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ソニー、事業戦略説明会を開催――“戦略事業への集中”“生産体制の再編”“間接部門の生産性向上”を3つの柱に


2003年5月28日

ソニー(株)は28日、都内で2003年度および短期(2006年度まで)における事業戦略説明会を開催した。会場には、会長兼グループCEO(最高経営責任者)の出井伸之(いでいのぶゆき)氏、社長兼グループCOO(最高執行責任者)の安藤国威(あんどうくにたけ)氏、副社長兼グループCSO(最高戦略責任者)の徳中暉久(とくなかてるひさ)氏、副社長の高篠静雄(たかしのしずお)氏、(株)ソニー・コンピュータエンタテインメントの代表取締役社長兼CEOならびにソニーの副社長の久多良木 健(くたらぎけん)氏、グループCFO(最高財務責任者)の湯原隆男(ゆはらたかお)氏が列席し、“戦略事業への集中”“生産体制の再編”“間接部門の生産性向上”という3つの柱を中心とする、“ソニーの構造改革”の詳細を明らかにした。

列席者一覧
事業戦略説明会の列席者一覧。左から4番目が会長兼グループCEOの出井伸之氏

最初に出井氏が、ソニーの今後の主な動きと同社を取り巻く環境について、「コンシューマーエレクトロニクスに注力していく姿勢には変更はない。たが、業界の変化は大きく、中国などから低コスト製品が入ってきたことで、ソニーにおいても価格競争力が求められている。それに対応するため、ソニーは1999年から構造改革を行なってきて成果も上げているが、一層の効果を期待してさらなる戦略/改革を行なう」と述べた。

具体的には、市場環境の急速な変化に対応するため、週次での経営実績管理を行なうとともに、四半期ごとの予算計画の作成/実施を進める。その体制として、グループごとにCFO(最高財務責任者)を設置するという。

また、今後も市場の高成長が期待されるフラットパネルディスプレー(パソコン用ディスプレーならびにTV)について、従来は自発光型デバイス(有機EL方式など)のみ自社開発し、非自発光型は他社からの調達を行なっていたが、今後は非自発光型についても開発/生産体制が必要と考え、投資を前向きに検討すると説明。加えて、久多良木氏を副社長に迎えることで、エンタテインメント(ゲーム)とコンシューマーエレクトロニクス(家電製品や関連デバイス)の統合をこれまで以上に積極的に推進していくとして、別のニュース記事でも報じたゲームとHDD/DVDレコーダーのハイブリッド機“PSX”や、E3で発表された携帯ゲーム機“PSP”を紹介した。

成長のための3つの柱
ソニーが重点領域として掲げたのは“AV市場でのNo.1”“IT・通信の強化”“エレクトロニクスとゲームの融合”の3つ。これらに関連する半導体やモジュールの製造・販売で成長目標の達成を図る

続いて安藤氏が1999年から2002年までの“第1次構造改革”の成果と、2003年から2006年までの“第2次構造改革”の施策や目標についてスピーチした。第1次構想改革の成果として、不採算カテゴリーからの撤退、製造事業所の集約、アイワの吸収合併完了などを上げ、1700億円規模の資金投入に対して、年換算で1000億円の効果を出したことを報告した。第2次構造改革の目標は、『2006年度に営業利益率10%の達成に向けた体制構築』で、そのための方策として、戦略事業へのリソースの集中、グローバルEMCS(エンジニアリング・マネージメント・カスタマーサービス)による全世界規模での事業所の再編と集約、国内を中心とした固定費の削減、販売や間接部門のスリム化などを挙げた。コストは2800億円(グループ全体で3000億円)で、効果は年換算で1700億円程度の固定費削減(営業利益で約3%の改善)を見込んでいる。初年度(2003年度)は、1300億円を投じて人事関連や設備投資を行なって600億円の固定費削減を期待すると説明した。

開発中の小型CLIE
副社長の高篠氏が胸ポケットから取り出した小型CLIE。遠めに見た限り、『ゲームボーイアドバンスSP』のようなサイズで、ヒンジ部分にカメラが搭載されているようだった

個別の事業分野(グループ)ごとの説明では、AV(オーディオビジュアル)部門が高い利益率(全体で8%、ビデオ単独では12%前後)を維持しており、今後はDVD±RWレコーダーの国内市場への投入や、PDA“CLIE”を小型化し無線通信機能を内蔵した新製品を開発、投入することなどで製品力・競争力の強化を図っていく。デスクトップ/ノートパソコンの“バイオシリーズ”は、他社の強み(顧客管理や直販分野)を見習いつつ、製品としては徹底的に差別化して新スタイルの提案やAV機器との融合、ネットワーク機能の強化を図っていくとした。

『PSX』
『PSX』

(編集部 佐久間康仁)


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