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NTTドコモとタワーレコード、業務提携を目的とした資本提携を発表――タワーレコード店舗でおサイフケータイを活用など

2005年11月07日 21時11分更新

文● 編集部 小西利明

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資本提携についての発表を行なう、NTTドコモ 執行役員プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野剛氏(左)と、タワーレコード 代表取締役社長 グループCEOの伏谷博之氏(右)
資本提携についての発表を行なう、NTTドコモ 執行役員プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野剛氏(左)と、タワーレコード 代表取締役社長 グループCEOの伏谷博之氏(右)

(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)とタワーレコード(株)は7日、両社の事業提携を目的とした、資本提携を実施すると発表した。NTTドコモ側が増資引き受け等により、タワーレコードの発行済み株式総数の約42%に当たる普通株式を取得し、筆頭株主となる。金額は約128億円で、実施時期は11月下旬をめどとする。

携帯電話事業者のNTTドコモと、音楽・映像ソフト小売り大手のタワーレコードの事業提携は、異色の組み合わせに見える。しかしNTTドコモ 執行役員プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部長の夏野剛氏は、「携帯電話ユーザーと音楽ソフトの消費者は非常に近い」と述べ。そして非接触ICカード技術“FeliCa(フェリカ)”の機能を搭載する“おサイフケータイ”の普及によって、携帯電話事業者と小売り事業のシナジー性の高い分野が広がっているとして、タワーレコードはこれらサービスの活用により、さらに業績を上げることができると述べた。またタワーレコード 代表取締役社長 グループCEOの伏谷博之(ふしたに ひろゆき)氏は、店舗販売以外の流通チャネルの開拓や、音楽配信の台頭によるパッケージビジネス市場縮小を踏まえた、新しいチャネルを利用した音楽業界活性化などが目的にあるとした。さらに伏谷氏は携帯電話が、同社の掲げる“NO MUSIC NO LIFE”というライフスタイルを支えるインフラとして、非常に重要で高いポテンシャルを持つという考えを披露し、携帯電話を活用したさまざまなサービス展開が可能となると述べた。

“BestMusic Retailler”から“BestMusic Complex”へという目標について語る、タワーレコードCEOの伏谷氏 NTTドコモ夏野氏は、「若者層に、“おサイフケータイを使うと便利になる”と、目に見える形で提供できる」と述べる
“BestMusic Retailler”から“BestMusic Complex”へという目標について語る、タワーレコードCEOの伏谷氏NTTドコモ夏野氏は、「若者層に、“おサイフケータイを使うと便利になる”と、目に見える形で提供できる」と述べる

具体的な事業提携の内容は3点ほど示された。なおタワーレコードは米ナップスター社と共同で音楽配信事業を手がけるナップスタージャパン(株)を設立しているが、今回の提携は携帯電話での音楽配信そのものには踏み込んでいない。これについてドコモ夏野氏は、「NTTドコモ自体が音楽配信事業を手がけることはない」と述べた。

タワーレコード店舗でのおサイフケータイの活用
・NTTドコモが提供予定の新クレジットブランド決済サービスのモデル店舗として導入。タワーレコード主要店のいくつかで、年度内に実験的に実施を開始
・FOMA 902iシリーズなどのおサイフケータイが対応する、店舗情報や電子クーポンを携帯電話機に取り込む“トルカ”機能と連携したサービス展開。およびポイントサービス等の整備
音楽コンテンツおよび音楽情報における協業
・両社のノウハウを融合し、携帯電話での音楽視聴サービスやアーティスト情報・新譜情報など音楽関連情報の配信を充実させる。
店舗におサイフケータイを持ち込むことで、決済やポイントサービスへの利用、店頭での情報発信などを実現する NTTドコモの携帯電話サービスにタワーレコード発の音楽情報を配信する。また音声や動画などのコンテンツ配信も検討する
店舗におサイフケータイを持ち込むことで、決済やポイントサービスへの利用、店頭での情報発信などを実現するNTTドコモの携帯電話サービスにタワーレコード発の音楽情報を配信する。また音声や動画などのコンテンツ配信も検討する
タワーレコードが検討する携帯電話を使った新事業

増資により得られる128億円の用途について伏谷氏は、携帯電話に対応するシステムの店舗への導入資金や、新規事業への投資に活用するとした。NTTドコモが株式総数の約42%を取得することにより、タワーレコードはNTTドコモの連結決算の対象となる。しかしドコモ夏野氏は、「NTTドコモがタワーレコードを傘下に収めたわけではない」と言明し、あくまで事業提携の手段のひとつとしての資本提携であるという見解を示した。

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