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NTTドコモ、第14回定時株主総会を開催――「確かに“特効薬”はないが……」

2005年06月21日 22時26分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは21日、第14回定時株主総会を開催した。決議事項は、第14期(2004年4月1日~2005年3月31日)の利益処分案、クレジットカード事業参入などにあわせた定款の一部変更、自己株式所得、執行役員制度の導入などに伴う役員の異動、退任取締役/監査役の退職慰労金など。出席した株主は1678名で、議決権数は4004万6884(いずれも12時の時点)。2004年度決算の減収減益や株価の低迷などを受けて、株主から同社の業績や方針などに対して厳しい質問が続いたが、約2時間半の審議の後、すべての議案に対して出席議決権の過半数ないし3分の2以上が賛成して承認可決された。なお、同社は議案への電子投票も受け付けており、インターネット経由で議決権を行なったのは株主全体の4.8%という。

会場となった都内ホテル 株主総会会場
会場となった都内ホテル。8時17分に1人目の株主が来場した株主総会会場(記者待機室のモニター画像を撮影)

第14期の報告書によれば、株式の状況は、発行する株式の総数が1億9002万株、発行済み株式の総数が4870万株、株主数が36万1924名。株式を最も取得しているのは日本電信電話(株)で、出資比率は全体の59.85%を占める。自己株式は4.99%。

議案について、利益処分案は、第14期の年間配当金を1株あたり2000円(中間配当金と合算)とするもの。自己株式所得は、次期の定時株主総会集結の時までにNTTドコモの普通株式220万株、取得総額4000億円を限度として取得するもの。役員の異動も含め、それぞれすでに5月に発表されている。

代表取締役社長の中村維夫氏
代表取締役社長の中村維夫氏

株主からドコモへの質問で、会場から同意の拍手を多く得たのは、「緊迫感が足りないのではないか」という内容のもの。これに対しては代表取締役社長 中村維夫(なかむらまさお)氏が、「緊迫感は、危機感という形で、非常に強く感じている」と自ら答えた。「2006年に番号ポータビリティーが導入される。新規参入が入ってくる。auが後ろから追いかけてきているという状況の中で、我々が何をなすべきか日夜論議している。確かに“特効薬”はない。携帯電話の世界は、ADSLの世界と違って、安ければいいというものではない。まずネットワークの品質だが、どこからでも繋がるということが求められている。端末も、デザイン/機能/性能が受け入れられなければならない。料金も然り。コンテンツも然り。これをもう一度見直してみようということで、今やっている最中。第3世代のネットワークは、投資額を増やして(計画を)前倒しでやっている。携帯電話機は、普及機として700iシリーズを出したり、第2世代に新しい電話機を投入したりしている。新しい競争状態の中で、いかに我々が戦っていくべきかは本当に真剣にやっているので、ご理解いただきたい」(中村氏)

また第15期の配当は第14期の2倍にあたる4000円を予定しているが、これについて株主から「“株式配当利回りの会社”になってしまうのか」という質問があった。これに対して中村氏は、「そういうことは一切考えていない。配当が十分でないことは、これまでも認識していた。従って今回、4000円と決めた。しかしこれは配当利回りを狙った株ということではない。我々としては、これから先も成長を求めて、“おサイフケータイ”なり、新しいジャンルへ出て企業を成長させたいと思っている」と成長への意欲を見せた。





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