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ソニー、20GBのHDDを搭載したオーディオレコーダー『CMT-L7HD』を販売

2002年11月19日 21時01分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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ソニーマーケティング(株)は18日、HDD搭載のオーディオシステム『CMT-L7HD』を国内で販売すると発表した。『CMT-L7HD』は、2002年8月に欧米で発売された製品で、国内ではECサイト“ソニースタイル”を通じて販売する。

『CMT-L7HD』
『CMT-L7HD』
『CMT-L7HD』
音楽CDの再生とそのHDDレコーディングに対応
『CMT-L7HD』
左右のスピーカーは取り外し可能

『CMT-L7HD』は、音楽CDの再生とそのHDDレコーディングに対応したモデル。20GBのHDDを搭載し、ATRAC3形式(132kbps固定)で、音楽を最大2万曲(300時間以上)記録できる。2倍速で録音できるほか、新開発の“聞き録れMAS(Music Auto Strage)機能”によって音楽CDを再生しながら同時に録音することもできるという。HDDに録音した音楽は、

  1. “Search”:アーティスト名、曲名、アルバム名をキーワード検索して再生
  2. “Alubum Favorite”:気に入ったアルバム5枚までダイレクトに再生するよう設定できる
  3. “Play list”:曲のプログラム再生。複数のアルバムに対して設定できる
  4. “History”:最近聞いた曲を再生する

といった4つのモードで再生できる。

『CMT-L7HD』 『CMT-L7HD』
付属のリモコン。上部のパネルはアルミ製上部パネルを開くと、QWERTY配列のキーボードが現れる

アンプは、ソニー独自の“S-masterフルデジタルアンプ”を搭載する。入力はデジタル光入力端子×1、アナログ入力端子×1、出力はデジタル光出力端子×1、アナログ出力端子×1。FM/AMチューナーを搭載する。取り外し可能なスピーカーが2台付属し、サイズは本体が幅293×高さ246×奥行き131mm、スピーカーは幅149×高さ248×奥行き220mm。価格は8万9800円。販売台数限定の製品(台数非公表)で、18日より製品の購入希望者を対象にした“予約エントリー”を行なう。“予約エントリー”数が多かった場合には抽選を行なうほか、第2回、第3回の販売も検討するという。



「HDD搭載がどこまで評価してもらえるかがポイントになる」

編集部では、ソニー(株)のホームオーディオカンパニー商品企画部の瀬名俊介氏に、『CMT-L7HD』のマーケティング戦略について話を伺った。

ソニーの瀬名氏
ソニーのホームオーディオカンパニー商品企画部の瀬名俊介氏
[編集部] 欧米では店頭販売を行なっているのに、なぜ国内では“ソニースタイル”限定販売にしたのか。
[瀬名氏] 『CMT-L7HD』はターゲットが絞られた商品だと考えている。一般にHDD自体がどこまで認知されているか、さらにHDD搭載がどこまで評価してもらえるかがポイントになる。

『CMT-L7HD』を先行販売している欧米では、CDの価格が安く、音楽をMDに録音するという文化がもともとない。逆に“MD文化”が浸透している国内で、そういった商品を目当てに家電量販店に足を運ぶお客様に対し、HDDオーディオを横並びで紹介するのは妥当でないと思う。それよりも、ある程度パソコンの知識を持ち、HDD搭載のメリットを感じていただけるような“ソニースタイル”の読者に、周辺の情報を補いながら販売をするほうが現実的だと考えた。

ちなみに、欧米でも『CMT-L7HD』を扱っているリアルの店舗は、高級オーディオ機器などを扱う“アンテナショップ”など一部の店舗だけ。こちらも販路を限定している。
[編集部] 『CMT-L7HD』は大容量のHDDを搭載しているが、MDのような外部記録メディアへの記録に対応しておらず、“コクーン”『CSV-E77』のようにインターネットに繋がるわけではない。どのようなユーザー層に、どのように使われると想定しているか。
[瀬名氏] 年齢で言うと、20代後半から30代のビジネスマンをメインターゲットとしている。利用シーンとしては、オーディオのCDオートチェンジャー機能をフル活用しているような場所や、有線を流し続けているような場所、職場・家庭を問わず、BGMを常に流している場所にマッチするだろう。また、すでに東京・表参道のインテリアショップに陳列をすることが決まっているが、デザインを重視する層にも受け入れられると期待している。

インターネットに接続するHDDオーディオの企画の有無について瀬名氏に伺ったところ、「まずはHDDステレオが市民権を得ていないので」と慎重な姿勢をとりつつも、特に否定はしなかった。『CMT-L7HD』で、“大人のためのHDDオーディオ”という市場を確立したいという。



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