸をコンテンツやサービスに移している。ほかの企業を買収や提携して、単純に吸収することで会員を増やすということは考えていない。11月に発表したライブドア(株)への出資も、“livedoor”会員データベースを使わせていただくことが目的であり、そういったかたちでの提携は今後も考えていく」としている。

接続会員数約650万人の巨大ISPになるか

So-netの会員数は2001年10月末で接続会員129万人、コンテンツのみ利用する会員48万人。またニフティの接続会員数は2001年9月末で494万人で、単純に合算すれば、接続会員数で623万人となる。さらに、So-netは10月に“JustNet”を展開する(株)ウェブオンラインサービスを(株)ジャストシステムから買収しており、2002年10月にSo-netと統合する計画で、JustNetの8月時点で接続会員25万人を加えると、648万人にのぼる会員を抱えることになる。国内ISP2位のBIGLOBEの接続会員数は10月末で393万人であり、648万人という数は、重複ユーザーが含まれるにしても、非常に大きな数字といえる。

ニフティ、So-net、JustNet、BIGLOBEの接続会員数のグラフ
ニフティ、So-net、JustNet、BIGLOBEの接続会員数のグラフ

ISP事業は、日本電気のコメントにもあるように、かつての、“接続会員数を増やして接続料で収益を得る”ビジネスモデルは、競争による接続料の引き下げによって崩れているのが現状で、ISP各社はここ1、2年、課金できるコンテンツやサービスによって収益を得るモデルへ移行するべく、優良なコンテンツ/サービスの充実を図ってきている。So-net、ニフティ、BIGLOBEなどは、ISPの中でもそうしたコンテンツ/サービス事業をかなり積極的に進めており、So-netとニフティが仮に統合すれば、接続会員数のみならず、コンテンツ/サービスの面から見ても、巨大な事業者が誕生することになる。

本格的なサービス提供が始まりつつある、ブロードバンド向けコンテンツやモバイル向けコンテンツでは、機材面などでこれまでと違った大きな投資が必要と思われ、大規模事業者のほうが有利ということも考えられる。そうしてみると、今回のSo-netによるニフティの買収は、かなり現実味がある話であることは間違いない。

今後、OCN、ODNなど、通信事業者系企業が提供しているサービスの統合は考えにくいが、企業が自社のネットワーク資産を活用する形で始めたような企業系ISPや、ISP専業事業者は、インターネットサービスの多様化やブロードバンドアクセス対応への投資など厳しい状況にあり、いわゆる“選択と集中”による経営資源の効率的な運営を考えれば、規模の大小はあれ、同様の買収・事業統合などの動きはまだまだ出てきそうだ。

(編集部 佐々木千之)


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